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自宅にいながらママと乾杯!未経験者も呼び込む「オンラインスナック横丁」の魅力【止まり木の盛り場学 第8回】

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惑わぬはずが惑いまくる「40男」コンビが昭和の盛り場の現在を伝える人気連載「止まり木の盛り場学」。新型コロナ下ではなかなか取材先に足を向けることのできなかった2人ですが、インターネットを駆使して「オンラインスナック横丁」なるものを発見。創設者の五十嵐真由子さんにお話を伺いました。

冷えたビールが最高の季節が来てもなお、出口の見えないコロナ禍のトンネル。特に、「夜の街」と表現され、名指しされる接待を伴う飲食店や、深夜営業を行う飲食店は暗闇から抜けられないでいる。

渡辺 横田さん、最近一緒にスナック行けてないですね。私は馴染みのところに、一人で、短時間顔を出す、という感じですね。

横田 そうですね、私もママの顔を見て少し飲んで、1セットだけで店を出る、という感じです。カラオケは積極的にすすめなくなっているママもいますよね・・・。でもこんな時代にめげずに、ママたちをサポートしつつ、新しい客層をも呼び込んでいる仕掛け人がいるようですね。

渡辺 そうそう、その名も「オンラインスナック横丁」!

窮状を少しでも救うべく、withコロナ時代ならではの、新しい水商売サービスが生まれている。全国のスナックと利用客をオンラインでつなぎ、〝新しいスナック様式〟を提案するサービス「オンラインスナック横丁」だ。全国津々浦々、これまでに約500軒ものスナックを巡り、自身も「スナ女」を名乗って活動する五十嵐真由子氏が立ち上げたサービス。

止まり木を失くした40男の2人には、まさにwithコロナ時代の駆け込み寺、いや駆け込みスナック。行きたい店へ、逢いたいママさんと、いつでもどこでも・・・♡ スナック界の黒船到来!早速、横田と渡辺は五十嵐氏に取材を申し込んだのだった。

オンラインスナック横丁を立ち上げた五十嵐真由子さん

渡辺 こんにちは〜。スナックで千昌夫を熱唱できなくて難儀しておる者です・・・。

横田 あれほど熱唱を繰り返したロンリーチャップリンの歌詞を忘れそうになる日が来るとは思わなかった中年です!今日はよろしくお願いします。

五十嵐真由子さん(以下、五十嵐) 苦笑・・・

オンラインスナック仕掛け人が、リアルスナックにハマったワケ

横田 五十嵐さんは全国500軒ものスナックを巡ってるとか・・・・相当なヘビーユーザーですね。キッカケは?

五十嵐 前職、楽天トラベルという旅行会社にいたんですが、岐阜県の下呂温泉に企画提案で出張に訪れた際、ある旅館オーナーから「東京のIT会社から来たやつが下呂温泉の地域の何をしってるんだ」って鋭く突っ込まれまして。当時、地方でITという言葉への拒否反応から敵対心を持つ宿も多かったので(笑)。で、悩みつつ、たまたま乗った現地のタクシーの運転手さんに打ち明けたら「ただ一つのいい方法がある。『スナックに行け』」と。

渡辺 北方謙三ばりのアドバイスですね。

五十嵐 今はもう、そのお店はなくなってしまったんですが、教えられるままにスナックにお伺いしたら、地元のPTA会長さんや温泉会長さんはじめ、地元の重鎮さんたちがいて。今思えば、運転手さんとスナックのママさんが段取ってくれたんだと思うんです。

東京から来た一見客に、温泉地の歴史や観光業の現状、最近の客層など、様々な情報を惜しむことなく教えてくれました。その後は、酒を酌み交わしながら、結局深夜1時くらいまで盛り上がり、ママがホテルまで送ってくれたんです。そして翌朝、ホテルのチェックアウトの時間に合わせて、ママがおにぎりを持ってきてくれて。もう驚きです。昨日まで怖い顔していた旅館のオーナーに昨晩のスナックでの出来事を話すと「お前、よく女一人でスナック行ったな~」と笑顔になって、コミュニケーションも滑らかになったんですよ。そんな盛り盛りのドラマチックな出来事を体験してしまったもので、ストーリーを感じた・・・というのが縁ですね。

横田 それまでもバーや居酒屋など、飲むこと自体はお好きだった?

五十嵐 そうですね。でもスナックは経験がなくて。さすがにあの重いドアを開ける勇気はなかった(笑)。でも、勇気を持って女一人で扉を開けた方が、ママや常連さんも快く受け入れてくれるんですよね。

どんな地方に出かけてもスナックはある。その面白さを40男2人も常々感じ、訴えてきた。

横田 私たちもこうした仕事をしている関係で、地方に取材に行ったとき、よくスナックにお世話になるんですが、五十嵐さんみたいに若い女性が、いきなり旅先でスナックに飛び込んで、年も離れたママさんにお世話になるのって、抵抗はないものなんですか?

五十嵐 いやいやいや〜、ありました!出張する場所が観光地や温泉地なので、地元の常連さんの結束が強いところとか、よそ者感をひしひしと感じるところとか、常連さんに説教されるとか、ハードルの高い店が多かったのも実情です。

最初の5~6年はいきなり扉を開けるのではなく、1件目の食事処で女性1人でも安心して入れるスナックを紹介してもらっていました。軒数を重ねてくると、だんだんとスナックに怖い人っていないんだとか、ママさんもウェルカムの姿勢なんだなってことも分かってきて。

渡辺 スナックは店それぞれにカラーが違うと思いますが、それだけ全国を巡っていると、変わった体験をされたこともあったのではないでしょうか。

五十嵐 当時女性一人客は珍しかったので、女性客というだけで警戒されることも多かったんですよ。「アルバイトの面接してないよ!」とか、「アンタ偵察ね?あの店のチーママでしょ」みたいな。地方のさびしい場所にある店にも女一人でいくから、勘違いされて「自殺者はお断りよ」みたいな罵声も浴びました(笑)。

渡辺 それでもスナックに入ってみたい、と思う理由は?

五十嵐 「トビラを開けてみないと分からないミステリアスな魅力」ですね。

横田・渡辺 わかる!

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