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夫婦同姓に女性の過半数賛成

9割は戸籍・日常とも夫の姓
女性の生き方多様に
選択的夫婦別姓の導入検討を!

先進国では唯一、法律で義務付けられている日本の夫婦同姓制度に、「どちらかといえば」も含めると18〜29歳の62・7%を筆頭に女性の56・8%が賛成、反対の19・8%を大きく上回り、現実に既婚女性の90・5%は戸籍、日常生活とも夫の姓を使っているー。日本財団が行った初の「1万人女性意識調査」でこんな結果が出た。

夫婦同姓に対しては国連が「差別的だ」として是正を勧告した経過があるほか、夫婦別姓を認める民法改正を模索する動きもあるが反対も根強く実現していない。しかし、調査でも職を持つ女性を中心に20人に1人弱(4・5%)は「戸籍は夫、日常生活は自分の姓」と現実的な使い分けをしており、こうした動きは今後、確実に増える。個人としては現行の夫婦同姓制度に加え、選択的夫婦別姓制度を導入するのが現実的な対応策と考える。

▼日本財団・1万人女性意識調査

調査は18歳から69歳までの女性を人口構成比に合わせて5グループに分け、7月17日から5日間、インターネットで調査し計1万人から回答を得た。夫婦同姓に対する回答は賛成21・7%、どちらかといえば賛成35・1%、反対6・6%、どちらかといえば反対13・2%、分からない23・5%。うち既婚者約6200人の現実の対応は「戸籍・日常とも夫の姓」が90・5%と圧倒的に多く、残りは「戸籍・日常とも自分の姓」3・8%、「戸籍は夫、日常は自分の姓」が4・5%、「その他」1・2%となっている。

年齢別では18〜29歳が賛成29・5%、どちらかといえば賛成33・2%。残る30代以上が50%台にとどまる中、高い数字となっている。理由(二つまで選択)では「子供のことを考えると夫婦同姓の方が現実的」、「夫婦同姓の方が家族になった実感が出る」が50・4〜41・6%。わが国でも選択的夫婦別姓制度を導入すべき、といった意見や「仕事を続けて行く上では夫婦別姓の方が都合がいい」といった声も18・5〜17・2%に上っている。

自由回答を見ると、夫婦同姓賛成派では「基本的に同姓の方が夫婦・家族と分かりやすくていい」、「夫婦になっておきながら無理に別姓にする方が不自然」、「墓や供養はどうするか? 別姓だと困る」といった意見が目立ち、反対派では「自身の苗字に誇りや歴史のある人が、強制的に変えなければいけないような制度はいらない」、「“女性が男性の家に入る”という古い価値観は受け入れられない」といった意見、「入籍・離婚時の手続きが面倒くさく非効率的」、「事実婚が増えており臨機応変に対応すべき」といった指摘も目に付いた。

▼家族の一体感に影響なし

夫婦同姓に関しては、女性の社会進出が進むにつれ結婚に伴う改姓手続きの不便や煩雑さを指摘する声が増え、法制審議会は1996年、選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案要綱を答申、同年と2010年には改正案も用意されたが、根強い反対意見で見送られた。

しかし、内閣府が昨年、家族の法制に関する世論調査で「夫婦・親子の名字(姓)が違うと、夫婦を中心とする家族の一体感(きずな)に何か影響が出てくるか」尋ねたところ、31.5%が「家族の一体感(きずな)が弱まると思う」と答えたものの2倍超の64.3%は「影響がないと思う」と答え、家族法制に関する別の調査では、4割を超す人が選択的夫婦別姓制度の導入に向けた民法改正を「構わない」としている。

今回の調査結果を見ると、女性の暮らしや働き方が多様化する中、なお夫婦同姓が広く行きわたっている一方で、社会の変化に即した対応を求める女性の声が一定の広がりを見せている現実も示している。今春には自民党の「女性議員飛躍の会」も選択的夫婦別姓制度に対する議論を始めた。同制度導入を巡る動きを、しばし見守りたいと思う。(了)

〚夫婦同姓制度〛民法750条は「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と定め、最高裁は2015年、「夫婦同氏(同姓)は社会に定着し、家族の呼称を一つに定めることには合理性がある」と合憲の判断を示した。日本のような法律の定めを持つ国は世界に少なく、歴史的に結婚後、妻が夫の姓に変えることが多かった欧米も、近年は「同姓、別姓いずれも選択できる」流れが主流になりつつある。

同じ東アジアの中国、韓国では出自を表す「家」を大切にする伝統を受け、夫、妻とも結婚後も自己の姓を名乗る。日本も、一般の人も姓を名乗れるようになった明治当初は「妻は実家の氏(姓)を用いる」と規定され別姓が主流だった。しかし同29年(1896年)、旧民法が夫婦同姓を打ち出し、戦後1947年の改正民法で現在の形となった。規定に従う限り、夫婦のどちらかが姓を変えない限り、法律的には結婚できない。

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