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ドンキホーテでしかない

野党の参議院議員を1年足らず経験したくらいでは、国会を分かったとはとても言えない。
まして自民党を除名され無所属の議員になって内閣の一員として位置付けられている政務官に就任したからと言って、どんな仕事をしていいものやら分かるはずはない。

政務官は、大臣、副大臣を飛ばして自分勝手に仕事が出来るわけではない。
仮に担当の仕事が割り当てられても、その仕事の最終責任は大臣にあるから大臣の命に反することは出来ず、大臣の命への逸脱も許されない。
党にいるより遥かに不自由になる。
それでも上司が存分に働きどころを用意してくれて度量が広ければ、そこそこに仕事は出来る。
上司以上に特定の専門分野での活動の実績や経験、知識があれば、その専門分野に限定して重用されることはあり得る。

政務官が国会答弁を求められることは殆どないが、もし政務官が何でも内閣を代表して答弁しなければならないことになったら知らないことだらけということに気が付いて頭が真っ白になるだろう。
万一政治家は官僚の助けを借りてはならない、自分の言葉で答えろなどと意地悪をされたら、しどろもどろになってしまうだろう。
若い人ならまだ若いから大目に見てあげようと見逃してくれるようなことも、私が専門家ですから任せてください、などと大見得を切ってしまえば、誰も助けてはくれない。

気の毒であるが、浜田和幸氏はドンキホーテである。

菅総理は、非情である。
本人の実力やそれまでの経験などお構いなしでホイホイ人事を決める。
誰にも相談しないで決めるから、その人事の選考の基準などはないようなものだ。
誰かが推薦したからとか、この人だったら話題性がありそうだからとか、実に簡単な理由で人事を決定する。

これはまずい、となったら簡単に首を斬る。
後の面倒は見ない。
首相補佐官に国土交通大臣を務めた馬淵澄夫氏を登用したのはついこの前だったと思っていたら、大した仕事もさせないで首相補佐官の地位を解いてしまった。
副大臣の打診もあったそうだが、これは馬淵氏が断ったそうだ。
大事な人事も電話一本で進めるのが菅総理の癖のようだが、相手が飛びつくようないい話ならともかく、どう考えていいのか分からないような大事なことを電話で済ませようとするのはどこかに重大な欠陥がある証拠である。

浜田氏の面倒を菅総理が見るとは到底思えない。

結局浜田氏の後見人は国民新党の亀井静香氏ということになるのだろうが、亀井氏が自民党と組むという選択をしたときに浜田氏の居場所はなくなる。
菅総理も一筋縄ではいかないが、亀井氏はそれに輪をかけた旧来型の保守政治家である。
誰とでも手を組むと言ってよい。
その一挙手一投足に最大限の注意が必要な政治家だが、いつ一人だけで飛び出すかも知れない危険な要素を今でも持っている。

こういうことは、経験のない人には絶対に分からない。
週刊誌や夕刊紙は面白おかしく舞台裏のことを書いているが、結構本当のことが出ている。
学者の方々は綺麗に化粧を施してある表舞台のことは一生懸命勉強されているだろうが、それだけでは本当のことは分からない。

ドンキホーテは自分が何に立ち向かおうとしているのか分からないまま、駒を進めた。
そういう姿に声援を送る人たちもいるようだが、ドンキホーテはナポレオンにはなれない。

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