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あらためて歴史の直視を

 アイヌ施策推進法やウポポイ開業の一方で、もっと問われてしかるべきアイヌの先住権。学ばなければと、北海道史研究協議会の滝沢正さん宅を訪ねました。

 紋別アイヌ協会・畠山会長によるサケ採捕、ラポラアイヌネイション(旧浦幌アイヌ協会)によるサケ漁の権利を求めた提訴など、アイヌ当事者からの声も上がり続けています。

 国連先住民族権利宣言が採択され13年、日本では衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択されて12年になります。昨年のアイヌ施策推進法に先住民族と明記されたものの、権利保障は不十分なままでした。

ラポラアイヌネイションの提訴は、「アイヌ民族の個人的権利だけでなく、集団的権利を正面から問うものですね」と滝沢さん。これまでの歴史を振り返る滝沢さんの話に、まだまだ私は勉強不足だと痛感しました。

 その歴史の1つがアイヌ民族共有財産裁判で、滝沢さんは原告らの事務局として携わってきたのです。1872年(明治5)の北海道地所規則第7条で、山林や沼沢などが地券として渡された(=私有地)とされながら、1877年(明治10)の北海道地券発行条例では官有地への編入とされて、アイヌには「自由に使用できる」とされてしまいました。

いったい、この土地は誰のものなのか--紐解きながら歴史を学ぶ必要性を、あらためて教えていただいたように思います。

 萩生田文科相が、ウポポイ開業にあたって「原住民と開拓する人間で価値観の違いはあったと思うが、それを差別という言葉でひとくくりにすることがアイヌ文化の伝承のためにいいかどうか、ちょっと考えるところがある」と発言しました。

 アイヌを「原住民」とし、差別の歴史は「価値観の違い」と述べるところに、アイヌが置かれた歴史をどれだけ理解しているのだろうかと疑わしい。こういう発言が何度も政治家から発せられてきたこと自体に、歴史を直視しない実態が現れてもいます。

 しっかり学び、北海道の政治に携わる者として、さらに私も発信しなければ。

 【今日の句】この大地 アイヌモシリと みなで言い

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