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「笹川平和財団」―目指す方向性―

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下記のスピーチは即席雑駁、しかも長文なので読者諸氏には失礼極まりないと自覚しておりますが、記録として掲載させて頂きました。

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2020年7月13日
於:笹川平和財団
こういう時節に皆様方にお集まりいただくのは大変失礼であり、若干非常識の極みでもあるわけですが、皆さんには安全をきちっと保ちながら集まりいただき、恐縮致しております。笹川平和財団が新しい執行部でスタートし、これを契機に職員の皆さんに情報を共有していただき前に進んでいくために、お許しをいただきたいと思います。

新しい理事長に角南さんが就任され、担当常務理事にはJICAから経験豊富な安達さんにお越し頂き、常務理事の茶野さん、菅井さんと共に執行部を形成しております。会長職は当面空席です。これからの時代、変化に対応していくためにはスピード、スピードということで、スピードをもった意思決定が大変重要と思われますので、それでもやはり会長職が必要であると皆さん方の声が上がれば、そこでまた考えればよいのではないかと思っております。

笹川平和財団USAは、ご承知の通り秋元諭宏さんが積極的に活動されています。これからも日米関係は最重要です。外務省など政府関係はホワイトハウスや国務省、防衛省は国防総省と緊密な連携があるようですが、正直なところ、日米間の議員交流はあまり深みのある交流ではありません。今までワシントンではマイク・イノウエさんが非常に協力的でしたが、彼も亡くなり、日米議員交流は停滞気味です。

アメリカの政治はホワイトハウスが中心のように見えますが、現実は議員が法律を作っているわけで、日本のように議員立法は極わずかで、ほとんど各省庁が法律を作るというのと全く違うわけです。笹川平和財団でも交流を行っていますが、各州議員の力も想像以上に強いようです。従って、国レベル、州レベルの議員交流の強化が今後益々必要になっていくでしょう。

ご承知のように、笹川平和財団はいくつかの基本的なポリシーを持っているわけです。第一番目に、今申し上げました日米の機軸ということ、特に安全保障を中心として日米関係を更に強化していく。ともすれば民間レベルの活動は停滞気味です。かつては「日米閣僚会議」がありました。

毎年アメリカの閣僚が箱根に来て日本の閣僚と会議するというもので、山本正さんという方が日米間の関係を長くおやりになってきたわけですが、現在のように日米間交流が非常に停滞しているなかで、笹川平和財団は日米間の機軸のために何をすべきか、特に安全保障を中心に活動頂くのが一つ目のポリシーです。

二番目に、世界の情勢を見た時に、アジア、特に東南アジアからインドまで含めて、これから非常に経済成長が望めるなかで、特に東南アジアの首脳陣からみますと、今日の経済発展は日本の力によって成り立ってきたのですからもっと日本は発言をして欲しいという強い要望があります。しかし、日本は自分たちのした良いことは余り言わない、自分たちのした良いことを人に言うことは人間としていかがなものかという文化がありますね。これは、世界を例にとると逆に日本人の欠点になっているのです。

世界は今、EUを含めてそれぞれの地域がバラバラの状況になりつつあるなかで、かろうじてASEANが成り立っているわけです。中国問題は別にお話しすると致しまして、投資家のジョージ・ソロスによるタイ・バーツの空売りをきっかけとする金融危機に対しても、果敢な日本の行動によって彼らを助けてきました。

もっと遡れば、大東亜戦争、日本の正式名称は大東亜戦争という名前でしたが、GHQの要請によりこの言葉は禁句とされ、太平洋戦争という名前になったわけです。批判は色々ありますが、アジアを開放しよう、アジアを更に強化していこうという戦略もあったわけで、その結果、例えばインドネシアにおきましても、日本が敗戦した後1000人を越える日本兵が残り、日本が敗戦で撤退した後、オランダが植民地として二度にわたって侵攻して植民地にしようとする中で、スカルノ大統領を助けて残留日本兵が闘い、インドネシアの独立国家誕生が生じたわけです。

