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『BLM(Black Lives Matter)運動』に潜む危険性

■「黒人の命は大切」運動は「デモ or テロ?」

 「BLM(Black Lives Matter)」運動、日本語に直訳すれば、「黒人の命は大切」運動。

 最近の「BLM運動」はプロ市民による暴動のようなものになっており、単なるデモ運動ではなく、もっと過激な暴力運動のような様相を呈している。トランプ大統領も「デモ行為ではなく、テロ行為だ」と述べており、平和的なイメージよりも破壊的なイメージが強くなっている。

 「隠れトランプ支持者」という言葉があるように、アメリカでは公の場で「私はトランプ支持者です」と言うと、リベラル派から嫌がらせをされることがある。学校でも「僕はトランプ支持者だ」と言うと、リベラル派からいじめられる場合も多いらしい。

 こう言うと、白人が黒人をいじめている姿を思い浮かべた人が多いと思うが、実際のところは、黒人が白人をいじめているというようなケースもある。

 現在のアメリカで「BLM運動」を少しでも否定するような人がいると、袋叩きにされること請け合いだが、日本でなら一歩下がって傍観し、率直な感想を書くこともできる。
 白人と黒人の間にある因縁の歴史に直接的にも間接的にも関係の無い日本人が何を言ったところで、それは「言論の自由」というものだ。

■「国」ではなく「1警察官」の問題

 「BLM運動」が始まった原因は、白人警官による黒人への暴力事件であると言われている。

 しかし、この問題を冷静に考えてみると、1警察官の1暴力事件が、なぜ国家ぐるみの犯罪であるかのような扱いになっているのか?という疑問に至る。そもそも、このての警官による暴力事件は、これまでにも何度もあったはずであり、なぜ、今頃になって突然、火が着いたかのような大騒ぎになってしまったのだろうか?

 「黒人の堪忍袋の緒が切れたからだ!」と言う純粋無垢な人もいると思うが、このての事件が現代になって急激に増加したというわけでもない。今回のように、白人警官が黒人容疑者に暴力を振るうこともあれば、黒人警官が白人容疑者に暴力を振るうこともある。

 警官に職務質問をされて逃亡した人物を捕まえようとすることは法律的にも間違った行為ではない。あるいは、公務執行妨害による正当防衛として身柄を取り押さえるという行為も否定されるべきものではない。このことは相手が白人であろうと黒人であろうと変わらない。犯罪者を拘束することは警察官の仕事でもあるので、一切の暴力行為を否定すると警察の仕事が成り立たなくなる。

 しかしながら、その拘束の過程で行き過ぎた暴力不必要な銃の使用等が有った場合は警官の暴力事件ということになる。これが、今回起こっている問題だ。

 そして、仮に警官の暴力問題になった場合も、あくまでも1警察官の障害事件または殺人事件として扱われるべき問題であり、国が意図的に黒人差別を行っていると決めつけるのは、あまりに拡大解釈が過ぎると言える。

 1警察官の暴力事件があると「政府が悪い」「トランプが悪い」と言うのは、日本で言えば、1公務員が犯罪を起こせば「政府が悪い」「アベが悪い」と言っているのと変わらない。
 暴力事件を起こした警官が所属する警察組織を批判するなら理解もできるが、なぜ、いきなり国が悪いということになるのか理解に苦しむ。

■「BLM運動」が行き過ぎて逆効果になる危険性

 黒人が白人の奴隷として当然のようにこき使われていた頃の黒人差別は、それはそれは酷いものであり、現代人の視点で観ると、人道的にも到底看過できる代物ではなかった。

 白人がアフリカ大陸から黒人を勝手に連れて来て、奴隷として扱う、これこそ、正真正銘の黒人に対する人種差別だ。その時代であるなら、国家ぐるみの犯罪という批判も充分に成り立ち、どんな暴力的なデモが発生したとしても、それは黒人の怒りの行為として認めざるを得なかっただろう。

 しかし、現代のアメリカは、黒人を奴隷として扱っているわけではなく、同じアメリカ国民としての権利が与えられている。昔のような、あからさまな黒人差別は行われていないだろうし、白人と黒人が結婚して家庭を持ち混血児(ハーフやクオーター)も多く存在しているような時代だ。

 例えば、女子プロテニス選手の大坂なおみ氏も「BLM運動」に参加されているが、本当の黒人差別がある時代なら、プロテニスの試合にすら出場することはできなかっただろう。それが、本当の差別であり、試合に出場し、個人の都合で試合をボイコットしても許される権利を与えられている状態が差別社会と言えるのだろうか?

 最近は、「差別」や「格差」というものが「分断」という言葉を用いて表現されることが多くなったが、昔、白人と黒人との間に目に見える形で存在した「分断」は、現代では明らかに減少傾向にある。そんな状況であるにも拘らず、恰も現代になって白人と黒人との間の「分断」がより拡大したというような言説は、どこか不自然であり、あまりにも現実から乖離しているように思えてしまう。

 現在でも「分断」が完全に無くなったとは言えないが、時代を経ると共に白人と黒人との間にあった人種的な「分断」は薄くなってきていることは間違いない。にも拘らず、「私達は差別されている!」「分断が深くなっている!」と叫び続けることは、将来的に大きな禍根を残すことになるのではないかと危惧される。そういうネガティブな言葉を発することによって、自らが願ってもいない結果(分断)を招いてしまう危険性にも目を向けるべきかもしれない。

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