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期待されない合流新党――国民は政治の安定を望む

75%が「野党には期待しない」

 9月10日午後、立憲民主党と国民新党などによる「合流新党」の代表がおこなわれ、新代表が枝野幸男氏、党名が立憲民主党と決まった。 どうにも新鮮味がない。国民から見れば、内輪もめで迷走に迷走を重ねてきた〝かつての民主党〟が、また帰ってきただけという顔ぶれだ。

 しかも代表選挙の方法も、党員やサポーターを加えず国会議員だけでおこなうという、自民党総裁選よりも閉鎖的な手法だった。

 また、「大きなかたまりを作る」と言われながら、玉城雄一郎氏ら合流を拒否する議員が14人に達し、旧国民民主党は「分党」となった。 支持率が1%未満だった国民民主党。例のごとく選挙に自信のない議員たちが、解散を恐れて慌ただしく立憲民主党になだれ込んだというのが実態である。

 国民の期待感は予想以上に低い。
 毎日新聞と社会調査研究センターが9月8日に実施した全国世論調査。「新党結成で野党に対する期待は高まったか」という設問では、

期待は高まった     24%
期待は低くなった    10%
もともと期待していない 65%
「毎日新聞世論調査」

 計75%が「野党に期待しない」という、なんとも辛辣な結果となった。
 政権交代をめざすと口にしながら、旧民主党勢力が共産党との連携を深めていく姿に失望し、すでに長島昭久氏や細野豪志氏らは彼らとたもとを分かち、自民党に加わっている。

 今回、前原誠司氏や玉木雄一郎氏らも、共産党との共闘・協力を批判して、合流新党への参加を拒否した。

 つまり今回の合流新党は、厳密には旧民主党よりも大きく「左」に偏った政党である。
 これではとても政権交代への期待など生まれようもない。先の世論調査で1割の人が「期待は低くなった」と回答したのも無理はない。

7年8カ月への高い評価

 一方で、9月3日に朝日新聞が報じた「世論調査」結果が注目を集めた。

 朝日新聞社が2、3日に実施した世論調査(電話)で、第2次安倍政権の7年8カ月の実績評価を聞くと、「大いに」17%、「ある程度」54%を合わせて、71%が「評価する」と答えた。「評価しない」は、「あまり」19%、「全く」9%を合わせて28%だった。(『朝日新聞』9月3日付

 安倍政権に対してもっとも批判的なメディアの1つと目されてきた朝日新聞の調査でも、じつに71%が安倍政権の7年8カ月を評価したのである。

 JNNが9月5日、6日におこなった定期調査でも、7年8カ月を「非常に評価」「ある程度評価」とした合計は同じく71%。内閣支持率は先月調査から27ポイントも急上昇して、62・4%となった。

 政権末期の内閣支持率としては、小泉政権のときを上回る高い支持率である。 JNN世論調査による、各党支持率は次のとおり。

自民   43・2%(11・2△)
立民    3・5%( 1・0▼)
国民    1・1%( 0・1△)
公明    3・2%( 0・1△)
共産    2・2%( 1・3▼)
維新    2・3%( 0・1▼)
社民    0・3%( 0・1▼)
れいわ   0・3%( 0・3▼)
N国    0・1%( 0・1▼)
その他   0・6%( 0・4△)
支持なし 39・5%( 8・0▼)
JNN世論調査

政治の安定を支えた公明党

 安倍首相の辞任表明を受け、政権への支持率と評価が急激に高まったこと。野党の支持率が軒並み下がっていること。合流新党と野党に75%もの人が期待していないこと。

 さらに、自民党総裁選挙で菅官房長官が立候補表明すると、次期総裁をめぐる世論が一気に石破氏支持から菅氏支持に転じたこと。

 これらは何を物語っているのか。
 国際情勢が不安定化し、コロナ禍で先行きの不安が続くなか、国民は「政治の安定」を望み、今の安倍政権の政策が基本的に継続されることが好ましいと判断したのだろう。

 野党が言うように、安倍政権が打倒すべき〝最悪の政権〟であったなら、国民は今こそ野党に期待を寄せるはずだ。

 この7年8カ月、国民は6回の選挙で自公連立政権を選択し続けてきた。長期安定政権になったからこそ、外交・安全保障でも経済再生でも社会保障でも、これまでの政権が実現できなかった成果を上げることができた。

 各社の調査でも安倍政権への評価は「外交・安全保障」「経済再生」「社会保障」の順になっており、「憲法」は低い。 公明党の斉藤鉄夫幹事長は、長期政権が続いた理由として、

 いかなる状況でも、自公両党が結束し、経済成長や東日本大震災からの復興など政権合意に盛り込まれた政策を断行し続けてきたことが、国民の信頼を生み、結果として長期政権につながったと感じています。(『公明新聞』9月7日付)

と述べている。 防衛大学校長などを歴任し、民主党政権下で東日本大震災復興構想会議議長、復興推進委員会委員長をつとめた兵庫県立大学理事長の五百籏頭眞(いおきべ・まこと)氏は、先ごろ逝去した劇作家・山崎正和氏への追悼文を公明新聞に寄せた。

 そのなかで、なぜ日本を代表する言論人であった山崎氏が、公明党を高く評価していたかに言及している。

 民主主義を奉ずる日本政治の安定が、山崎氏の政治関与の主眼であった。一つ間違うと政治が崩れ落ちる危険を、山崎氏は強く意識しており、それ故にこそ氏は公明党の役割を高く評価した。世紀末の小渕政権において自民党と連立を組んだ公明党は、今日に至るまで自民党との立場の違いを超えて政治の安定を支えてきた。野党が建設的役割を見失って原理的反対に傾く中、与党内の公明党が果たす安定の中での改革という役割を、山崎氏は日本知識人の中で誰よりも注意深く見守ってきたと思う。(『公明新聞』9月6日付)

 一部野党や支持者は安倍政権を〝戦前回帰〟〝軍国主義〟などと批判し続けてきたが、皮肉にも、国民から見た7年8カ月の最大の評価は「外交・安全保障」なのである。

 事実、自公の連立政権によって日本はかつてないほど各国と良好な関係を結び、世界の平和と安定に寄与してきた。

 また、野党が政権批判に明け暮れ、内輪もめの合従連衡に終始して、その機能を果たせないなか、公明党は常に民意を政治につなぎ、「与党内野党」として大きな役割を果たしてきた。

 各社の調査が示すように、未曽有の困難が続くなか、国民は今、なによりも政治の安定を望み、自公政権への期待を強くしているのである。

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