また、フィリピンもご承知の通り、フィリピンの国父といわれたホセ・リサールの銅像は皆さん見たことありますか。日比谷公園に今でも建っていますよ。そういう歴史的な関係、或いは先般ベトナムの梅田大使が帰ってこられましたけれども、ベトナムにおいても日本人が沢山残り、ベトナムを植民地からの解放・実現に協力したようです。

もっと大きな話は第二次世界大戦で、日本が、私は戦争論を話すつもりはないですけれども、事実だけを申し上げますと、シンガポールを落としました。そして、その時に英国の旗艦・ウェールズを撃沈したんですね。イギリス軍はシンガポールから撤退するわけですが、その時、インドもミャンマーも英国の植民地でした。

75年前です。彼等は5万人のインド兵捕虜をシンガポールで取ったんです。日本はその人達に、「あなたたちは祖国の解放のために闘いなさい」「英国の植民地であってはいけません」ということで、彼らを指導するにはどうすれば良いかということで、ドイツに亡命しているチャンドラ・ボースを、その前に新宿の中村屋のお嬢さんと結婚したもう1人のボースさん、ビバリー・ボースさんがいるんですけれども、彼ではなくチャンドラ・ボースになるわけです。

彼をドイツ潜水艦でアフリカのマダガスカルまで運び、日本の潜水艦が迎えに行き、アフリカまで潜水艦で行ったんですよ。

彼を指導者に仰いで、インド軍が出来るわけです。ですから今のインド・ナショナル・アーミーは実は日本が作ったのです。インドの軍人さんはこのことをよく知っています。知らないのは日本人です。

牟田口中将は、無謀といわれるインパール作戦を行いました。白骨街道と言われるくらい多くの日本兵が亡くなりました。そこにチャンドラ・ボースも参加していたんですね。ただ、命を落としてはいけないということで、殿軍-軍隊の一番後ろにいる部隊のことを言いますが―に参加して、そして日本が負けます。チャンドラ・ボースは台湾で飛行機事故で死んでしまうわけですが、日本軍について参加したかつて英国の捕虜であった人達は、日本が敗戦したために戦争犯罪人としてインドの法廷にかけられるわけです。

ところが、インドの人たちはおかしいじゃないか、私たちの国の解放のために闘ってくれた人を裁判にかけるのはけしからんということで、当時国の独立を望んでいたガンジーやネルーたちが抗議活動を積極的に展開し、英国は彼らを刑務所から解放せざるを得なくなったわけです。当然無罪で裁判所から出て行くということです。そして、インドはイギリスから独立を勝ち得たわけです。

先般私たちは、現地の人達が日本のことを忘れてはいけないと、インパールに平和資料館を作りました。笹川平和財団の皆さんのご協力で、小さいものですが立派なものが出来ました。彼らは日本に憧れを持っています。私たちは戦後75年、戦争した贖罪意識みたいなものが長く胸の中に残っていることと、もう一つははっきり申し上げて、政治家の皆さんにアジア諸国に興味を持つ政治家が少なかったんです。先ほど申し上げました通り、インドと日本が良い関係になったというのは、そういう根っこの部分があるんですね。

チャンドラ・ボースは最後にネルーと少し路線争いで、強行派でしたから排除され、またカルカッタの人ですから嫌われていたんですけれども、近年、インドの国会の中にはガンジー、ネルーそしてチャンドラ・ボースの肖像画もかけられました。ということで、インドの知識人にとって日本というのは忘れ難い、国軍、インド・ナショナル・アーミーをはじめ、インドのために尽くしてくれたという気持ちを持っているわけです。

隣のミャンマーは、現在20の少数民族武装勢力が存在して国軍と紛争状態にあります。そしてこの20がお互いに仲が悪く、その上リーダシップをとる人がいない。また、アウン・サン・スー・チー女史はこの少数民族問題に残念ながら具体的成果をあげていない。日本政府代表として、私は大変辛い活動を続けておりますが、幸い国軍はその辺を理解しております。やっと10の少数民族武装勢力と停戦をしました。

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