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人間政治家・渡部恒三先生を追悼して

 去る8月23日、あの会津弁で親しまれた渡部恒三先生が逝去された。享年88歳だった。田中派経世会以来、親身のご指導をいただき、派の分裂から自民離党も行動をともにした。新進党から選出された衆議院副議長の際も、副議長公邸に何度もお招きいただき、談笑の機会を得た。旧民主党に籍を置かれてからは、少し疎遠になってしまったことが残念でならない。

 恒三先生はとても温厚で朗らかなご性格のため、誰からも慕われる存在だったが、実は芯がしっかり通っていた。小沢一郎先生共々、グループの皆で自民党を離党する段になった時、のちの総理の羽田孜先生は少し迷われていたように感じた。そうした時、恒三先生はいつになく大きな声で「羽田くんしっかりしろ。男として決めたことはとことんやりきらなきゃ駄目だ」と叱咤激励していたことが思い出される。

 また一度見込んだ人に対しては、最後まで理解しようと努力した人だ。小沢一郎先生は時として、我々の理解を超える行動を取っていたが、恒三先生は「小沢君のことだから何か意味があるに違いない」「俺が聞いてきてやっから」と、戸惑っている我々の意を介して、仲立ちをしてくれたことが何回もあった。お二人は誕生日が同じ5月24日なので、グループ皆で合同のお祝いしたことがあった。その時もこの二人は、あくまで対照的だった。

 渡部恒三先生はとても宇都宮にご縁があった。会津田島の造り酒屋の渡部本家は、昔から宇都宮二荒山神社の「おたりや(冬渡御・春渡御)」の大スポンサーであり、恒三先生が5歳の時に初めて会津から外に出たのが、神社のこの行事だったと、生前楽しそうに語っていたことを思い出す。

 恒三先生ほど味があり、今風に言えば「キャラの立った」政治家はもういなくなった。渡部恒三先生の御霊の安らかなことを祈るばかりである。

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