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本当に飛んだ! 「空飛ぶクルマ」の有人飛行試験に密着

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報道陣を前に有人テスト飛行を行うスカイドライブの空飛ぶクルマ「SD-03」(本稿の写真は撮影:原アキラ)

東京23区内であれば、どこへでも10分で移動できる世界。スマートフォンで予約するとビルやマンション、自宅前などに飛来する自動運転の空飛ぶクルマに乗り、目的地に到着したら乗り捨てる。こんなSFのような世界を作ろうと頑張っている会社が日本にもある。「スカイドライブ」(SkyDrive)社がそれだ。同社が実施した空飛ぶクルマの有人飛行試験に密着した。

機体を開発するスカイドライブとは

スカイドライブの福澤知浩代表は東京大学工学部を卒業後、トヨタ自動車の部品調達部門に就職。トヨタ生産方式を用いたカイゼンを実施し、原価改善賞を受賞した経歴を持つ。そんな福澤代表が、なぜ空を移動することに関心を持ったのか。

地上を走るクルマには渋滞があったり遠回りがあったりで、行きたいところへ素早く直線的に移動することができない。かといって、ヘリコプターや航空機を使うには大掛かりな離着陸場が必要で、そこまでの移動も考えないといけない。であれば、自動車の技術を基にした小型のエアモビリティ(空飛ぶクルマ)を作れば、日常的に空を使って移動することができるのでは。そんな考えから福澤代表は、スタートアップ企業などに勤めるメンバーが集まる「CARTIVATOR」(カーティベイター)に参画。その中から、個人が所有できる小型エアモビリティを作りたいと集まった自動車、航空機、ドローンなどを専門とする有志が立ち上げたのがスカイドライブだ。

スカイドライブの福澤知浩代表(右)と岸信夫技術最高責任者。福澤代表がカーティベイターに加わったのは2014年のことだった

目指したのは、駐車場2台分程度の場所に垂直離着陸できる機体。内燃機関を使わず、しかも騒音が少ない電動の「eVTOL」と呼ばれる形態だ。今回は、同社が開発中の「空飛ぶクルマ」による有人飛行試験を報道陣に公開するとの連絡を受け、愛知県内のテストフィールドに向かった。

タイヤがない? 空飛ぶクルマのデザインは

同社のテストフィールドは、名古屋駅からクルマで1時間半ほどかかる、愛知県豊田市の人里離れた山中にある。入り口には「WARNING 関係者以外立ち入り禁止」の看板が掲げられたバリケードがあり、監視カメラも設置されていて、厳重な開発体制にあることがうかがえた。

1万平方メートルという広大な敷地内には機体を整備・開発する倉庫や事務所が見える。最奥部にあるテニスコート3面分ほどの飛行場は、透明なパネルを取り付けた高さ10m以上の鉄柵で囲まれていた。そこがテスト飛行の会場だ。安全を考慮して、我々はその外側から飛行の様子を見守った。

テストフィールドの全景(この写真のみ提供:スカイドライブ)

試験飛行を行った「SD-03」は、同社が開発中の3番目の機体ということになる。電動で飛行する1人乗りのパーソナルモビリティで、サイズは全長4m、全幅4m、全高2m。離陸時の重量は人が乗った状態で約400キロで、最高速度は時速40キロ、最大飛行時間は5~10分程度というスペックだ。機体の前後左右4カ所には2重反転式の3枚プロペラ計8つを装備。モーターやインバーターも8つそれぞれを独立して制御するフェイルセーフシステムを採用しているという。



「SD-03」展示機。クーペのような美しいデザインを採用している

真っ白に塗装され、ブルーで塗られたセンターのラインと社名のロゴが書かれた機体はシンプルでとても綺麗だ。クーペのようなエクステリアデザインも、開発途上の機体と思えないほどカッコいい。機体の素材は、コストと軽量化のバランスをとってカーボンやアルミ、また様々な複合材を使用しているという。塗装されていないプロペラの表面には、美しいカーボンコンポジットの模様が見て取れた。デモンストレーション用の機体のプロペラ部分には周囲を覆うガードが取り付けられていたが、実際の飛行テスト機ではそれが外されていた。

クルマと名乗っているのにタイヤがない。一目見てそう思ったのだが、今回の機体には重量面を考慮して取り付ていないとのこと。その部分はヘリコプターのソリのようなパーツになっていた。

テストのため格納庫から押し出される「SD-03」テスト機。タイヤがないので補助輪をつけて移動する

1人乗りのインテリアは非常にシンプルな構成だ。跳ね上げ式のトップを上げてシートに乗り込むと、固定式の座席の前には13インチPCほどの画面が1つあるだけ。顔認証を行いつつ、行きたい方向を判断して自動で飛んでいくというのが完成形で、画面には空中から俯瞰した都市の様子が映し出されていて、筆者の顔の向きに応じて景色が動くのが分かった。ただし、今回の飛行についてはパイロットがマニュアルで操作するとのことで、その操作方法については教えてもらえなかった。

SD-03のコックピット。シンプルなシートと1枚のモニター画面だけが設置されている。画面は左側にナビ、右側に天候、気温、風速、スピード、高度などが表示されるようだ


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