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朝日新聞社説などの安倍批判論説の知的視野の狭さを検証〜起こってきた(いる)現実を自己都合で選択して都合良く無視して論に利用する

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29日掲載の朝日新聞社説を取り上げます。

(社説)最長政権 突然の幕へ 「安倍政治」の弊害 清算の時
https://www.asahi.com/articles/DA3S14602394.html?iref=pc_rensai_long_16_article

社説は冒頭、今回の「「安倍1強」と言われた長期政権の突然の幕切れ」を「深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩」と辛辣に定義します。

 首相在任7年8カ月、「安倍1強」と言われた長期政権の突然の幕切れである。この間、深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければならない。

「退陣の直接の理由は、わずか1年で政権投げ出しと批判された第1次政権の時と同じ持病である」と見下したうえで、「長期政権のおごりや緩みから、政治的にも、政策的にも行き詰まり、民心が離れつつあったのも事実」だと指摘します。

 退陣の直接の理由は、わずか1年で政権投げ出しと批判された第1次政権の時と同じ持病である。しかし、長期政権のおごりや緩みから、政治的にも、政策的にも行き詰まり、民心が離れつつあったのも事実である。

続いて、桜を見る会、公文書改竄含む森友問題、河井克行前法相夫妻の買収事件、廃案に追い込まれた検察庁法改正案など政権の抱えた問題を列挙します。

 先の通常国会では、「桜を見る会」の私物化が厳しく追及された。公文書改ざんを強いられて自ら命を絶った近畿財務局職員の手記が明らかになったことで、森友問題も再燃した。

 河井克行前法相と妻の案里参院議員による大規模な買収事件が摘発され、選挙戦に異例のてこ入れをした政権の責任も問われている。検察官の独立性・中立性を脅かすと指摘された検察庁法改正案は、世論の強い反対で廃案に追い込まれた。

加えてコロナ禍への対応も、「広がらないPCR検査」、「世論と乖離(かいり)したアベノマスクの配布」、「「Go To トラベル」の見切り発車」と、「後手後手、迷走」したと批判します。

 それに加え、コロナ禍への対応である。首相が旗を振っても広がらないPCR検査、世論と乖離(かいり)したアベノマスクの配布、感染が再燃するなかでの「Go To トラベル」の見切り発車……。多くの国民の目に、政権の対応は後手後手、迷走と映った。

初期の「アベノミクス」の経済効果を認めつつ、現在は「コロナ禍の影響もあり、良好な経済という政権の金看板も色あせつつある」と断定します。

 アベノミクスのもとで株高が進み、企業収益や雇用の改善につながったことも事実である。ただ、賃金は伸び悩み、国民が広く恩恵を実感できる状況ではない。内閣府は先月、12年12月に始まった景気拡大が18年10月に終わり、翌月から後退局面に入ったと認めた。コロナ禍の影響もあり、良好な経済という政権の金看板も色あせつつある。

巨大与党の「数の力」で、「安全保障法制や特定秘密保護法」、「「共謀罪」法など、世論の賛否が割れた法律を強引に成立させ」てきたと糾弾します。

 衆参の国政選挙では6連勝を果たした。しかし、その政治基盤を活用して、社会保障改革や少子高齢化対策などの難題に道筋をつけるまでには至らなかった。むしろ、巨大与党の「数の力」を頼んで、集団的自衛権行使に一部道を開く安全保障法制や特定秘密保護法、「共謀罪」法など、世論の賛否が割れた法律を強引に成立させた。

外交・安全保障分野では、「北方領土交渉は暗礁に乗り上げ、拉致問題も前進はみられなかった」と指摘します。

 外交・安全保障分野では、首脳間の関係を深めるのに長期政権が役立った側面はあるが、「戦後日本外交の総決算」をスローガンに取り組んだ北方領土交渉は暗礁に乗り上げ、拉致問題も前進はみられなかった。

朝日社説は、最後に「安倍政権の政策的な評価のみならず、その政治手法、政治姿勢がもたらした弊害」を厳しく糾弾します。

 今回の総裁選では、安倍政権の政策的な評価のみならず、その政治手法、政治姿勢がもたらした弊害もまた厳しく問われねばならない。

安倍政権は「野党やその支持者など、考え方の異なるものを攻撃し、自らに近いものは優遇する「敵」「味方」の分断」、「官僚の忖度(そんたく)がはびこり、財務省の公文書改ざんという、民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」と断罪します。

 野党やその支持者など、考え方の異なるものを攻撃し、自らに近いものは優遇する「敵」「味方」の分断。政策決定においては、内閣に人事権を握られた官僚の忖度(そんたく)がはびこり、財務省の公文書改ざんという、民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いたことを忘れるわけにはいかない。

朝日社説は「安倍政権の功罪がしっかり検証されず、政策論争そっちのけで、数合わせに走るようなことがあってはならない」と結ばれています。

 懸念されるのは、安倍1強が長く続く中、自民党内で闊達(かったつ)な論議がすっかり失われたことだ。首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなった一昨年の自民党総裁選では、大半の派閥が勝ち馬である首相に雪崩をうった。

 最大派閥出身の首相の影響力に遠慮して、安倍政権の功罪がしっかり検証されず、政策論争そっちのけで、数合わせに走るようなことがあってはならない。国民の信頼を取り戻せるか、自民党にとってまさに正念場である。

・・・

この論説は、冒頭から結語まで、社説タイトルにもあるように今回の退任を「「安倍政治」の弊害 清算の時」と勝手に決めつけ、結びまで「安倍政権の功罪がしっかり検証されず、政策論争そっちのけで、数合わせに走るようなことがあってはならない」とその功罪を検証しろと要求しています。

しかし「功罪の検証」とは名のみで、この論説自体は、その「功績」には全く触れず、その「弊害」のみを徹底的に列挙し、ときに「民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」政権と、言葉の限り安倍政権を痛罵しています。

朝日新聞社説は、しかし不思議なことに、このような「民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」政権が、なぜ7年8カ月という憲政史上最長の長期にわたって、国民の圧倒的支持を受けてきたのか、一切その理由を示しません。

朝日新聞論説室には、宿敵安倍政権の7年8カ月の「弊害」しか見えず、なぜ7年8カ月も続いたのか、その「功績」が一切見えていないのです。
この傾向は朝日新聞論説室だけではないようです。

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