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「アベが代われば…」韓国世論が“安倍首相の健康問題”に異様な関心を示す理由 終わらない“被害者ビジネス” - 黒田 勝弘

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GSOMIAやレーダー照射に見られる“危うさ”

 文在寅大統領自ら「1945年の光復は外からもたらされたものではない」(2018年8・15記念演説)と宣言しているが、そうしたジコチュウ的な対日戦勝史観は韓国社会に「日本何するものぞ」という意気揚々、威猛々しい雰囲気を生んでおり、日韓関係をいっそう困難にしている。

 たとえば対日戦勝気分はGSOMIA破棄問題やレーダー照射事件のような防衛・軍事問題にまで“ケンカ腰“となって現れているのだが、軍事問題におけるこうした感情傾斜は偶発性を伴うためきわめて危うい。「この危うさは対中関係以上かも知れない」というのが筆者の危惧するところだ。これは何としてもしっかり“管理“されなければならない。

“歴史まみれ”の韓国と“歴史離れ”の日本

 韓国の対日外交は相変わらず“歴史まみれ”だが、遠慮・配慮抜きで対韓制裁にまで踏み出した日本は逆に「もういい加減にしろ」と“歴史離れ”しつつある。昨年の日本の対韓外交は結果的に韓国の“歴史のワナ”にはまった感じがなくはなかったが、歴史を負い目にした遠慮・配慮はもうない――つまり「日本は変わった」ことを強力に印象付ける効果はあった。

 日本にとっては今後とも韓国の対日“歴史カード”をいかに無力化するかが鍵だが、そのためには「日本はもうこれまでの日本ではない」ということを引き続き見せることが必要となる。

 韓国は大きくて強い立派な国なのだから特別な配慮や遠慮は不必要であり、対等な相手として国際的慣例や常識にしたがって淡々と対応するということだろう。韓国世論には“対日視野狭窄”ではなく国際基準に沿った“国の品格”を期待するしかない――新著ではそんなことを訴えている。

 黒田氏が、韓国の成均館大学の李大根名誉教授に行ったインタビュー「徴用工に日本が補償する道理はない」は、「文藝春秋」9月号および「文藝春秋digital」に掲載されています。

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(黒田 勝弘/文藝春秋 2020年9月号)

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