記事

新総理は脱安倍路線で「ポスト安倍 何処へ行く日本」

1/2

菅義偉官房長官 出典:内閣官房内閣広報室

安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・自民党総裁選レース、菅官房長官頭一つ抜け出す。岸田、石破は2位争い。

・選挙の顔として党内から支持集めた菅氏。合流新党の体制整わぬうちに解散総選挙あり得る。

・新総理は「安倍路線」の継承では無く、新路線を敷くべき。

ポスト安倍は岸田か加藤か、などとつい最近まで言われていたのに、いつの間にか「菅首相」誕生目前だ。総裁選とは名ばかりの消化試合にしらけムードが漂う。

■ 自民党派閥の論理

加藤氏(加藤勝信厚労省)は今回名前すら出なかった。次期総理などと一時メディアに持ち上げられたのに、だ。それにしても気の毒なのは岸田政調会長、はしごの外され方があからさまだ。石破氏も党員票がカウントされないことになった時点で目はなくなった。今は岸田、石破のどちらが二番手になるかが焦点になっている。

▲写真 岸田文雄氏 出典:切干大根

それはともかく、何故菅官房長官だったのか。答えは簡単、解散総選挙が控えているからだ。実際、今年に入ってから、永田町には何度か解散風が吹いている。与野党、多くの衆議院議員が選挙の準備を始めていることを隠そうともしなかった。

自民党としては安倍首相が電撃辞任してしまったので、次の選挙の顔を決めねばならなくなった。その時点で、菅氏に内定したようなものだったろう。

何せ岸田氏は国民に全く知られていない。外相・防衛相を一時兼務していたことすらあるのに、筆者の周りでも彼を知っている人を探す方が難しい。岸田派(宏池会)は自民党最古参の派閥(47名)だが、石破氏の方が知名度がある。何故か?

まず石破氏の外見はインパクトがある。話し方も独特だ。一度テレビで見ると覚えてしまう。ソフトでスマートな語り口の岸田氏とは対極である。何より、鉄オタでアイドルオタクでもある。あだ名は「ゲル」。これも周知の事実だ。が、いかんせん派閥である水月会のメンバー19人と、数の上では圧倒的に不利だ。党員票はかなり集めるのだが、議員票が獲得できず、過去3回の総裁選で苦杯をなめている。

▲写真 石破茂氏(2017年9月25日。山梨市市長選応援演説にて) 出典:さかおり

こうみてくると、次の選挙の顔は菅氏しかいないと自民党の幹部が考えるのも当然だ。安倍首相の下、官房長官として毎日テレビの前に立ち、「令和おじさん」として一定の知名度がある。なにより、「安倍路線の継承」という看板にぴったりということなのだろう。そこに政策論争はない。単純に自民党の派閥の論理があるだけだ。国民不在である。

巷間言われているのは、9月末の解散、10月の総選挙だ。もしそうなったら国民はわけがわからないだろう。新政権が発足したばかりなのにもう選挙?そう思うに違いない。

だが、自民党には選挙を今やる明確な理由と目的がある。「政権基盤を固める」という明確な目的が。背後に野党の動きがあることは明白だ。「野党の息の根を止める」と言い換えてもいいかもしれない。

立憲民主党と国民民主党が合流するのをご存じだろうか?そう聞きたくなるほど、世間の関心は低いように見える。自民党新総裁が決まる14日の翌日15日に合流新党が誕生、衆参合わせて約150人に及ぶ巨大野党の誕生にも有権者の目は冷ややかだ。

合流が選挙目当ての野合と見られているのも、国民民主党の玉木雄一郎代表以下、20名以上が合流新党への参加を見送ったからだ。その最大の理由が政策だ。「原発ゼロ」や「消費税減税」、「憲法改正」など政策面での協議と一致を求める玉木代表の要望に枝野立憲民主党代表は乗らなかった。

結局両党の一本化はならず、分裂してしまった。そこを与党側が突かない訳がない。選挙区調整が整わないうちに総選挙をしかければ、議席は確保できる(少なくとも今より大きくは減らさない)と踏んでもおかしくない。なにせ、コロナ禍で景気は今後ますます停滞し、秋以降インフルエンザと新型コロナのダブルパンチも十分あり得る。うかうかしていると総選挙のタイミングを逸するのだ。だから、9月末解散、10月総選挙という憶測が現実味を帯びてくる。しかし、そんなこと言われても、国民は納得できるだろうか?

あわせて読みたい

「自民党総裁選」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    菅外交の優先順が見えた電話会談

    木走正水(きばしりまさみず)

  2. 2

    もう無関心?コロナに飽きる日本

    赤木智弘

  3. 3

    竹中氏「月7万円給付」は雑すぎ

    藤田孝典

  4. 4

    枝野氏「野党勢力は間違ってた」

    BLOGOS しらべる部

  5. 5

    「バカ発見器」Twitterの対処法

    御田寺圭

  6. 6

    アビガン申請へ「富士フに拍手」

    中村ゆきつぐ

  7. 7

    山口逮捕 配慮のない報道に憤り

    常見陽平

  8. 8

    権力批判をやめた日本のマスコミ

    文春オンライン

  9. 9

    トヨタ去る若手と年功序列の崩壊

    城繁幸

  10. 10

    韓国政府が恐れる菅首相の倍返し

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。