記事

「アベが代われば…」韓国世論が“安倍首相の健康問題”に異様な関心を示す理由 終わらない“被害者ビジネス” - 黒田 勝弘

1/2

 最悪といわれる日韓関係の背景には日本の変化がある。これまでの日韓関係というのは、韓国が日本に対し不満や要求、怒り、批判をぶつけることで対立する構図だったのが、最近はそれが逆になったのだ。

 今や日本が韓国に対し不満や怒りをつのらせ批判、非難が広がっているのだ。その日本の変化の背景は、韓国で執拗に繰り返される反日現象に対する日本世論の「またか、いい加減にしろ!」という不満、怒り、つまり反韓・嫌韓感情である。

関係悪化は「アベのせい」と思い込んでいる

 これは過去にはなかった日韓関係の新しい構図である。この新しい構図の日韓関係の今後を考えようとしたのが筆者の新著『反日vs.反韓―対立激化の深層』(角川新書)である。この本では新しい視点として「日本人の対韓被害意識」ということを、歴史を遡りながら提示させてもらった。

安倍晋三首相 ©AFLO

 最近の日本世論の反韓・嫌韓感情には「日本は韓国によっておとしめられている」という被害感情が明らかにある。

 ところが日韓関係の悪化について韓国世論はひたすら「アベのせい」と思い込んでいる。その結果、直近の風景でいえば「アベが代われば日韓関係はよくなる」といわんばかりに安倍首相の健康問題に異様な関心を示している。「原因と結果」を取り違えた大いなる対日勘違いは深刻である。

日本向け“被害者ビジネス”

 この誤解は日ごろの韓国メディアの対日偏向報道の結果だが、韓国世論では日本世論が韓国に対し怒っている現状と理由はまったく理解されていない。まして日本人の対韓被害意識など思いもつかない。朴槿恵・前大統領など「被害・加害の歴史は1000年経っても変わらない」などといって日本向け“被害者ビジネス”を語っていたぐらいだから。

 ところが一方で、韓国人、とくにメディアや知識人は日ごろ「国際関係には永遠の友も永遠の敵もない」というセリフを好んで使いたがる。敵味方はいつでも変わりうるということで、この地の国際関係論の“目ざとさ”を自慢(?)しているのだが、とすると加害者・被害者の構図も変わりうるのだ。

歪んだ「対日戦勝史観」が広がっている

 韓国は長年、日本に対しては“被害者ビジネス”に慣れ親しんできたため、自らの加害性には思いが及ばない。だから日本に対しては何をいっても、何をしても許されるという「反日無罪」「愛国無罪」がまかり通ってきた。国際社会での“告げ口外交”や、ことあるごとに日本の足を引っ張る言動もそうだ。

 たとえば東京オリンピックに対する“フクシマ風評被害”の流布や、パラリンピック金メダルのデザインに対する“旭日旗イチャモン”など、度を越えた反日パフォーマンスは日本人の反韓・嫌韓感情を確実に刺激している。

 韓国側の過剰な反日現象の背景には近年、韓国社会における“歴史歪曲”としての「対日戦勝史観」の広がりがある。とくに「3・1独立運動100周年」だった昨年は官民挙げて「日本とは戦って勝った」「日本何するものぞ」の気分にあふれ、貿易管理問題も不買運動も「抗日戦争」として反日世論動員が行われた。

あわせて読みたい

「日韓関係」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    枝野氏は共産党と組む覚悟が必要

    毒蝮三太夫

  2. 2

    GoToで客殺到 高級ホテル避けよ

    内藤忍

  3. 3

    「時代劇」半沢直樹を楽しむ方法

    大関暁夫

  4. 4

    枝野氏のデジタル化批判は的外れ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  5. 5

    風俗に「堕ちる」女性たちの事情

    NEWSポストセブン

  6. 6

    「酷くなる」望月氏が菅政権危惧

    たかまつなな

  7. 7

    靖国参拝は「韓国への迎合不要」

    深谷隆司

  8. 8

    児嶋一哉 半沢俳優陣はバケもん

    マイナビニュース

  9. 9

    芸能界で続く謎の自殺 ケア急げ

    渡邉裕二

  10. 10

    貧乳OK巨乳NG 仏美術館で騒動に

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。