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安倍政権「半島外交」完全総括【韓国編】歴史修正・嫌韓・遺恨の8年 - 平井久志

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ようやく「慰安婦合意」

 朴大統領は慰安婦問題の解決がない限り、日韓首脳会談には応じないとの姿勢を堅持した。日本側は隣国との首脳会談に条件を付けるべきではないと反発、首脳会談を急ぐ必要ないとした。

 それでも、2015年は日韓条約締結から50周年の年でもあり、首脳会談開催への努力が続いた。米国も慰安婦問題の解決を含め、日韓関係改善への圧力を両国にかけた。

 両国は、2015年の日韓条約締結50周年の6月までの首脳会談実現を目指したが、結局、開催できなかった。

 しかし、2015年11月1日にソウルで日中韓首脳会談が開催され、翌11月2日に、安倍首相と朴大統領の首脳会談が初めて実現した。両首脳は慰安婦問題を2015年中に解決し、未来志向的な関係に向けて努力していくとした。

 この結果、岸田文雄外相(当時)と韓国の尹炳世外相が2015年12月28日、慰安婦問題について共同記者発表の形式で合意を発表した。岸田外相が、

「安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」

 と述べ、尹炳世外相が、

「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は、日本政府の実施する措置に協力する」

 とし、日本大使館前の少女像について、

「韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」

 と述べた。

ろうそくデモから大政変

 しかし、韓国では2016年10月に朴大統領の知人、崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入疑惑が表面化。同年12月に韓国国会は朴大統領への弾劾訴追案を可決した。

 そして朴大統領の退陣を求める大規模な「ろうそくデモ」が勃発。

 憲法裁判所は2017年3月、8人の裁判官全員一致で大統領職からの罷免を決定した。

 さらに、検察当局は同年3月31日、収賄などの容疑で朴槿恵氏を逮捕。これによって大統領選挙が同年5月に行われ、文在寅氏が当選し、即日、大統領に就任した。

文大統領は就任早々に特使を日本へ派遣、日韓首脳が1年に1度相互訪問する「シャトル外交」の復活などで合意した。だが、2015年12月の「慰安婦合意」については、

「国民の大多数が受け入れられない」

 と否定的な姿勢を示したのである。

元徴用工問題で日本企業に賠償判決

 そして、韓国大法院(最高裁)は2018年10月、元徴用工やその家族が起こした訴訟で、

「原告らが主張する被告に対する損害賠償請求権は、請求権協定の適用対象に含まれるとはいえない」

 と、日本企業側の敗訴を言い渡した。

 文政権は、三権分立の原則があるから司法の判断に介入できないとして、この問題の積極的な解決を模索しなかった。

 安倍政権は慰安婦問題の合意を壊し、日韓請求権協定で解決済みとされてきた元徴用工問題まで合意を覆されたとして、文政権相手にせずとの姿勢を固めた。

 これで日韓関係はさらに悪化した。

 その直後、日本の防衛省は2018年12月21日、石川県の能登半島沖で同月20日午後、韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射したと発表した。日本側は「極めて危険な行為」だと韓国に強く抗議した。

 韓国側は、遭難した北朝鮮船舶を捜索するためにレーダーを使用したが、むしろ哨戒機が低空飛行で接近してきたとして日本側を非難した。日本側が、哨戒機が撮影した当時の映像を公開すると韓国側も動画を作成し反論するなど、双方が主張を譲らなかった。日本では「嫌韓感情」がこれまでになく高まった。

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