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- 2020年09月19日 08:25
信じ難い人気化するソフトバンク株売出し
「国内通信大手ソフトバンク株の1兆2400億円規模の売り出しで、国内機関投資家と海外からの需要が特に高く、売り出し規模の5倍超になったことが、複数の関係者への取材で分かった」(18日付Bloomberg 「ソフトバンク株売り出し、需要2倍超-国内機関と海外投資家に人気」)
個人的には信じがたいニュース。
ソフトバンク株を売り出すのは親会社でソフトバンクGの100%子会社であるソフトバンクグループジャパン。つまり、ソフトバンク株の売り出しによって得られる資金を手に入れるのはソフトバンク社ではなく親会社だということ。それは、投資家が提供する投資資金がソフトバンク社の成長に使われるわけでなく、親会社の財務改善という後ろ向きのものに使われるということだ。
6.6%というソフトバンクの配当利回りが魅力的に映っているのかもしれないが、売出しによって親会社の持ち株比率が20%以上下がる中で高い配当利回りが保たれる保証があるのだろうか。
仮に減配となればソフトバンクの株主は希薄化による株価の下落圧力だけを引き受ける格好になる。株価の下落によって結果的に高い配当利回りは保たれるかもしれないが…。
そんな思いを持つ小生の目が吸い寄せられるのは、「ソフトバンクによれば、引受証券会社が受け取る手取り金(フィーに相当)は総額で216億円となる」という最後の一文。