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減らない自転車事故 総合的な対策が必要だ

マナー向上 現場の知恵が欠かせない

飛び出してきた自転車とぶつかりそうになって、背筋の凍る経験を持つ人は多いだろう。歩行者の間を縫うように猛スピードで走り抜けたり、携帯電話を操作しながら、イヤホンを耳に付けながらの走行も目立つ。いずれも交通違反である。

そんな自転車の悪質な交通違反が後を絶たない。

警察庁のまとめで、全国の警察が昨年1年間に摘発した自転車の悪質な交通違反が前年の5割増の3956件に上った。

この増加は、警察庁が昨年10月に「自転車総合対策」を打ち出し、自転車運転のマナー向上と危険運転の摘発に力を入れ始めたことが大きい。

だが、肝心の自転車関連事故数は依然、高水準のままである。自転車事故を減らし、安全な環境をつくるには、取り締まりの強化だけでは足りないということだ。

自転車専用道の設置などの交通環境の整備や、被害者救済の仕組みづくり、マナー啓発の取り組みなど、あらゆる政策を動員した総合的な対策を急がなければならない。

こうした実情から公明党は昨年12月、政府に対し自転車、歩行者の安全を確保する街づくりや交通体系の改善などを総合的に行うべきとした、自転車の利用環境に関する緊急提言を行っている。

具体的には、交差点の改善や自転車レーンの設置、マナー向上への啓発活動、自転車保険(対人賠償)の拡充など10項目にわたるものだ。

また、地方レベルでも、自転車走行の安全確保や駐輪場の確保、安全講習の実施を定めた自転車安全条例の制定などの取り組みも、力強く広げている。

今後も政策実現に一段と力を入れていきたい。

一方、警視庁が今春、都内の自転車利用者を対象に行った意識調査では、6割が「自転車のルールを知らない」と答えるなど、自転車の安全運転についての関心の低さが目立っており、対策が急がれる。

こうした中で注目を集めている一例が、東京都三鷹市と武蔵野市の取り組みだ。

それは、交通安全講習を受講した市民に駐輪場を優先的に割り当てる“お得な自転車教室”の開催である。これによって両市では、講習受講者数が大きく伸びるとともに、自転車関連事故数も三鷹市で33%、武蔵野市で37%減少するなどの効果を挙げている。

自転車マナーは呼び掛けだけでは変わらないが、両市の取り組みは、知恵と工夫次第で、効果的な対策を打てることを教えてくれている。

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