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- 2020年09月02日 14:30 (配信日時 09月02日 11:30)
本当に飛んだ! 「空飛ぶクルマ」の有人飛行試験に密着
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報道陣を前に有人テスト飛行を行うスカイドライブの空飛ぶクルマ「SD-03」(本稿の写真は撮影:原アキラ)
東京23区内であれば、どこへでも10分で移動できる世界。スマートフォンで予約するとビルやマンション、自宅前などに飛来する自動運転の空飛ぶクルマに乗り、目的地に到着したら乗り捨てる。こんなSFのような世界を作ろうと頑張っている会社が日本にもある。「スカイドライブ」(SkyDrive)社がそれだ。同社が実施した空飛ぶクルマの有人飛行試験に密着した。
機体を開発するスカイドライブとは
スカイドライブの福澤知浩代表は東京大学工学部を卒業後、トヨタ自動車の部品調達部門に就職。トヨタ生産方式を用いたカイゼンを実施し、原価改善賞を受賞した経歴を持つ。そんな福澤代表が、なぜ空を移動することに関心を持ったのか。地上を走るクルマには渋滞があったり遠回りがあったりで、行きたいところへ素早く直線的に移動することができない。かといって、ヘリコプターや航空機を使うには大掛かりな離着陸場が必要で、そこまでの移動も考えないといけない。であれば、自動車の技術を基にした小型のエアモビリティ(空飛ぶクルマ)を作れば、日常的に空を使って移動することができるのでは。そんな考えから福澤代表は、スタートアップ企業などに勤めるメンバーが集まる「CARTIVATOR」(カーティベイター)に参画。その中から、個人が所有できる小型エアモビリティを作りたいと集まった自動車、航空機、ドローンなどを専門とする有志が立ち上げたのがスカイドライブだ。

スカイドライブの福澤知浩代表(右)と岸信夫技術最高責任者。福澤代表がカーティベイターに加わったのは2014年のことだった
タイヤがない? 空飛ぶクルマのデザインは
同社のテストフィールドは、名古屋駅からクルマで1時間半ほどかかる、愛知県豊田市の人里離れた山中にある。入り口には「WARNING 関係者以外立ち入り禁止」の看板が掲げられたバリケードがあり、監視カメラも設置されていて、厳重な開発体制にあることがうかがえた。1万平方メートルという広大な敷地内には機体を整備・開発する倉庫や事務所が見える。最奥部にあるテニスコート3面分ほどの飛行場は、透明なパネルを取り付けた高さ10m以上の鉄柵で囲まれていた。そこがテスト飛行の会場だ。安全を考慮して、我々はその外側から飛行の様子を見守った。

テストフィールドの全景(この写真のみ提供:スカイドライブ)



「SD-03」展示機。クーペのような美しいデザインを採用している
クルマと名乗っているのにタイヤがない。一目見てそう思ったのだが、今回の機体には重量面を考慮して取り付ていないとのこと。その部分はヘリコプターのソリのようなパーツになっていた。

テストのため格納庫から押し出される「SD-03」テスト機。タイヤがないので補助輪をつけて移動する

SD-03のコックピット。シンプルなシートと1枚のモニター画面だけが設置されている。画面は左側にナビ、右側に天候、気温、風速、スピード、高度などが表示されるようだ




