- 2020年08月28日 20:48
首相辞任を巡り立民議員が「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」と投稿し批判殺到

持病の「潰瘍性大腸炎」の悪化による執務への影響を避けるため辞意を表明した安倍首相について、立憲民主党議員が「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」と表現し、批判を浴びている。
立民党の石垣のりこ議員が28日、首相の辞任をめぐって自身のツイッターを更新。辞任について「健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します」としたうえで、安倍首相を「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」だと表現し、安倍首相を総理総裁に担いできた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきだと批判をおこなった。
続く投稿では、安倍首相が第一次政権でも体調不良を理由に辞任し、現政権の間も健康不安説が流れながら「“安倍しかいない”と押しつけてきた」として、自民党が会社ならこれほどブラックな職場はないと非難している。
「安倍首相には批判的であるが」「石垣議員のことは応援しているが」立場超え批判
これらのツイートについて、リプライや投稿を引用する形で、難病を抱える人々が要職に就くことを否定するかのような理解のなさを指摘し、石垣氏の議員としての資質を問うなど問題視する反応がみられた。
「安倍首相には批判的であるが」や「石垣議員のことは応援しているが」などと前置きするものも多く、立場を超えて苦言が呈される事態となっている。
石垣氏を含めた誰もが、いつ体調を崩したり、難病を抱えることになるとも分からないと指摘する医療関係者もおり、実際に昨年8月には立民党代表の枝野幸男氏が「急性胃腸炎」で衆院本会議を欠席した例を挙げる投稿もあった。
同じく野党からは、立民党を離党し国民民主党に移った山尾しおり議員が、安倍首相とは理念や憲法観で大きな相違があったと触れつつも「それでもなお、7年半との長きにわたって、体力の限界まで一国の総理として務めを果たされたことに、心から敬意を表したいと思う。本当にお疲れ様でした」とツイートしている。
意見の違いにかかわらず安倍首相をねぎらった山尾氏の姿勢は「立派」だと称賛されるなど肯定的な反響が広がっており、これを引き合いに石垣氏を批判する投稿も少なくなかった。
総理といえども「働く人」。健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します。
— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020
が、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」を総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきです。その責任を問い政治空白を生じさせないためにも早期の国会開会を求めます
①安倍総理の理念や憲法観は私とは随分違った。違っていいのでせめて誠実な答弁が欲しいと国会で歯噛みをすることもたくさんあった。それでもなお、7年半との長きにわたって、体力の限界まで一国の総理として務めを果たされたことに、心から敬意を表したいと思う。本当にお疲れ様でした。
— 山尾しおり (@ShioriYamao) August 28, 2020
【追記】(2020年8月28日22時30分)
石垣のりこ議員がツイッターを更新し、報道機関の取材への回答として書面を公開した。
当方のtweetににつき、数は少ないものの複数の報道機関からご取材の依頼を頂戴しております。相手様によって答える内容が違うと問題ですので、書面にて回答しているところです。念のためこちらでも同一書面を共有しておきますね。 pic.twitter.com/wyG4FpnLOT
— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020
いかなる身体的特性、疾病があろうとも、『就労の自由』は基本的人権で絶対的に擁護されるべきものです。それは内閣総理大臣という要職でも同じこと。本人の自由意思であれば、就労の権利も、退職の権利も妨げられるべきものではありません。だからこそ、いかなる身体的特性あるいは疾病を持つ人がその職務にあたろうとも、補佐する担当者を配置する、就労環境を整備するなどの対策を通じ、職務遂行に支障のない環境を整える義務が、職場側・選任側に発生します。
しかし、与党自民党および政府は、「持病で職を辞す」という経歴をおもちの安倍晋三氏がその職責を十全に果たせるような措置をとりませんでした。職場のノーマリゼーションという観点からは、選任側の責任として、「同じ理由で辞めることのないように環境を整備する」ことが必要だったはずです。しかし、政府・与党はそれを怠りました。だからこそ、前回と全く同じ理由で辞職するという悲しい結果に安倍氏は追い込まれてしまったのでしょう。これほど、政府・与党側に、ノーマリゼーションへの配慮が欠けていることを雄弁に物語る事実はありません。
立憲民主党は綱領で「私たちは、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所がある『共に生きる社会』をつくります」と謳っています。この綱領のもと、私も党の一員として、あらゆる職域・あらゆる地域で、「身体的特性や疾病で、本人の就労意思が阻害されない、強くたおやかな社会」を構築するため、今後も引き続き職務に邁進して参ります。
【追記2】(2020年8月29日1時00分)
石垣のりこ議員がツイッターを更新し、立民党の福山幹事長から「不適切である」との指摘を受けたと明かし、表現に配慮が足りなかったとして謝罪した。
先ほど福山幹事長より「”大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物”という表現は、不可抗力である疾病に対して使う言葉として不適切である」とご指摘を頂きました。確かにこの箇所の表現に、疾病やそのリスクを抱え仕事をする人々に対する配慮が足りなかったと反省しお詫びします。
— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020
立憲民主党は綱領で「私たちは、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所がある『共に生きる社会』をつくります」と掲げています。
— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020
この綱領のもと、私も党の一員として、「身体的特性や疾病で、本人の就労意思が阻害されない、強くたおやかな社会」「全ての差別を克服する社会」を構築するため、今後も引き続き職務に邁進して参ります。
— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020
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