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「電波利用料の値上げ」で「携帯電話料金は値下げ」されるのか?

■再燃した携帯電話料金の引き下げ案

 菅 義偉氏が総理になったことで、2年前にも騒がれた携帯電話料金の引き下げ案が再び検討されているらしい。
 総務大臣に任命された武田良太氏は携帯電話料金について「1割とかいう程度では改革にならない」 と述べ、携帯電話料金の値下げに並々ならぬ意欲を見せている。

 確か、2年前の携帯料金引き下げ案は、時期的にも消費増税のブーイングを収めるための折衷案、悪く言えば、ガス抜き案としての意味合いが強かったと記憶している。
 当時の菅氏の弁では「現在の携帯電話料金は4割下げる余地がある」という触れ込みだったので、携帯各社は実際に値下げを行った。本当にキッチリ4割値下げされたのかどうかは疑わしいが、「最大で4割安くした」ということにはなっている。

 いずれにしても、携帯電話料金の値下げは既に行われており、携帯解約料金も大幅に値下げされた。それでもまだ値下げが足りないということで、「値下げに応じない場合は電波利用料の値上げも検討する」という、ある意味、脅しとも受け取れるような発言もされている。

 この「電波利用料の値上げも検討する」という言葉を超訳すると以下のようになる。

 「携帯電話料金を下げない場合、安価で提供されている電波利用料を値上げして、あなた方の商売の利益率を引き下げますよ。安価な電波料金でこれまで通りの利益率を維持したいなら、素直に携帯電話料金を下げた方が無難ですよ。

■「大手キャリア」と「格安スマホ」の違いは保険の有無

 携帯各社にしてみれば「携帯電話料金」を下げても「電波利用料」が上がっても、どちらに転んでも利益率が下がるということで、心中穏やかではないと思われる。

 しかしながら、各携帯会社が支払っている電波利用料は、年間100〜200億円程度と言われているので、仮に電波利用料が2倍になったとしても、携帯電話料金を大幅に引き下げるよりもましということになってしまうかもしれない。

 そういう目算から、携帯各社が値下げに応じない場合も考えられるが、その場合はどうなるのだろうか? それでも無条件に電波利用料が値上げされるのであれば、携帯電話料金も便乗値上げになってしまうかもしれない。

 仮に政府のお達し通りに携帯の基本料金が値下げになったとしても、これまで不要だった各種サービス料金が値上げされることは容易に想像が付く。日本の携帯電話料金が諸外国よりも高い1つの理由は、携帯が故障した時などのトラブル相談費用等がほぼ無料(一種の保険料)というところにあるので、そういった無償サービスは削られ、携帯を修理する場合は、メンテナンス料金として別途請求されることになるのだろう。

 格安スマホ(MVNO)が安価であるのは、そういった至れり尽くせりのサービスが全く無く、スマホが壊れた時は自己責任(保険が無い)だからでもある。

■「携帯電話会社」よりも「NHK」に目を向けるべき

 しかし、政治家が「電波利用料」云々と言い出すなら、携帯電話会社よりも、むしろ、NHKの方に目を向けるべきだと思う。NHKが支払っている電波利用料は携帯電話会社よりもはるかに安く、年間25億円程度と言われている。

 料金が高いと思うなら格安スマホ(MVNO)に逃げ道が用意されている携帯電話料金よりも、受信料支払いの逃げ場がないNHKの受信料を値下げすることに注力していただいた方が、より多くの国民(特に若年者)に支持されるのではないかと思う。

 NHKに対しても同じようにこう言ってもらいたい。

 「値下げに応じない場合は電波利用料の値上げも検討する

 実際のところ、日本で総理大臣になったからといって、総理の裁量で「電波利用料」を簡単に上げ下げするほどの権限が有るとは思えないのだが、もし、それを可能にするほどの手段(権力)を持っておられるのであれば、是非、NHKの受信料の値下げも検討していただきたいと思う。

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