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【ウォルマート】、TikTok買収に動く!にこるん、ゆきぽよ、みちょぱ1億人をサブスク?

■ウォルマートは27日、マイクロソフトと新たに提携し動画投稿アプリ「ティックトック(TikToK)」の米国事業の買収を計画していることを発表した。米国内に約1億人の若いユーザーをもつ動画投稿アプリを持つことでネット販売を拡大・強化し、Eコマースで先行するアマゾンに対抗する狙いがある。

ティックトックは短編動画を投稿できるアプリ。ティックトックを運営する中国のバイトダンス(ByteDance)によると、世界中で約20億回ダウンロードされている。米国での月間アクティブユーザー数は約1億人で若者を中心に利用者が急増しているモバイル・プラットフォーム。

メディア報道では北米やオーストラリア、ニュージーランド事業の売却を巡りバイトダンスがマイクロソフトやソフトウエア大手のオラクルと初期段階の協議を進めている。また一両日中にも交渉に入り、9月15日までに売却についての合意を目指しているという。

なおウォルマートは声明で「マイクロソフトと提携しティックトックUSを買収することで当社の(サードパーティーオンライン販売事業の)マーケットプレイスや広告ビジネスを成長させるだけでなく、オムニチャネルカスタマーに提供できる重要な機能として役立てることが可能となります」と述べている。

ウォルマートはマイクロソフトのクラウドサービス「アジュール(Azure)」を全社で使用しており両社間にはすでに協力関係にある。

ウォルマートにとって動画投稿アプリが重要なツールとなるのは、ウォルマートがアマゾン・プライムに対抗する有料のメンバーシップ・プログラムを開始することが背景にあるからだ。

特設サイトもすでに設けられ「カミング・スーン(Coming Soon)」てなっている会員制プログラム「ウォルマート・プラス(Walmart Plus)」は、ウォルマートの宅配サービス「デリバリー・アンリミテッド(Delivery Unlimited)」をリブランド(再構築)したものと見られている。

1回の宅配手数料が通常9.95ドルかかるところをデリバリー・アンリミテッドでは年会費(もしくは月会費)で無制限に注文できる定額宅配サービス。デリバリー・アンリミテッドの年会費は98ドルとなり、1ヶ月のプランでは12.95ドルとなっている。最低注文額が30ドルとなるデリバリー・アンリミテッドでは月に2回以上の注文でもとが取れることになる。

ウォルマート・プラスではデリバリー・アンリミテッドに加えて、4,500店以上のリアル店舗で利用できる特典をつけることで年会費119ドルのアマゾン・プライムが真似できない内容になると予想されている。

一部メディアが報じたサービス特典には、富裕層向けパーソナル・ショッピング・サービス「ジェット・ブラック(Jet Black)」で使われていたテキストメールによる商品注文がある。

今年初めにはスクラップされたジェット・ブラックには、ニューヨーク・マンハッタンやブルックリンの高層マンションに住む若い母親を対象顧客にテキストメッセージで注文でき、人工知能(AI)が回答する「チャットボット」からプロによるおススメなどの返信もあった。これをウォルマート・プラスに応用するというのだ。

ウォルマートが2018年5月に中止した「スキャン&ゴー(Scan & Go)」もウォルマート・プラス会員を対象に復活させる。スキャン&ゴーはスマートフォンにダウンロードしたアプリ(当時はハンディ端末もあった)で、お客が商品バーコードをスキャンしながら買い物を行うシステム。アプリ内で決済するため、レジを通らず買い物を済ませることができる。

ウォルマートは先週、スキャン&ゴーのPR動画をYouTubeにアップしていた。

またウォルマート・プラスではパッケージ特典に店内ファーマシーの処方箋薬の値引きから、ガソリンスタンド併設型店舗でのガソリンのディスカウントも含まれると予想されている。

これら実店舗でのサービス特典に、ティックトックのライブコマース(ライブ動画による商品紹介と販売)などの動画によるベネフィットを加えることで、会員数1.5億人(全世界)を誇るアマゾン・プライムもフォローできないことになると目論んでいるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートがティックトック買収に動く理由はストアアプリの強化です。ティックトックがどの場面で使用されるかを考えればわかるはず。ウォルマートのストアアプリを介して顧客がネットスーパー等での買い物をするときにコミュニケーションツールとしてティックトックなど動画投稿アプリを機能として使うのです。重要なのは毎週の買い物となる食品の購入でストアアプリを経由したネットスーパーを習慣化させるために動画を戦略的に使うこと。日本の流通業者はアプリといえばすぐに値引きと考えてしまいます。

アプリはお客とを結ぶコミュニケーションツールであり、小売業にとってお客に「お買い物は楽しい」と思ってもらえるエンターティメントになりえる武器です。YouTubeなど動画投稿サイトを日常生活の一部にとらえているティーンなど、これからの世代にとっては極めて重要。例えばネットスーパーのプロセスに動画を一つ挟むだけでもリピート率は飛躍的に改善します。

TikTokを武器として有効に使えば、にこるんやゆきぽよ、みちょぱ1億人をウォルマートのサブスク「ウォルマート・プラス(Walmart Plus)」のターゲットにできます。

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