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つまらないと言われがちな社内イベント。全員参加をあきらめたら、社員が楽しんでくれた感動課の話

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全員強制参加、発表は黙って聞け。かつ、楽しめ。そりゃ難しいですよ

「社内でコミュニケーションが不足している」

最近のコロナ禍において、こんなこともよく社内で聞きませんか? 解決策の1つとして「全社イベントを企画してほしい。しかも、オンラインで」と依頼されることも増えているのではないでしょうか。

「つまらない、参加したくない、意味が分からない」。みなさんの会社で、こんな印象を持たれているかもしれないもの。それが全社イベントです。僕も企画していてよく言われますし、ほかのイベントに参加するときに、たびたび思っていたりします。実際に、幹事や実行委員になった人は毎回準備に追われ、疲弊しているかもしれません。分かります。その気持ち。

僕は、サイボウズの感動課にいます。イベント担当ではないのですが、サイボウズの全社イベントには、たいてい運営として参加しています。感動課は、社内にある感動の種を見つけ、花を咲かせる活動をしている部署で、来年でまる10年になります。その間に見つけた「全社イベントというモンスターの倒し方(*)」を解説します。

* モンスターとは、実態のない縛りや価値観などついつい縛られがちなものを指します。

サイボウズでは、大規模な全社イベントとして、4月に行うお花見イベント、8月に行う創業記念、12月に行うサイボウズオブザイヤーなどがあり、感動課でプロデュースをしています。こちらの写真はお花見兼新人卒業式の様子

社内イベントがつまらないのは「イベント自体が本当に楽しくないから」

数年前に、社内旅行の記事を書かせていただきました。このような社内イベントって、僕が言うのもなんですけど、ぶっちゃけ微妙じゃないですか?

2014年10月17日「グアム旅行(仮)」の仮がとれるまで――「人事部感動課」流 1人で400人を巻き込む社員旅行の作り方




2014年10月24日Q「成功のコツは?」、A「全要望を叶えようとしないと割り切った」――人事部感動課、400人級の社員旅行を振り返る



まずは、全社イベントというモンスターがどんなものなのか、どうしてつまらないものができあがってしまうのかを考えてみたいと思います。

その原因はただ1つ、本当にイベントが楽しくないからです。なぜ、楽しくないイベントができあがるのか……。まず、以下の2つに当てはまっていないか振り返ってみてください。

1. あなたが幹事に向いていない

相手の反応だったり感謝のためにイベントをやるとうまくいったときは良いですが、失敗したりうまくいかないときはとても辛いのです。

簡単に依頼されることがある全社イベントですが、社内のことを知ってないとできませんし、時にはピエロになる必要もあります。会社のお金を使うわけですから予算を使うことへの納得感なんかも必要です。

まだまだこれだけではないですが、実にたくさんのバランス感覚みたいなものが必要になります。それを乗り越え、そもそもイベントごとを、細かくいうとイベントの「企画」を楽しめる人でないと向いてないと思います。この場合は、担当を変えてもらうように上司にお願いしましょう。

2. 普段の仕事で、そもそも一体感がない

全社イベントは、魔法のツールではありません。一体感を熟成するといったチームワーク向上には向いていると思います。

だからといって、そもそも一体感がなければそれを感じることはできませんし、イベントだけでチームワークが高まることはありません。

この場合は、別の手段での解決を上司に相談してください。どちらでもないなら、イベントが楽しくない原因は別にありそうです。 

「楽しくない」を掘り下げるとどうなる?

次にやることは、「つまらない」とか「楽しくない」っていう言葉を掘り下げてみましょう。これらは、人の感じ方です。まずは、全社イベントの開催を依頼してきた人に、一度聞いてみてください。

「あなたの思う楽しいって、どんな状態ですか?」

質問してみると、依頼者と参加者が思う「楽しい」が異なる場合があります。そもそも依頼者が、楽しさを求めていないこともあったり、別の目的で開催したイベントを楽しさを尺度に振り返ったりするんです。難しいですよね。

ここのすり合わせを怠り、ズレが生じると、幹事は板挟みにあい、疲弊します。実際のところ、イベントを「楽しく」するのは難しいのですが、「つまらなくさせない」なら意外と簡単にできるんです。

