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▽ウポポイ視察

北海道白老を訪ねウポポイ(民族共生象徴空間)を視察して参りました。 様々な議論を醸し出しているこの施設。 国の予算がなんと200億円も付けられている国立民族博物館です。

この際、アイヌが先住民族であったかどうかと言うような議論に関しては私の持論もありますが、あえて先住民族であったと言うことを前提としての心構えで、見学させていただきました。

結論から申し上げると、先住民族であると言うアイヌ文化を紹介する博物館の展示物にしては、歴史的検証がなされたとは言えないようなものばかりであり、国立民族学博物館としてはいかがなものかと、疑問符を打たざるを得ない印象を持ちました。

いくつかの根拠がありますが、最も象徴的なのはまず展示物の新しさです。 説明書きをチェックしながら、私が記憶した限りでは、最も古い展示物は1980年代のものが数点。 展示物ほとんどが2000年代に作られたもの、あるいは2017,18,20年頃、つまり最近作られたものばかりなのです。

新しいものを展示することに私は反対をするものではありません。 しかし先住民族であるならば、古くから伝えられた展示物、歴史的検証価値のあるものが展示されて然るべきと思うのですが、一切そのような展示物は見当たりませんでした。

穿った見方をすれば、「新しいものしかないのかもしれない」などとも考えてしまうような展示です。 ぜひともアイヌ民族が先住民族であると言うことを歴史的に科学的に見学者が理解することのできるような展示物を示してほしいと心から願っております。

もちろん古い時代の展示物もありました。しかしこれは一般に日本の古い時代に当たり前に存在していた食器や農具などであり、アイヌ民族だけが使っていたものであると言う但し書きすらない展示物ばかりの印象でした。

アイヌ文化を継承発展させようとする活動の調査、検査についても然り。 大きな立派なガラスケースの中に収められた資料を見ますと、極最近のイベントのポスターの様なものばかりなのです。 果たしてこのような立派な陳列ケースの中に入れるような資料なのでしょうか。

これまでの脈々と続いてきた文化継承の歴史がある筈なので、今回期待したいと思います。アイヌ民族と江戸時代の武士との交流についての資料がありそうなものですが、これも全く陳列されておりませんでした。

今回の視察では、仙台藩白老陣屋跡資料館も視察してきました。 幕末、白老から東へ北方領土にかけて、なんと仙台藩が外敵から守るため安全保障上の陣を構えていたのです。

そして、あまりにもの寒さに耐えかね地域地域に住んでいたアイヌの方々から生活の知恵を貰いながら、武士達はアイヌと多くの交流をしてきたと資料館に展示されております。 ウポポイ博物館には江戸時代から伝えられる資料は全く展示されておりませんでした。

と、同時に、このような幕府との関係についても全く展示されておりませんでした。そして気になることがもう1つ。 展示された資料にはその多くには所有者がいるのです。

国立民族博物館ですから、博物館が自ら所有していたり、あるいは所有者が寄贈していたりするのが普通だと思うのですが、当該博物館所有の展示物が全くありません。 まさか、所有者に対して貸出料等を支払っていないかどうか?などと疑ってしまいたくもなるのです。

特別展示室。先住民族であるアイヌ民族に関する何か特別なテーマを取り上げた特別展示なのかと思いきや、現在アイヌ文化に取り組んでいる現代人の日常生活を展示したものです。 この方々がアイヌの子孫なのかどうかも明確ではありません。

中にはアイヌ文化振興に取り組んでいる方が日頃なりわいとしている職業についての展示などもあり、その展示コンセプトが全く理解できません。 今後どのような特別展示が行われるのか興味津々であります。

いやしくも国立民族博物館です。 大切な民族の伝統歴史文化が見学者に浸透するような運営でなければならないはずです。そのためにも博物館の運営にはまだまだ改善が必要だと認識をしました。

お金のことを、あまり言いたくありませんが入場料は1200円です。 それに値する博物館なのかと言うことについては専門家の議論に委ねたいと思いますが、少なくとも文化歴史の素人である私が一般人として見学をして得た感想としては「値しない」と思っています。

歴史的な文化の重み、深み、そこから派生する人々の生活が全くイメージされる事はありませんでした。国立の施設として多額の税金を投じたからには、今後とも施設に対する検証を継続していく必要があります。

歴史の真実を継承していくためにも、あらゆる民族の文化を大切にしていくためにも、今回の気づきをもとにフォローしていきたいと思います。今回は中国資本により買収された土地についても何箇所か視察をしてまいりました。 この件につきましてもまた改めて報告をさせていただきます。

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