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【読書感想】ファンベース

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ファンベース (ちくま新書)
作者:佐藤 尚之
発売日: 2018/02/06
メディア: 新書



Kindle版もあります。


ファンベース ──支持され、愛され、長く売れ続けるために (ちくま新書)
作者:佐藤尚之
発売日: 2018/02/22
メディア: Kindle版

内容(「BOOK」データベースより)
人口急減やウルトラ高齢化、超成熟市場、情報過多などで、新規顧客獲得がどんどん困難になっているこの時代。生活者の消費行動を促すためには「ファンベース」が絶対に必要だ。それは、ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売上や価値を上げていく考え方であり、その重要性と効果的な運用の方法を、豊富なデータや事例を挙げて具体的に紹介する。『明日のプランニング』に続く、さとなおの最新マーケティングの必読書。

 こうしてブログを書き続けていると「どうしたら、新しい読者を増やすことができるだろうか?」と考えることがあるのです。
 頭打ちどころか、どんどん読んでもらえなくなっていくし。
 いやしかし、読者が減っているというのは、少なくとも「新規読者<読むのをやめた人」ということですよね。

 商売とか仕事の契約においては「新規顧客を増やす」のが最優先にされることが多いのですが、あらためて考えてみると、「新規顧客をひとり増やす」ことができても、「今までの顧客がひとり離れてしまう」ことになれば、差し引きゼロになります。
 にもかかわらず、「新規顧客を増やす努力」に比べて、「これまで顧客であった人に、ずっと顧客でいてもらうための配慮」は、けっこう手薄な印象があるんですよ。
 費用対効果を考えれば、後者のほうが、よほど効率が良いかもしれないのに。

 「減らさない」ことには「増やす」のと同じ効果があるのに、「増やす」ことに目が向きやすいのは、お金も同じですよね。

 いま「ですよね」って書きましたけど、僕自身もこのブログで「新しい人にアピールする方法」を考えることはあっても、「既存の読んでくれている人を引き留めること」を意識したことはほとんどありませんでした。

 ブログという媒体がブームになった2000年代の前半くらいであれば、ブログに興味を持つ人の全体数が右肩上がりでしたから、結果的に、どんどん読んでくれる人は増えていきました。相手が「何か面白い『ブログ』というものはないか」と積極的に探してくれる時代でもあったのです。

 ところが、今はツイッターやインスタグラムのようなSNSがネットでの情報流通の主役となっており、ブログは斜陽といっていい状態です。参加している人数や興味を持ってくれる人の全体数が減れば、新規顧客の獲得は難しくなります。

 この「ブログ」に起こっていることは、いま、人口減少や高齢化、趣味や価値観の多様化がすすんでいる、日本社会全体にもあてはまるのだと思います。

 著者は「ファンベース」という考え方について、最初にこう述べています。

 企業やブランド、商品が大切にしている価値にグッとくる人、その価値にワクワクし喜ぶ人、その価値を支持し友人に薦める人。それが「ファン」である。

 もちろん「なんとなくしっくり来る」とか「なんか自分に合ってる」みたいな無意識かつ感覚的な支持でもいい。それらはすべて「大切にしている価値」に共鳴して発生した感覚だからである。

 ファンベースでは、そういう「支持者」を大切にしていく。
「いや、そういう支持者=ファンが大切なのはわかっている。というか当たり前だ」と思う方も多いだろう。昔から顧客第一主義とかよく言われてきたことだ。
 ただ、そうは言いつつ、心の中でこんな疑問を持つ人も多いのではないだろうか。

「でも、ファンって、黙っていても買ってくれる人たちだよね。それよりも『今買ってくれてない新規顧客』に売らないと、売上増えないんじゃないの? 貴重な予算を使ってまで、そういう人たちにアプローチするのは抵抗がある」

「ファンって言われても、そんな人いるかどうかもわからないし、いてもパイが小さいでしょう? そんな少数を大切にしたって対前年比に影響出ないのでは? 業績反映までに時間がかかりすぎる気がする」

「え? そもそもファンってお客様センターとかの専門部門の仕事じゃないの? マーケティングの仕事は新規顧客を増やすことでしょう?」

 これらの疑問はよくわかる。

 ボクも広告コミュニケーション業界で30年以上やってきて、新規顧客を狙ったプランニングを数多くやってきたし、大きなパイを意識することも長かった。ファンの存在もずっと目に入っていなかったし、それはどこか別の部署が担当することだと思っていた。マス広告全盛時代はもちろん、ネット時代に入ってもそういうアプローチで良かったし、実際、売上アップや業績反映にも貢献できたと思う。

 でも、明らかに状況が変わった。
 時代的にも社会的にも、新規顧客を狙うアプローチだけでは売上を増やすのは難しくなってきており、その解決法としてファンベースという考え方が必要で、今や早急に実施すべきフェーズにあるのである。

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