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退く総理

  安倍総理が辞任する意向を明らかにしました。ついに憲政史上で最長の政権が、幕を降ろすことになります。

  国家機密に触れる毎日ですので、迂闊に人に相談できない孤独なポスト。大きな責任を伴う決断の連続であり、極度の緊張感に耐える仕事。それが、内閣総理大臣という重責です。並大抵の神経では7年8か月も務まりません。1年4か月の在職だった私の想像をはるかに超えています。

  総理辞任の理由は、持病の再発ということでした。私が体調管理で一番苦労したのは、腸の調子をととのえる「整腸」でした。総理のスケジュールは分刻みの超過密日程です。トイレに長時間籠ったり、頻繁に用を足しに行くことはできません。予算委員会の審議がある時は、7時間も委員会室に釘づけです。海外ではシャワートイレが普及していないので、便秘になりがちでした。

  安倍総理の場合は、潰瘍性大腸炎という持病がありました。この難病を抱えながらの体調管理は、相当に苦労されたであろうと思います。そして、再発が確認された以上、総理辞任はやむを得ないでしょう。一国のリーダーに求められる最大の資質は、泥をかぶってでも為すべきを為す「胆力」です。腹に不安があっては胆力を発揮できません。

  とにもかくにも、まずは1日も早く療養に専念され、ご健康を回復されることを心よりお祈り申し上げます。

  政権は長きをもって貴しとせず、何をするかが大事だというのが私の政治信条です。特に安倍政権については、腐敗、驕り、弛み、独善など長期政権の弊害を列挙したらきりがありません。しかし、私は「礼に始まり礼に終わる」柔道の有段者です。戦い終わった人に対しては、黙って頭を下げ敬意を表したいと思います。

  そもそも、安倍一強を許した責任は野党にもあります。小党に分立した多弱が、安倍政権下の衆参選挙の6連敗の要因でした。多弱の克服こそ緊張感のある政治を実現できる第一歩です。ようやく、立憲民主、国民民主、私たち無所属が合流する新党が、9月16日に結党大会を開催する運びとなりました。

  昨秋の臨時国会から統一会派を組んで、一致結束して活動してきた実績がありますので、単なる野合ではありません。旧民主党の再結集というご批判もあるかもしれませんが、決まったことには従う政治文化を過去の猛省の上につくり、再びバラバラにならない塊にしていく決意です。

  ポスト安倍にも注目しなければなりません。有力候補とされる石破茂元幹事長も岸田文雄政調会長も、私と同い年です。彼らが率いる自民党のライバルとして競い合える野党第1党をつくり、政権交代可能な2大政党制を実現していきたいと思います。

  厳しい残暑とコロナ禍が重なる折柄、皆様におかれましてもご自愛専一に。

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