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ふるさと納税、カジノ推進、辺野古移設…本当は地方重視の「真逆」 菅義偉は★1.5 ポスト安倍を辛口採点 - 古谷 経衡

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河野太郎 ★1.0 「結果的にやっていることがネトウヨと一緒」

「ネトウヨリトマス試験紙」にかけたときに、石破さんと正反対の結果になるのが河野さんでしょう。河野さんはいま、ネトウヨ界のヒーローともいえる存在になっています。そのため私は河野さんを評価していません。

 ネトウヨ受けが良くなった象徴的な出来事が、昨年7月に徴用工訴訟問題について当時外務大臣だった河野さんが韓国大使に対して「極めて無礼だ」と強気に出たことでした。先方が、日本側がすでに拒否していた「日韓双方の企業が賠償相当額を支払う」という韓国側の案に再度言及したので河野さんの怒りが爆発したのです。

 河野さんは父親の洋平さんがハト派だったこともあり、逆に「自分はタカ派である」という振る舞いを意識しているのかもしれませんが、「韓国に対して強気に出るのならば、同じことをアメリカやロシアにも言ってみろよ」と正直思いました。トランプ大統領が真珠湾攻撃について言及したときには広島・長崎の話を出せばよいのに、何故トランプに対しては「無礼だ」と言わなかったのでしょうか。つい最近も、尖閣諸島の上空視察を検討していたものの、中国への刺激回避が理由で視察を見送っています。

 河野さん自身が自分をネトウヨだと自覚しているとは思いません。ただ客観的に見ていると彼が強く出られるのは韓国のみ。中国・ロシア・アメリカに対しては何も言えないという、結果としてネトウヨと同じことをしているのです。そればかりではなく、ツイッター等で自分の意見に反発するものや批判者をブロックしまくっています。このような行為は極めてネトウヨ的な視野狭窄です。到底国会議員のやることではありません。自分の行為を恥ずかしいと思わないのでしょうか?

 プーチン大統領が「南クリル(北方領土)は第二次大戦の結果、合法的にロシアに帰属した」と言った場合に即座に駐日ロシア大使を呼び出して「極めて無礼です」と言うのであれば僕も河野さんを全然支持しようと思います。でもそういった度胸がないから韓国にだけ強くでる。恥ずかしく卑小な政治家だと思います。

岸田文雄 ★3.5 今出てくるべきではない「財政再建論者」

 岸田さんは河野さんのように、韓国にだけ「無礼です」とか言わないでしょうし、杉田水脈のような人権意識の欠如した議員は積極的に遠ざけていく(公認しない)であろう、非常にバランスのとれた政治家だと思います。ですが岸田さんに言えることは「今ではない」。これに尽きます。

 本当は★4くらいつけようかと思ったのですが、岸田さんはかなり凝り固まった財政観を持っている財政再建論者です。8月6日の時事通信のインタビューで「消費税は下げるべきではない。10%に引き上げるだけで、どれだけの年月と努力が求められたか」と語っていますが、本当にそれがいま採るべき判断なのでしょうか。好景気の時はそれで構いませんが、財政赤字が増えるからといってコロナ対策・景気対策に金を出さないわけにはいかない状況で、当然のこと弾力的な消費税減税政策が求められます。それだけに、不景気の最中での宰相としては不安が残ります。

 ただ、政治家としてはポスト安倍のなかでは石破さんの次にまともな人だと思っています。タカ派色はかなり薄いし、国際協調路線を進むはず。それに宏池会の保守本流としての伝統を受け継いでいるので、いずれ国力・自衛力を蓄えてアメリカと対等になるんだというビジョンを持っている人だと思います。コロナ禍が落ち着いて景況が安定してきた暁には、ぜひ首相になってもらいたい人です。

 ただ、その弁舌が大味で冗長なのが玉に瑕。言っていることはおおむね正論ですが、石破さんのように論点を的確に、短い言葉でまとめることが難しい。論調演出が平凡で、ズバズバと論敵に切りかかっていくような姿勢ではない。つまり「べしゃり」がちょっと下手糞なのです。これは演説能力にも影響しますし、特にメディア戦略、選挙戦略にとって大きなマイナスです。この点でも石破さんには一歩も二歩も劣後します。

いまネトウヨ界で囁かれる「安倍傀儡政権」説

 安倍首相の辞意が表明されてから、もちろんネトウヨ界も騒然としました。現在、ネトウヨの間でもポスト安倍について話されるわけですが、実はいま、彼らの間で「次期首相は誰でも良い」という説が有力になっています。ただしそれには条件があり、「安倍さんが院政を敷く」ことが前提です。

 つまりは「安倍傀儡政権」ということです。過去に田中角栄がロッキード事件発覚で自民党を離党しました。その際、自民党籍を持たない無所属衆議院議員だったにもかかわらず田中派を通じて裏舞台から政界に影響力を維持し続けたことをマスコミが「闇将軍」と呼びました。それと同じことを病院に通院、あるいは寛解にむかいつつ、安倍首相にやってほしいというのが今のネトウヨ界隈の考えなのです。

「首相は誰でも良い」とはいえ、傀儡になってくれやすい人という観点でポスト安倍を見るわけですが、そうすると一番手がネトウヨ界のヒーロー・河野さん、二番手が安倍首相を長年支えた菅さん、三番手には、進歩路線ではあるけれど一応閣僚なので可能性がありそうな岸田さん、という序列になるでしょう。

 僕の予想だと、次の首相が誰になろうと少しタカ派的な発言をした暁にはネトウヨたちは「それは安倍さんのレガシーなんだ」とか、「安倍さんと相談して決めた方針に違いない」など高らかに主張するでしょう。爾来数年は、だれが宰相になって何をしても、すべて「安倍のレガシー」とされ、安倍総理を讃える風潮が続くでしょう。ネトウヨのなかでは安倍政権はまだ終わっていないのです。

(古谷 経衡/Webオリジナル(特集班))

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