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最終処分場による地域発展を 「核のゴミの子」という風評被害を払拭するために

「核のゴミ捨て場」から「ハイテク技術が集まる工業地域」を掲げる
スウェーデン・エストハンマル市 (出所:資源エネルギー庁)

 日々勉強!結果に責任!」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。

 我が国の安全保障政策にとって、エネルギーの安定供給は最重要課題です。原子力発電は、我が国の基盤的なエネルギーであり、安定供給はもちろん、自給率向上や二酸化炭素削減にも繋がります。原発再稼働と福島第一原発の処理水の海洋放棄の決断、そして、最終処分場の確保は喫緊の課題です。

●最終処分場確保に向けた我が国の動き ~北海道寿都町が文献調査へ名乗り

文献調査に名乗りを上げた北海道寿都町の公式ホームページ

 ようやく我が国においても、最終処分場の確保に向けて、北海道寿都町(すっつちょう)で調査参加の具体的な動きが出てきました。

8/13「科学的特性マップ公表から3年 全国初の調査地検討名乗り 最終処分場建設へ半歩前進」

https://ameblo.jp/akaike-masaaki/entry-12617537618.html

8/27「北海道寿都町 放射性廃棄物最終処分場誘致への意見交換を開始「核との共存共栄はできない」のか」

https://ameblo.jp/akaike-masaaki/entry-12620569033.html

●「核のゴミの町の子」 無理解が不安を呼び、差別や風評被害を生む

 北海道寿都町では、10月頃の文献調査への参加表明に向けて、上述した地域の各種団体への説明会に続いて、9月8日から住民説明会を始めています。そこで、参加した中学生が「核のゴミの子」と呼ばれるのではないかと不安意見を述べたと報道されました。

 https://www.news24.jp/nnn/news88114933.html

 私は、その意見に接して、心が痛みました。それは、まさに福島第一原発事故に遭った子供達が避難先の学校でいじめられたことと同じ構図を感じたからです。

 原発や放射線に対する無理解からくる不安、その不安が差別や風評被害を生むという構図です。それは、現在のコロナ禍でも、未知のウイルスによる病気が不安を生み、差別を助長して、病気を拡散するという悪循環と同様のものを感じます。

●不安や風評被害を払拭するために 最終処分場による地域発展の構想を

 中学生の不安意見や漁連や観光関係者からの風評被害からの最終処分場誘致への反対意見に対して、国は「最終処分法」(H12)に基づいて、調査を①文献調査、②概要調査、③精密調査という3段階に分けて、20年近くかけて、地域の理解、国民の理解を深めてから、最終処分場の建設に取り掛かるとしています。

 それはそれで理解増進は良いのですが、それに加えて、私は、外国の先進事例に学んで、最終処分場による地域発展への構想を国が積極的に打ち出すべきだと思っています。先日9月4日の自民党経済産業部会でも同様の趣旨の発言を行い、資源エネルギー庁へも直接提案しました。

 https://ameblo.jp/akaike-masaaki/entry-12622367140.html

 冒頭に資料を掲載した、最終処分場を建設しようとしているスウェーデン・エストハンマル市では、「核のゴミ捨て場」ではなく「ハイテク技術が集まる工業地域」を掲げて、前向きな構想を市民と共有し、最終処分場をはじめとしたハイテク関連への投資を促し、地域の雇用や生活を向上させようとしています。

 その先進事例に学び、我が国おいても、最終処分場の建設地域においては、国と地域が連携・協議して、最終処分場による地域発展の構想を具体的に立案し、それに国が公共投資を行い、民間投資を促すべきだと考えます。

 最終処分場を核とした国家的拠点地域の建設です。私は、そこには、福島第一原発事故を契機として原子力人材が減少する中で、原子力人材の育成拠点となる国立高専+大学・大学院や、研究施設、関連企業群を建設、誘致すべきだと考えます。

 ちょうど福島第一原発事故をはじめとした東日本大震災の復興に向けて、自民党から第9次提言が国に提出されました。その中には、福島復興に向けて、処理水の海洋投棄の早期決断と、国際教育研究拠点の創設等が盛り込まれています。

 https://www.jimin.jp/news/policy/200557.html

 最終処分場建設というと反日マスコミが反対意見に焦点を当てて騒ぎ、反対運動家が集まって気勢を上げて、地域の不安を益々煽り始めています。本来、仲介役を務めなければならない北海道庁までも、20年前の古い条例を盾にして、寿都町に対して、誘致断念を働きかける始末です。

 それらの負の力を、安全を最優先としつつ最終処分場への投資を呼び水として各種地域発展という正の力に変えていければと考えています。

 そのためにも、国においては、最終処分場による地域発展の構想を選定地とともに立案し、実現すということを表明すべく働きかけを行っていきたいとと思っています。

●最終処分場の確保は、我が国のみならず、国際的な課題

最終処分場確保の国際動向(出所:資源エネルギー庁)

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の確保は、我が国のみならず、原子力を利用する全ての国の共通の課題となっています。世界で唯一処分場の建設を開始しているフィンランドにおいても、地層処分の実施を決めてから30年以上の歳月をかけて、国民の理解、地域の理解に努めてきました。

 我が国においても、60年近い商業用原発の稼働以前から最終処分場の検討がなされてきました。その調査研究を踏まえて、平成12(2000)年に「最終処分法」という法律が制定され、それに基づいて、原子力発電環境整備機構(NUMO)が設立されて、候補地を選定しようとしてきました。

 平成28(2016)年には、最終処分場の候補地となりうる地域を色分けした「科学的特性マップ」を公開して、各地で住民説明会を実施してきました。

 そのような中で、今回北海道泊原発に近接した北海道寿都町が「文献調査」への参加の意向を表明して、同町で住民説明会が開催され始めました。

 反日マスコミは、ご丁寧にも住民100人だけの意見聴取を行い、反対意見が57%もあったと騒ぎ始めています。

 https://www.nikkansports.com/general/news/202009090000875.html

 北海道庁は、20年前の条例を盾にして、漁連の風評被害への反対意見を基に、寿都町に対して、調査への参加を断念するように動いています。

 一方、寿都町の動きに触発されるように、北海道泊原発に隣接した北海道神恵内(かもえない)村の商工会が、議会に対して、最終処分場の調査参加応募検討の請願を出すとの動きが出ています。

 https://www.asahi.com/articles/ASN9C3Q1FN9CIIPE002.html

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