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ワシントン・ポストが”テレビ”ニュースに進出

実は先週木曜日から米国の一流紙ワシントン・ポスト(WaPo)が、「The Fold」というニュース番組を始めていました。月〜金に週5日の夕方6時ころに流れます。木、金の様子を見ていましたが、結構、興味を引くラインアップになっているようです。

例えば、今日9日午前にWaPoのサイトにある「The Fold」の画面を開き、「Latest」のボタンを押しましたら、まず、<What is The Fold>という1分足らずの案内ビデオが流れました。そこで、番組ホストのBrook Silva-Bragaが「新聞でもなく、テレビのイブニングニュースでもなく、ウェブ番組でもない」と語ります。

それからあとは実際の番組で、最初にオハイオ州立大学のビデオゲーム風マーチングバンドのビデオと指導者の解説(6分弱)、ロムニー候補の外交演説についてポスト紙の3人の外報デスクのコメント(2分半)、大統領選後の米国経済政策についてムーディズのチーフエコノミストとホストとのスタジオ対談(5分弱)と続きます。

その後は、その日の主要ニュースをコンパクトにまとめた「6Degrees of news」(この日は、ベネズエラ大統領選、シカゴ・マラソン、ノーベル賞、キャメロン英首相がtwitter、民間宇宙船打ち上げなどで2分弱)、精神疾患で下院議員を辞め、再起を期す、エドワード・ケネディ氏の息子、パトリック・ケネディ氏との対談(5分半)、そして、The Foldスタート時の目玉だったキッシンジャー元国務長官へのインタビューの拡大版(15分弱)が流れました。これは、当初は5分にまとめたものだったのが、話題になったのでフルバージョンにしたものです。ケネディ氏、キッシンジャー氏とも、WaPo編集局内に設けたガラス張りスタジオでの収録です。

そして、最後は、球団史上初のポスト・シーズン出場を決めたMLBワシントン・ナショナルズについて担当記者2人がお気に入りのシーンをビデオ、写真を交えて語り合う(7分半)という、実に濃い番組編成。番組の間に最初のスポンサーになったゼロックスの15秒CMが入りますので、通しで見ると40分ほどになります。ボリュームも内容もネットワークテレビのニュース番組に匹敵しそうです。

そうです。実はこの番組はテレビで視聴されることを前提に作ったのだそうです。と、いっても普通のテレビではなくGoogle TV向けなのです。なぜ、ウェブやモバイル向けでなくテレビ端末向けなのか? これを取り上げたAll Thing Digitalの記事によると WaPoのCDO( chief digital officer )であるVijay Ravindran氏はこう答えたそうです。

“While laptops and desktops are under siege because of today’s mobile-first attitude, the lean-back, six-foot experience of the TV isn’t going anywhere,”

意訳すればこうでしょうか。「パソコンはいまやmobile第一の流れに押されてるのに、ゆったり座って6フィート先のテレビを見ることは廃れてないからだ

そこで、WaPoはGoogleTV向けのアプリ<Post TV>を提供し、視聴者はこれを入手すればテレビ端末でゆったりと見られ、同時に、アンドロイドタブレットでも見られるそうです。また、同一の内容は、WaPoのサイト内にもアップされますので、当方も内容を確認できたわけです。

また、デジタルの特徴として、先に紹介した内容を、テレビ番組を見るように、順番に見る必要はありません。GoogleTVの画面を確認したわけではありませんが、WaPoのサイトの画面では、各々の内容が小さな画面で表示されていますので、たとえば、今日の主なニュースのヘッドラインを手早く知りたいなら<6degrees of news>の画面を押せばいいし、キッシンジャー氏の話を聞きたければ、それを選べばいいのです。

WaPo自身の紹介記事によると、GoogleTV向けアプリ<Post TV>を入れたテレビでは、<The Fold>の内容に加えて、<6degrees of news>よりさらにコンパクトな<News in 59 Seconds>、大統領選を追う< Trail Mix >、WaPoのビデオジャーナリスト陣による短編ドキュメンタリー<Special Reports>なども提供するということです。

こんな風にビデオニュースに力を入れる理由について、上級副社長でもある、先のVijay Ravindran・CDOは自社の記事ではこう言っています。“The connected TV marketplace is burgeoning. We saw a perfect opening for cross-platform high quality video content that could be seamlessly accessed from TV, tablet, and desktop,”

「(GoogleTVのような)Connectedテレビ市場は急成長している。テレビ、タブレット、パソコンからシームレスにアクセス出来るプラットフォームを越えた高品質ビデオコンテンツの完璧な始まりを我々は見たのだ」

サイトの充実ぶりではニューヨーク・タイムズも素晴らしいですが、WaPoは以前から、動画に力を入れていて、レベルの高さには定評が、例えば、ホワイトハウス報道写真家協会のコンテストでは、テレビ局と同列で競っても全く負けていません。それだけ、ビデオジャーナリストを育ててきたことが新たな挑戦に繋がっているのでしょう。ただし、ちょっと古いですが今年2月のGIGAOMの記事によると、使われているGoogleTVのセットトップボックスは100万台に達していないというのが気がかりですが。

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