「みんな参加」という呪縛から逃れ、あきらめて、絞ろう

もし「楽しい」がすりあっているのに、まだイベントが楽しくない。この時に陥りやすいのは、「みんなが」という呪縛です。

サイボウズは1,000人弱の会社です。全社イベントには200人くらいが参加します。5人に1人です。これは多いですか? 少ないですか? 少ないように感じますが、参加人数を目標にするなら、経験上それくらいを目指すでちょうどいいんです。 

もしあなたが企画しているイベントの参加率がもっと上だったり、目標が高かったりすると、目標設定自体を見直した方がよいかもしれません。

大切なのは、適切なハードルを設けて企画することです。高すぎるハードルはしんどいだけです。時には無茶な目標はあきらめ、絞ることも大切です。

ここで一度、サイボウズの全社規模の社内イベントの特徴を振り返ります。

  • 参加が強制ではない
  • 会場がうるさい
  • 人の話を聞いていない
  • 参加している人が好き勝手に楽しんでいる
  • これは、前職や他社のイベントと比較して感じたポイントでもあります。

    ある時、気づいたんです。つまらないのに全員強制参加、発表は黙って聞け。かつ、楽しめ。難しいですよね。過去にいろいろ悩んだあげく、全社イベント企画では、欲張らずにたくさんのことをあきらめました。あきらめたことで道が広がり、最後に「楽しい」が残ったように思います。

    楽しさとは、そうしていろんな物事を削ぎ落とした最後に残っているものなのかもしれません。

    参加強制をなくし、「楽しむ」だけを残してみた

    世の中の楽しいこと、楽しめたことってどんなことがあるでしょうか? コンサート、遊園地、気になるあの子とデート。無理やり連れて行かれたものって、楽しまさせられてる感じがしませんか?

    そういうのって楽しくないんです。正確にいうと、楽しくなりにくいんです。

    対して、サイボウズの各種イベントは「強制参加」はまずやりません。悪く言うと、参加したくない人に不参加にしてもらうことで、必然的に楽しさの濃度を濃くしていくのです。

    イベントの想定参加者を絞ると、参加者は自ら参加を選択します。それにより「楽しませてくれるんですよね」という一歩引いた状態から、「楽しみたい」に心持ちが変わるんです。

    大事なのは、出席したという結果ではなく、出席を選んだという行動だったりします。この一歩を引き出すためにも、参加は任意にすることをオススメします。

    ちなみに、強制参加のイベントでは、参加していない人や無理やり参加させられた人からの意見やコメントが集まりがちです。もちろん、そういう人たちを放っておきません。その場合は、そういう人たち向けのイベントを別に考えたらいいだけです。

    1つのイベントですべてを解決しようとするから難しいのです。そういう時は、イベントの数を増やすことを検討してみてください。

    「全社イベントで人の話を聞かない」はマイナスじゃない。黙って聞いてもらうのをあきらめた

    任意参加のサイボウズの社内イベントでは、楽しいがあまりに弊害も起きます。「うるさい」「話を聞かない」人が出てくることです。

    実は最初、マイナスポイントだと思っていたのです。「せっかく前で話してくれてるのに、話を聞かないってなんやねん!」って。

    こう言いたい気持ちもわかります。むしろ僕も思ってますし、口にも出しています。でも、イベントに参加して話を聞いてほしいという思いは、主催者側のエゴみたいなところもあります。

    過去にこの点で試行錯誤していた時、他社の全社イベントを見学させてもらう機会がありました。みなさん、めっちゃ前を向いて話を聞いています。でも発表者が関係部署以外の人に変わったら、みんなささっと帰っていくのです。横の人と話しもしません。

    どことなく僕には、それが楽しそうには見えませんでした。楽しもうとするイベントではなく、会議に映ったんです。こうした経験もあり、ある時から全社イベントでは、参加者に黙って聞いてもらうのをあきらめました。だって、その方が楽しいですし、楽しかったらおしゃべりしますしね。

    参加者にしたら、主催者が聞いてほしい題材より、「今話したい」という気持ちに正直に、隣の誰かと会話する方が大切だったりします。社員同士のコミュニケーションを大事にするのは、決して発表している人の話を聞くことだけではないんです。

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