- 2020年08月26日 10:43
コロナで変わるオフィスと働き方
1/2安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・新型コロナ感染症拡大で「テレワーク」が一気に拡大。
・しかし、非常事態宣言解除後は「オフィス回帰」も。
・ウィズ・コロナの時代は「オフィスワーク」と「テレワーク」が共存する。
■ コロナで急増「テレワーク」
2020年、年が明けた時、誰が想像しただろうか。今のこの状況を。
新型コロナ感染症の拡大で、私たちの環境は一変してしまった。
特に大きく変わったのは「働く環境」であろう。3月頃から「テレワーク」があっという間に広がり、東京都が都内の企業(従業員30人以上)を調査したところ、緊急事態宣言が出た4月上旬には「テレワーク」導入率が24%から62.7%に跳ね上がった。
この頃から、新聞には、スタートアップ企業を中心にオフィスの解約が相次ぐ、との見出しが目につくようになった。
印刷・流通大手のラクスル株式会社は、新しいワークスタイル導入に伴い、7月に五反田オフィスを解約し、東京都目黒駅に構える本社を中心にビジネス展開を継続することを決定した。代表取締役社長CEOの松本恭攝氏は、ホームページにて「アフターコロナの時代において在宅と出社の業務バランスの最適化を図り、生産性の高いワークスタイルを確立していくことで、柔軟で働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。」と述べている。
ビルディンググループが提供するデータによると、2020年1月頃から7月にかけて、主要都市事務所の空室率が増加している。
東京都でみると、空室率平均値の推移は、1月が1.72%で7月は2.66%と0.94%上昇している。
■ オフィス回帰の動き
こうした状況が今後も続くかどうかは不透明だ。実際、非常事態宣言が解除されると、オフィスに出勤するビジネスマンの数は増えた。電車の混雑具合も目に見えて増えている。「テレワーク」は一時的なものだったのだろうか?
日本生産性本部の調べ(2020年7月6日~7日、インターネットで実施、1100人から回答)によると、緊急事態宣言解除後、テレワークの実施率は20.2%と、緊急事態宣言下の5月調査時(31.5%)と比べ低下した。「テレワーク」率が一気に2割に下がった事になる。
また、パーソル総合研究所の調べでも、緊急事態宣言解除後、正社員のテレワーク実施率は、全国平均で25.7%となり、4月中旬の27.9%から2.2ポイント減少した。
「オフィス回帰」が起きた原因には色々なものがあると思われるが、
・自宅のWi-Fi環境が整っていなかった
・自宅にPCがない
・家で作業するスペースがない
・子供がいるので集中できない
・上司が出社を求めてくる
・サインや捺印しなければならない書類がある
・社内のデータに家からアクセス出来ない
・テレワークのシステムを使いこなせない
などが上げられている。
また、企業側からしてみると
・部下が仕事をしているかどうか管理が難しい
・オンラインミーティングだといちいち予約するのが面倒くさい。
・オンラインミーティングのシステムに予約が殺到し、やりたいときに出来ない
・職場での打ち合わせが出来ず、意志の疎通が滞る
・セキュリティシステムが確保できない
等の理由も聞かれた。
ハードの面で仕方なく、オフィス回帰が行われている側面もあろうが、ウィズ・コロナの時代、新しいオフィス環境と新しい働き方が模索されるべきだろう。
こうした中、海外でもオフィス回帰の動きが出始めている。
GAFA(Google,Apple,Facebok,amazon)を見てみると、意外なことに、彼らの判断も揺れているようだ。
ツイッターやスラック・テクノロジーズなどは社員に無期限の在宅勤務を認めているが、物流部門を持つアマゾンは出社を前提にデータサイエンティストなどの高度人材の採用を強化している。又、実店舗を持つアップルもオフィス勤務に従業員を戻す計画だという。








