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【安倍首相辞意】選挙のたびに利用された「被災地・福島」。ハコモノ訪れ、食べて〝復興〟アピール。最後まで原発事故の〝本当の被害〟見ないまま

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体調悪化が取りざたされてきた安倍晋三首相が28日夕、辞意を表明した。原発事故後の福島は、国政選挙のたびに安倍首相が大威勢の地に選び、様々な演出で〝復興〟アピールに利用されてきた。また、避難指示区域にハコモノが完成すれば足を運び、こちらでも焼きそばやうどんを食べて〝復興〟が着実に進んでいると強調。悲願である2020年東京五輪に向けて被害者を切り捨てながら地ならしを続けて来た。為政者は福島で何を語り、何から目を逸らしてきたのか。きちんと振り返っておきたい。


【「福島の米を毎日、食べてる」】

 安倍政権と福島と言えば、国政選挙だろう。選挙のたびに「被災地・福島」は演出に利用されてきた。

 2016年6月の参院選。公示日に駆け付けた安倍首相は、地元のお菓子「薄皮まんじゅう」や「ままどおる」に触れながら、次のように強調した。

 「思い出していただきたい。あの時、本当に福島のために働いたのは誰か」

 「常磐道を約束通り、全面開通させました」

 「中通りのお米を官邸で毎日、食べています」

 「福島のお米を毎日、食べているから、こうして元気なんです」

 2017年10月の総選挙では、福島駅前では無く駅から遠く離れた田んぼの真ん中で第一声を行った。稲刈りの時期だったが、演説代の周辺だけ黄金色の稲穂を残す演出ぶりだった。

 「今回の選挙は福島からスタートする。2012年の政権奪還の選挙もそうだったし、翌年の参院選、その次の衆院選、昨年の参院選、みんなそうだった」

 「民主党政権では復興が進まなかった。誰が福島の復興をさらに進める事が出来るのか。誰に託す事が出来るのか。誰がやって来たのか。どうかこの事を考えていただきたい」

 「この近くの県営あづま球場には、2020年の東京五輪で世界中から(野球やソフトボールの)一流選手がやって来ますよ」

 2019年7月の参院選は、今度は福島市内の果樹園で第一声。差し出された早生桃やサクランボを頬張ってみせた。

 「残念ながら民主党政権の下、遅々として復興は進まなかった」

 「首相に就任して40回、被災地を訪問しました。『風評被害なんとかしてください』。何度この声を聞いたことでしょうか」

 「来年の東京オリンピック・パラリンピックでは、聖火リレーはこの福島県のJビレッジからスタートします。初めての競技も福島県から始まる。まさに世界の真ん中で福島県が輝くんですよ。復興は次のステージに入っていく」

 演説会場は常に動員でいっぱいになった。民主党政権批判や〝復興〟アピールも決まり文句となった。一方で、まるで批判の声から逃げるように年々、主要駅から遠ざかった。





①②③国政選挙のたびに福島で第一声を行った安倍首相。様々な演出で福島の〝復興〟をアピールした。首相の寵愛を受ける森まさ子参院議員は法務大臣として2度目の入閣を果たしたが、首相の辞意表明で大臣の椅子も揺らぐ

④国道6号線沿いにある「二ツ沼総合公園」(広野町)の近くには、安倍晋三首相の桜が植えられている

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