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自宅にいながらママと乾杯!未経験者も呼び込む「オンラインスナック横丁」の魅力【止まり木の盛り場学 第8回】

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きっかけはママからの相談 スナック街をネット上に立ち上げるまで

全国のスナックを巡るようになると、ウェブメディアでスナックの魅力を伝える連載まで持つことになった五十嵐さん。女性ビギナーのためにスナック入門書のような冊子を作ったり、実際に出向いた店も500軒を数えた。今年に入っても店を巡っていたが、コロナ禍がやってくる。

スナックビギナーの女性などでも楽しめるよう、小冊子も作っている五十嵐さん。

横田 さて、「オンラインスナック横丁」立ち上げについてですが、きっかけは?

五十嵐 緊急事態宣言(4月7日)が発令されると、全国のママから電話やメールが来るようになって。「あなた、IT企業にいたんでしょ?この状況を回避する方法ないかしら」といった相談が多かったです。そこから「3密」を回避してママ達が接客できるオンラインスナックについて色々調べました。先行してサービス展開しているところもあったのですが、実店舗を持たない企画モノ、投げ銭での決済方法がメインでした。ただ、投げ銭はどうやらグレーのようなので、入場チケットを販売する形にしました。あとスナックといえばカラオケ!と思い、カラオケ事業各社に協力を依頼したのですが腰が重く時間ばかり過ぎていくので、スピードを第一優先に動こう、そう思ったのが5月1日です。

渡辺 早い!!「オンラインスナック横丁」さんのサイトは、既存のインスタントECといったプラットフォームを利用しているのではなく、フルスクラッチで作っていますよね。一ヶ月でそこまでやったのですね。

横田 ネット横丁は、思いついた人は結構いたかもしれません。でもシステム作りと出店者との折衝も同時にやって、改良しながら現実的に「横丁」を運営した人はいなかったと思います。しかもリリースは5月半ばですよね?

五十嵐 はい、5月14日、まずは8店舗でスタートしました。二週間はロクに寝ないで準備しましたね(笑)いくつかシステム的に問題点はありましたが、それもクリアしました。

「オンラインスナック横丁」https://snackyokocho.com/のトップページ。スナック好きの呑兵衛には誘蛾灯にしか見えない……

渡辺 (ECサイトの)既存のサービスを組み合わせるのではなくて、一から自前で用意したところに驚きました。それも二週間で。

五十嵐 色々なサービスの組み合わせも考えましたが、それだと複雑になって「ママが使えない」と思ったんです。正直、お客さんよりママたちの使い勝手を考えた結果ですね。泥酔したお客様の対応とかは心がけました。ママを守る仕組みですね。それでも最初はトラブルもありました。

横田 いまは数も増えて、ママさんもかなり色々な地域から出店されていますよね?

五十嵐 38店舗に拡大しています。参加希望の申請は200以上来ていますよ。面白いのは海外からも申請がくるところです。いまでは、ロシアはモスクワ、アメリカはニューヨークのスナックも加盟しているんですよ。

渡辺 主要な利用者層は女性が30〜40代、男性が40代〜50代、さらに多くがスナック未経験とのことですが、お客さんは何に惹かれて、オンラインスナックを利用するのでしょうか?

五十嵐 いわゆるエンタテインメント性に惹かれてやって来ると思います。経験がないからこそ行って見たい!みたいな。そうした好奇心は特に女性に顕著です。女性の場合、定番の恋愛話で盛り上がっているのかと思いきや、地元ネタや観光情報で盛り上がっているんですよね。「今度、旅行するときどこがオススメですか?」「隠れたオススメ・スポット教えて」とか。ママが地元のエバンジェリスト的な存在になっている。

利用したい日時を選択し、決済。当日、オンライン上でママとのコミュニケーションを楽しむ。スケジューリングとオンライン決済、ビデオミーティングなど今どきらしいITが融合したサービス

渡辺 楽しみ方に性差があるんですね。

五十嵐 ありますね〜!(笑) 女性はママからしらない情報や新しい情報を引き出そうとしたり。一方男性は「生活がつらい」「仕事が大変」とか性差は顕著ですね。オープンから3ヵ月経ちましたが、オンラインスナック横丁でスナック体験した女性客が実際のお店に来店した、という話も聞くようになりました。女性は積極的ですよね。

横田 リアルな店舗とまったく同じですね。女性客はママを「信頼できるお姉さん」として捉え、男性客は「お母さん」として捉える、という傾向はあると思いますが、ネット上でもそこは同じなのかな。

渡辺 私は男性の気持ち、凄く共感しちゃいますね〜。後ろ向き&アウトプット型。ママさんは何でも優しく聞いてくれるから、つい愚痴っちゃうんだよな〜。やっぱり、ママさんによっては、恋愛相談が巧いとか、男性の愚痴を聞くのが巧いとか、はたまた地元グルメの話が得意とか、オンラインでもキャラクターが表れてくるものですか?

五十嵐 ありますよね〜。例えば銀座や六本木のママは、土地柄か社会的地位のある男性をお客さんとしていることも多くて、そうなるとビジネスの悩みや愚痴を巧く受け止めるスキルをお持ちです。しかも、ただの聞き上手ではなくて、「大丈夫よ!こうしなさいよ!」みたいに最後は背中を押してくれる。地方では、その土地の方言をあえて使ったり、ミニ観光ツアーをしたり、話しやすい雰囲気を醸成して日常的な会話で盛り上がっている傾向が強いかも。

サイト内には、キャラクターの際立ったママたちが並ぶ。

渡辺 土地柄が現れてますね〜・・・!

五十嵐 盛り上がってくるとあっという間に時間が過ぎちゃうので、皆さん追加延長してくれる。ママの戦略ですかね(笑)

渡辺 なんというか、ここまでリアルとオンラインの境目が薄くなっているとは想像しませんでした。

五十嵐 う〜ん・・・最初、実は私もリアルとオンラインの棲み分け、関係性がどうなるか読めずに悩みました。今となってはリアルがあってのオンラインと思っています。オンラインはハブ、架け橋にしか過ぎなくて。最終的には「リアルな店舗へ行こう!」とならないと、結局のところ継続性が生まれなくて、スナックの支えにはならないんじゃないかって。

横田 やはり日本のどこかに、このスナックのカウンターがあるんだ、そこには実際に客が並んで飲んでいて、その空間に自宅から入り込めるんだ、昼の社会から逃げ込めるんだ、という裏打ちがあってこそ面白いのであって。レンタルルームなんかからオンラインでマンツーマンで会話しても面白くないですよね。

五十嵐 そうそう!私が以前いた旅行業界では「着地型」というんですが、オンラインは飛行機のようなある種の移動手段であって、最終的には、現地のスナックに誘引していきたいですね。

横田・渡辺 そろそろお時間のようです。今日はありがとうございました。いずれ、どこかスナックいきましょう!

五十嵐 ぜひとも!

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