- 2020年09月05日 11:49 (配信日時 09月05日 09:15)
「ローンを抱える人は要注意」これからやってくる"冬のボーナス激減"の恐ろしさ
1/3ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんのところには「夏のボーナスが激減した」という相談が相次いでいる。だが、これから「冬のボーナス激減」がやってくる。一体どう備えれば良いのか。黒田さんは「住宅ローンなどでボーナス払いの設定をしている人は要注意。3つの応急手当について確認してほしい」という——。

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家、クルマをボーナス払いのローンで買った人を待ち受けるもの
今年の夏、ボーナスがでなかった、もしくは激減した、という方からの家計相談が増えている。
新型コロナウイルス感染拡大や緊急事態宣言で、3月以降、在宅・テレワークが増えた一方、残業や出張が減り、給料が減ったという人は多い。その上、妻や子どもが、パートやバイトができなければ、世帯収入はジリ貧状態だ。
これまで毎月の生活費に関しては、外出自粛で、外食やレジャー、帰省・旅行代がかからない分と相殺したり、預貯金を取り崩すなどして何とかヤリクリすることができた。
しかし、今の最大の不安材料は、ボーナス払いにしている住宅ローンや車のローン、カードローンなど、数十万~数千万円の「大口」の借金だ。
年2回のボーナスは、ローンの支払い以外にも、生活費の不足分の補填や、自動車税・固定資産税などの税金の支払い、大型家電の買い替えなど、何かとアテにしてきた。
今夏のボーナス払いはなんとか乗り切ったものの、今後、収入が元に戻らず、冬のボーナスも期待できないとなると、マイホームや愛車を手放すしかないのか……。本稿では、ボーナスが激減した方のボーナス払いのローンの対処法についてアドバイスしたい。
運輸、飲食サービス業を中心に、コロナ禍で夏のボーナスは減少
ボーナスの現状に関していま一度確認しておこう。2020年の夏のボーナスに関しては、さまざまな調査が出ているが、共通しているのは「前年に比べて減少している」という点だ。
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」(6月確報分(※1))によると、事業所規模5人以上の企業について、給与総額の平均は44万3111円。このうちボーナスを含む「特別に支払われた給与」は、平均18万1557円で、前年6月より2.5%減少。6月の特別給与が減るのは5年ぶりだという。
また、8月上旬に経団連が発表した、大手企業の2020年夏賞与(ボーナス)の最終集計結果によると、回答した153社の妥結額は加重平均で90万1147円。
前掲の約18万円と比べると、5倍近い開きがあり、さすが大手企業といったところだろうか。ただ、こちらも、昨年夏から2.17%減少している。
前掲の経団連の調査をつぶさに見ると、建設業(前年比16.7%)、生活関連サービス等(同13.1%)、教育・学習支援業(同5.0%)金融業・保険業(同3.7%)など、前年同月に比べ増加している業種もある。
筆者の顧客の中にも、食品専門商社勤務の30代男性で「巣ごもり消費のおかげで、忙しくて大変です」という方もおり、収入減には至っていなかった。
その一方で、運輸・郵便業(同▲21.5%)や飲食サービス業(同▲13.2%)など、顕著に減少している業種もある。いずれにせよ、業種によっては、ボーナスが出ただけ御の字といったところかもしれない。
お金の情報サイト「まねーぶ」が、全国20代~60代正社員800人を対象に実施した調査(※2)によると、夏のボーナスの支給有無について、「支給なし」が26.9%と、4人に1人が支給されていない。
その理由として、最も多かったのが「会社の業績が悪いため(コロナによる経営悪化含む)」(66.5%)である。次いで「企業規模が小さいため」(14.9%)、「固定給・年俸制のため」(13.0%)なども挙げられている。
厚労省の「毎月勤労統計調査」では、夏季賞与が支給された事業所の割合が2018年67.9%、2019年66.8%となっている。この結果を踏まえると、コロナ前であっても、ボーナスが支給されていない人が3割以上いたはずだが、こちらも毎月の定期給与で少なからず影響を受けているだろう。
※1:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和2年6月分結果確報」
※2:株式会社GV「2020年度の夏ボーナス調査」
コロナ禍の影響が本格化するのは冬のボーナス
そもそも、厚労省の定義では、ボーナス(賞与)とは、「定期又は臨時に労働者の勤務成績、経営状態等に応じて支給され、その額があらかじめ確定されていないもの」をいう。
法律で、ボーナス支給日まで決められている公務員ならいざ知らず(国家公務員の場合、夏は6月30日、冬は12月10日。地方公務員の場合、地方自治体ごとに設定)、民間企業は、成績や業績が悪ければ、支給されない。
しかも、ボーナスの対象となる期間は、夏(6月下旬〜7月上旬)のボーナスの場合、前年の10月から3月まで。コロナ禍の影響がまだ本格化する前で、大半の企業は春先に支給を決めている。
そして、12月に支給される冬のボーナスは、4月から9月までの実績が反映される。となれば、「夏のボーナスが出たが、冬は期待できない」という企業が続出する可能性が高い。
すでに、JTBは冬のボーナスを支給しない方針を決めたという。

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一般的に、日本の企業は業績が低迷しても解雇せず、賞与などを減らして対応する傾向が強いものの、会社が潰れては元も子もない。給料やボーナスが減っても、失業するよりマシということか。
しかし、ボーナスを見込んで家計をヤリクリしてきた家庭は大変である。とくに、従業数が多い大企業は、年収に占めるボーナスの割合が高い。しかも、これまで安定的にもらえてきただけに、ボーナス払いで住宅ローンや自動車ローンを組んでいる人も少なくないはず。ボーナスの有無や減少に伴う家計への影響は大きいだろう。
冬のボーナス払いまでにやっておきたい「応急手当」とは?
それでは、冬のボーナス払いを乗り切るために、これからどうすべきだろうか?
実施すべき具体的な対策を、今から12月までの数カ月間の「応急手当」とそれ以降の「予防対策」に分けて説明しよう
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