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「夜の街」でひとくくりにするのは言葉として雑 - 『ホスト万葉集』対談:ホストクラブ経営者・手塚マキ×歌人・俵万智

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コロナ禍で大打撃を受けた新宿・歌舞伎町。そこに生きるホストたちの思いを載せた短歌を集めた歌集『ホスト万葉集』(短歌研究社、講談社)が発売された。

俵万智さん・手塚マキさんのサイン入り書籍を1名様にプレゼント。詳細は記事末尾をご覧ください

発起人である「スマッパ!グループ」の手塚マキ会長と選者である歌人の俵万智さんが同書について対談。前半ではホストたちがハマった「短歌」の魅力を語ってもらった。

【対談:前半】ホストがハマった短歌の世界

後半はコロナ禍で「夜の街」と記号化されてしまった現在の歌舞伎町に生きるホストたちの思いがテーマ。二人は「ステレオタイプな言葉ではひとくくりにできない“人間”がここにいる」と語る。

手塚マキ会長 × 俵万智さん 対談ダイジェスト動画

31文字だとなぜかホストたちの多様性が見えてくる

Smappa!Group

俵:世の中で歌人と呼ばれる人も、短歌だけを詠んで生きているわけではなく、それぞれの生活と並行して歌をつくっています。そういう意味では、ホストとして生きていることと並行して歌がある。今回の歌集ではそれがすごく感じられました。

手塚:切り取り方が人ぞれぞれで面白いですよね。同じ景色見てても、全然違うものを感じるわけですから。

俵:ホストという記号ではくくり切れない多様性がある。それが、この本で伝わったらいいなと思います。ステレオタイプなイメージで理解しようっていうんじゃなくて。

手塚:コロナ禍のこのタイミングでこの本が出た大きな意味のひとつですね。「ホスト」や「夜の街」みたいにくくられるけれど、みんな一人一人顔があるんだということを、上手に伝えることができない人間たちが多いのは事実。それが31文字の歌だとなぜか顔が見えてくる。それが短歌の力だったんじゃないかなと僕は思います。

コロナ禍の歌舞伎町を詠んだ『ホスト万葉集』の最終章

写真AC

俵:最後の章「だけど、I♡歌舞伎町」はコロナ禍でZoomを使った歌会で詠まれた歌を集めた章ですが、やっぱりみんなの実感がこもっていて、すごくリアルでいいと思います。例えば看板の歌なんかとても好きでした。

華やかに輝く君の看板も今は寂しく誰を見ている – 愛乃シゲル

俵:あと、私が歌会で点を入れた歌では

歩きやすい、どこを歩いても歩きやすい 来月の今頃も歩きやすい? - 伊織

という歌。

あのにぎやかな歌舞伎町の人が減っている感じを、「歩きやすい」って詠んでいる。すごく的確な捉え方だなと思って。

手塚:収録されていないものでは、カラスがいないことを詠んだ歌もあって、面白いなと思いました。結構、みんなちゃんとコロナ禍での歌舞伎町の風景を見てましたよね。

思わず「あっ」 コロナ禍でホストたちが詠んだ普遍性

Getty Images

手塚:例えばずっと歌会に参加している朋夜(ともや/APiTS所属)。普段はすごくぼんやりしている子なのに、歌会には必ずちゃんと真面目に参加して、どんどん上手くなっている気がするんですよね。

「APiTS」所属の朋夜さん

俵:朋夜くんはすごく上手くなってる。自粛期間中の歌で

自粛期間日が暮れてくると思い出す あ、もうそろそろ店開く頃か

と詠んでいましたね。これなんかはすごい普遍性があって。ステイホームしてるのに、仕事や生活のルーティンの時間になると「あっ」て何かなる感じ。これはホストではなくてもこの時期にみんなが感じたような感覚だと思うんですよね。

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