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金星に生命体がいる可能性…“微生物の痕跡”に世界が大興奮


金星とホスフィンのイメージ(画像・ESO/M. Kornmesser/L. Calcada & NASA/JPL/Caltech)

 英国カーディフ大学のジェーン・グリーブス博士を代表とする世界的な天文学者チームが、 金星にホスフィン(リン化水素)を検出した。

 ホスフィンは地球上では沼地や汚泥、動物の腸などに存在する。有機物が分解するときに発生し、燃えやすく匂いのある物質だ。酸素を必要としない微生物によって排出されるか、火山爆発や太陽光などの化学反応か、工業的にしか作り出されない。

 そのため、長らく、宇宙空間での生命指標として注目されてきた。

 金星は、地球と似た大きさと質量を持つが、二酸化炭素の大気に覆われ、表面温度は460度という過酷な環境だ。しかし、低地部分なら気温が30度以下となるため、天文学者たちは生命体が存在する可能性を考慮してきた。

 研究チームは、まずハワイ島マウナケア山頂にある望遠鏡を使ってホスフィンを検知、さらにチリのアルマ望遠鏡で観測し、6カ月かけて検証した。

 アルマ望遠鏡はアタカマ砂漠の標高5000メートルの高地にあり、視力6000相当という圧倒的な解析力を誇る。国際協力プロジェクトで、日本からは国立天文台が参加している。スパコンを含むシステムの4分の1が日本製だ。

 今回のプロジェクトでは、京都産業大学のグループが大気分子10億個に対し20個程度のホスフィン分子を確認。火山爆発や雷、太陽光による化学反応だけではまかないきれない量で、金星に地球と同じような微生物がいれば説明できるとしている。

 9月14日、イギリスの科学誌『ネイチャー・アストロノミー』にこのニュースが掲載されると、欧米のメディアはこぞって記事を伝えた。BBCは特別番組を放送し、ニューヨークタイムズは号外扱い。「地球外生命」「エイリアン」「金星に匂いのガス」など、興奮気味の見出しも見られた。

 NASAは過去に金星探査プロジェクトを立ち上げたが、予算がおりなかった。だが、このニュースにNASA長官は「金星を優先させるときだ」と反応している。

 日本でも金星探査機あかつきが調査を続けており、インドやアメリカの民間企業でも金星への飛行計画が進んでいる。金星に生物がいるのかどうか、今後、さらなる解明が待たれる。(取材・文/白戸京子)

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