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菅義偉官房長官「国の基本は『自助、共助、公助』」 もっともらしい危険な言葉。国の基本は「公助」

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子どもの貧困対策でさえ「公助」を強めないで「自助」「共助」まかせ

例えば、わかりやすく子どもの貧困対策を取り上げてみたい。

2018年の子どもの貧困率(17歳以下)は13.5%(厚生労働省2020)だった。

2015年の子どもの貧困率は13.9%であるため、0.4ポイント改善しているように見えるが、新基準で計測した場合、14.0%という数字になる。つまり、子どもの貧困対策は進んでおらず、相変わらず約7人に1人の子どもが貧困状態にある。

政策効果が見られない

シングルマザーを中心とした「大人が1人」のひとり親世帯では48.1%の貧困率であり、パートナーと離別・死別を経験しただけで、約半数が子どもを抱えて貧困に陥っている。世界各国と比較してもあり得ない数字である。

安倍政権では定期的に子どもの貧困対策会議を開催しながら、政策推進に力を入れているように見せてきた。

ただ、実態は何ら改善が見られていないのである。「やっている感」だと非難されても仕方がない。

新型コロナ禍でも、パートやアルバイト、派遣で働く親たちが自分たちで何とかしようと必死に耐えてきた。

ボランティアでは、子ども食堂やフードパントリーの食材提供、衣料提供などもおこない、市民団体・ボランティアも共助で、子どもの貧困と懸命に向き合っている。

しかし、国は「政府が責任を持って対応する」と言いながら、何をしてきただろうか。

子どもの貧困対策として、ほぼ効果的な政策は打ち出していないではないか。

一貫して過度な自助、共助まかせであり、これ以上は限界だと伝えても何もしないのである。

むしろ、公的な責任で対応するのではなく、あくまで地域福祉推進、地域共生社会づくり、というきれいな言葉を利用して、ボランティアまかせ、安上がりで無責任な福祉体制を構築してきた。

つまり国は何もしたくない、財源もないから共助で勝手に考えて勝手にやれ、というだけである。

他の先進諸国では、子どもの貧困対策として、生活保護による支援、家賃補助、教育費無償化、男女の賃金格差是正など、具体的な公助政策が実施されている。

だから子どもの貧困率を低く抑え込む力が働く。

日本のように、自助、共助がすでに限界で効果が薄いにもかかわらず、国が手を差し伸べないのも珍しい。

強調しておきたいのは、貧困対策として、自助や共助で対応可能な範囲はすでに大幅に超えている。

これからも政治が形式的にやっているフリをして、子どもの貧困などを政治利用する醜悪な姿は見たくない。

実効性のある政策を打ち出すなら、自助や共助などを持ち出さず、懸命に公助を追求すれば良いはずだ。

※Yahoo!ニュースからの転載

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