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都構想の嘘と真

住民投票までに知っておくべき『都構想』の嘘と真

新聞うずみ火主催の「『大阪都構想』を考える連続講座」の内容をまとめたものが出版された。私・柳本顕も8月28日にお話しをさせて頂く機会を得て、講演内容を掲載頂いている。

「嘘と真」を表題にしながら、講演にあたり(掲載内容も含めて)誤って発信していた部分があるので、お詫びしてここに訂正をさせて頂きます。

誤)P13 「実は、大阪市内にかつて唯一の府立公園がありました。住吉大社近くの住吉公園で、ある一定の役割分担を整理する中で府から市へ移管されました。これは移管されただけで、お金をくださいと、市は言っていません。でも、今回は逆のパターンです。」

正)「実は、逆パターンでは府から特別区にお金は移りません。大阪市内には現在も大阪府所管の公園が2つあります。住吉大社近くの住吉公園と住之江公園。これらは都構想になれば特別区(中央区)に移管されるものの、その維持管理費は大阪府から特別区に移管されるわけではないのです。」

都構想で市民は税金を二重払いすることになる!

訂正させて頂いた一連の部分は、複雑ながら都構想によって「大阪市民が損をする」重要な部分であることから改めて記載させて頂きます。

大阪市廃止分割4特別区設置という、いわゆる「大阪都構想」によって、大阪市が現在持っている資産や税金が大阪府に移ります。「むしり取る」という表現もかつて橋下徹(当時)市長からされた一面です。

都構想賛成側は、これまで大阪市がやっていた仕事に合わせてお金が移るだけで、仕事を市がやるか府がやるかの違いだけで、何ら市民に不利益はないと主張されます。しかし、府に移管される仕事は府が広域自治体として府民のために実施されるという論理に基づけば、本来は府税で賄われるべきものです。

実際、現在大阪市内にある府立の体育館など市民利用施設は府税で維持管理され、大阪市外にある同様の施設も、施設所在の自治体からの税投入はなく府税で運営されているのです。

この当たり前の構造を都構想に適応すれば、本来、大阪市から大阪府に移管される仕事は、府税で運営実施されるべきなのですが、従前の大阪市税をあてがうということになれば、府税を払っている市民(大阪市内住民)からすれば、府税に加えて広域事業のための税を払わなければならないということになり、税金の二重払いという不利益が生じることになるのです。

府内の他の市町村は、そんな負担をしていませんので、大阪市民だけが同じ府民であるにも関わらず「損をする」ということになるのです。

大阪市から大阪府に移管される仕事として、大規模公園(大阪城公園や長居公園など)や美術館・博物館、大学、港湾などがあげられています。現在、東京都においては都立の市民利用施設はすべて都税で対応しているとのことであります。特別区に別途負担を課すということはないのです。

よって、東京都の都区制度以上に、大阪都構想における特別区民は冷遇されているという言い方もできます。

詳細については、本日9月17日に出版された「住民投票までに知っておくべき『都構想』の嘘と真」に記載されていますので、ご確認頂ければ幸いです。

菅内閣が昨日16日に誕生し、前例にとらわれない規制改革を強く打ち出しています。新しい時代に新しい社会のあり方を見出していくべきだと強く感じるところです。

しかし、その基盤として政令市・大阪市を失ってしまうことは、大阪のみならず関西、日本の社会経済活動にも大きな影響を与えるという認識を持っています。

大阪市を廃止するのではなく、むしろ、政令市・大阪市の強みを活かして、先進事例推進の核となるようなDX都市モデルを作っていくべきではないでしょうか。

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