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「やましき沈黙」から脱するために

夏から秋にかけては、各地域で戦没者追悼式が行われます。

他のスケジュールと重なっても、追悼式にはできる限り参加することを、自分の中の決め事の一つとしています。戦争を経験していない世代の政治家として、地元出身の戦没者の御霊に、誠心誠意、自分自身の言葉で平和を誓うことを大切に思っているからです。

戸々のお宅を訪問して、場合によっては御霊前にお参りをさせて頂くこともあります。壁にかけられているご先祖さまのご遺影の中には、現在の私よりもずっと若いりりしい姿で映っている男性の写真もあります。

そのお家の方のお父様、お兄様、おじ様が、戦地に赴く前の大事なお写真であると伺うと、何ともいえない気持ちになるのです。この方たちが、生きて還ってきていたら、地域社会の一員として頼りにされ、戦後の日本の復興の大きな力となったはずです。

そして、何よりも家族とかけがえのない時間を積み重ねることができたはずなのに、そういった時間を思い出にかえていくこともできなかったんだな、と思うのです。

戦争は、若い人から、「生きて人のためになる」という選択を容赦なく奪っていきました。

いま、遅ればせながら、「日本海軍400時間の証言〜軍令部・参謀たちが語った敗戦NHKスペシャル取材班」(新潮社)を読んでいます。

1980年から1991年にかけて、131回にわたって開かれた「海軍反省会」。太平洋戦争時に軍令部や海軍省に所属していた、いわばエリート軍人が、秘密裡に当時を振り返る会合のカセットテープが、丹念にひもとかれています。

そして、取材班が導き出したのは、「ひとりひとりの『命』にかかわることについては、たとえどんなにやむをえない事情があろうと、決して『やましき沈黙』に陥らないこと」。

私は、国会議員になった当初、「検察官のときの方が、ひとりひとりの『命』に正面から向きあう機会が多かったな」と感じていました。

しかし、今は違います。

原発事故を経験した私たちが向きあう、原発ゼロへの道のり。領土領海をめぐる外交問題が投げかける、これからの安全保障。

まさに、「ひとりひとりの『命』にかかわること」であり、決して『やましき沈黙』に陥ってはならない場面に、国会議員として立たされていると感じます。

自民党の「判断先送りを避けつつ、遅くとも10年以内にエネルギーミックスを決める」という結論(ともいえない結論)。まさに『やましき沈黙』以外の何ものでもありません。

私たちは、「2030年代の稼働ゼロ」を決めました。閣議決定の過程で、決断がぶれたかのようなメッセージを与えたことについては、私も大変残念です。が、しかし、ここから「エネルギー基本計画」、「グリーン政策大綱」、また党としては選挙に向けたマニフェスト作成の議論にも入っていきます。しっかり、民主党としての決断と覚悟を、重要文書に入れ込んでいくことを次の目標として、「やましき沈黙」ではなく「覚悟ある発信」をしていきます。

一方で、安全保障については、民主党も『やましき沈黙』から脱しきれていないと感じます。正面から議論すれば党が割れるから議論を避けるという意味で、与党として責任ある議論と結論を導いていない面があります。私自身は、憲法調査会などで、できる限り発言をすることで、少なくとも議論を俎上にあげようと努力しているつもりですが、力不足です。

とはいえ、自民党の一部の方が持論とされる「憲法は米国からの押しつけだから違憲無効。すべて自分たちの手で書きなおすのだ」という議論は、畏れをしらない、知性を感じない議論に聞こえてなりません。

まさに、重要課題は山積しています。

閉会中のこの期間に、地元の皆さんに、課題と、それに対する自分の考えをしっかりお話ししていきたいと思います。学区ごとのタウンミーティングも、たくさん予定していますので、もしこれを読んで頂いた方で、お近くの方は是非ご参加ください。

今日の文章は、自分の中でも、まだまだ消化不良の部分がありますので、いずれ続きを。

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