- 2020年09月14日 12:54
野党第一党
安倍内閣の支持率はジワジワと低下する傾向にあったのですが、辞意を表明した途端に急回復したのだそうです。誰が次の総理大臣になるとしても、安倍晋三時代よりも悪くなると考えた人が多かったのではないでしょうか。私自身、後継者候補に挙がっている面子を見るに、安倍晋三の超長期政権の方がまだしも……と思わないでもありません。
なお自民党総裁選に先立ち、結局まとまらなかった民主党の代表選挙が議員だけの間で行われたわけです。自民党は各都道府県連にも票を投じさせているが我々は違う、議員だけで物事を決められる党なのだというアピールでしょうか。結果は民主党枝野派の領袖が勝ち、玉木派の一部こそ離反したものの野田派の再合流もあって頭数は大きくなったようです。
枝野派と玉木派の間で争点になった一つが消費税で、減税を主張する玉木雄一郎と消費税増税を決めた当時の経済産業大臣であった枝野とは、どうしても折り合いが付かなかったと伝えられています。少し遡れば山本太郎一派と枝野派の協力関係が崩れたのも消費税減税を巡る意見の対立でした。枝野にしてみれば、それだけは譲れないものなのでしょう。
今年の6月にも民主党枝野派に所属していた須藤元気議員が「消費税減税の是非など根本的な経済政策について意見の相違があった」として離党届を提出しています。税制は逆進的であるべき、というのは枝野の変わらない信念のようですが――それがどうして先日は消費税増税に言及した菅官房長官を批判したというのですから、色々と矛盾しています。
まぁ、単に自民党のやることだからケチを付けている、と見れば一貫性はあります。思い起こせば自民党が民主党政権時代の決定に従って消費税増税を実行に移したときも、枝野は否定的な言動を続けていました。むしろ「消費税増税を決めたのは自分たち民主党、自民党は行動が遅い」と批判するなら筋は通りますが、それとは真逆のことを言うのですから面の皮の厚さに感心しますね。
さらに過去に遡れば政権交代が確実になった2009年に、民主党は幾つかの重要政策を公約から政策集に格下げ、あるいは政策集から削除するなど、方針の転換を図りました。「これまでは野党だから(否決前提に)提出できた」と語る党幹部もいたそうですが、要するに自民党批判のために主張してきただけで実行に移すつもりのないものも少なくなかったことが分かります。
参考2、与党になるなら取り下げる
そんなわけで枝野も自民党のトップが増税志向である限りにおいては野党として消費税に批判的な風を装うであろうと思われますが、実際に消費税を下げることを望んでいるかと言えば、それは真逆であろうと確信できるところです。むしろ逆進課税については最右翼に属する一派と見ておくべきでしょう。
ちなみに今回の自民党の総裁選は党員投票なし、民主党の代表選は都道府県連の投票すらないわけですが、党所属の国会議員と党員の間の温度差はどれほどのものなのか興味深いところです。議員票には強いけれど党員投票は弱い、あるいは議員票は見込めないのに党員投票だと一番人気など、ある種の「ねじれ」は無視できません(党員投票で人気のある政治家がトップにふさわしいかと言えば別問題ですが)。
自民党であれば国政では維新と友好的である一方、大阪では維新と対立するなど方向性は反対です。民主党は地方では連立与党の一員として自民と共に共産党と戦いながら、国政や都知事選では野党を装って与党への批判票を掠め取ろうとしています。大阪で維新と争う自民党員や、各地方で与党として活動する民主党系会派の人々は、党の中央をどう見ているのでしょうね。