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カジサック、中田敦彦、秋元康…第一線で活躍する人から学ぶ適材適所のススメ

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コロナ禍で働き方改革が強制的に進んだ今こそ、適材適所を意識した働き方・生き方をするべきなのかもしれません。芸能界、放送業界で自分の才能を120%発揮できる場所を見つけた人はどんな思考をしているのか、考察してみました。


放送作家の深田憲作です。

突然ですが、あなたは天才ではありませんよね? もちろん、僕も天才ではありません。むしろ天才だったことは1度もないです。人生を振り返ると遊びも含めて、色々なことにチャレンジしてきました。剣道、水泳、将棋、けん玉、なわとび、卓球、野球、ボクシング、乗馬、放送作家…etc。

しかし、この中でただの1つも自分が天才的な才能を持っていたものはありませんでした。そりゃあそうです。その分野で1000人に1人、1万人に1人の才能を持つ者だけが「天才」と呼ばれるのですから。一生のうちで1つでも天才と呼ばれることに出会える人なんて滅多にいません。

それでもやはり天才に憧れませんか? 僕はまだ天才に夢を見ています。

「自分でも天才になれるジャンルがこの世に1つくらいはあるのではないか?」「いや、天才とまではいかなくとも、今よりも自分が才能を発揮できる場所があるのではないか?」そんな微かな期待を胸の奥に秘めて生きています。

「適材適所」という言葉がありますが、世の中には身を置く場所を変えることで突如として才能を発揮して躍進を遂げる人がいます。だから、僕もみなさんもまだ天才を諦めるべきではないと思います。

人生100年時代、色々なことにチャレンジする時間はあるはずです。チャレンジを続けていれば自分が今より輝ける場所が見つかるかもしれません。

そこで今回は、芸能界で適材適所を見つけた人たちというテーマでコラムをお送りします。

わずかな時間で的確なコメントを求められるタレント

BLOGOS編集部

近年の芸能界で言えば、YouTubeで凄まじい活躍を見せているカジサックことキングコング梶原雄太さんは、身を置く場所を変えたことで躍進を遂げた象徴的な存在です。

大人数のタレントが座る、いわゆる“ひな壇番組”での立ち振る舞いが苦手だという梶原さんにとって、1人で画面と時間を占有できるYouTubeという場所が「適所」でした。

この10年、テレビにおけるタレントの役割は、与えられたわずかな時間で的確なコメントをして、番組を面白くすることが主流でした。1時間番組でMC以外のタレントに与えられる時間はわずか数分。その短い時間で番組に面白さや価値を乗せなければいけない。それが出来るタレントが売れっ子となり、「面白い」という認知をされてきました。ショートタイムを制する者がテレビを制してきたわけです。

しかし、当然ながら芸人にも様々なタイプがあり、長い時間の持ち場を与えられて本領を発揮する芸人もいます。例えば、カジサックさんと同じくYouTubeで成功を収めているオリエンタルラジオ中田敦彦さんは、ひな壇の出演者としても十分に優秀なタレントでした。しかし、中田さんがテレビで最も能力を発揮していたのはひな壇ではなく、中田さんが1人で行うプレゼン。番組でいうと『アメトーーク!』『しくじり先生 俺みたいになるな!!』『やりすぎ都市伝説』です。

特に『しくじり先生』の授業で見せた中田さんのプレゼンは圧巻の一言。スピード感のあるしゃべり、分かりやすさと笑いを兼ね備えた言葉選び、見る者を熱くさせる熱量。中田さんのプレゼン力は群雄割拠の芸人界でも突出したレベルにあると思います。

しかし、中田さんが長尺を与えられてプレゼンできる番組は地上波のテレビにそう多くはありません。プレゼン力が最大限に発揮でき、自分の意志で毎日表現が出来る場所がYouTubeだったのでしょう。

他にもYouTubeで人気を博している江頭2:50さん、ヒロシさん、小説で芥川賞を受賞したピース又吉直樹さん、絵本やオンラインサロンなどで成功を収めているキングコング西野亮廣さんなど、テレビ以外で活躍を見せる芸人はたくさんいます。しかし、僕は放送作家なので、ここからはテレビの放送作家から身を置く場所を移して活躍している方々のお話をしていきたいと思います。

秋元康が失敗を恐れない理由

BLOGOS編集部

放送作家から転身して活躍している代表格と言えば秋元康さんです。30代以下にとってはAKB48グループや坂道グループのプロデューサーというイメージが強いと思いますが、秋元さんは17歳の時にラジオの放送作家としてキャリアをスタートさせています。

秋元さんはメディアで肩書を出す時は「作詞家」としていますし、作詞がメインのイメージが強いと思いますが、実に様々なジャンルでお仕事をされています。
映画の監督・脚本、舞台のプロデュース、アニメの企画・原作、ゲームの企画・プロデュース、CMの宣伝戦略、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事などなど。

映画化もされたホラー小説シリーズ『着信アリ』、テレビドラマ『あなたの番です』、湯川専務の起用で話題となったゲーム機・ドリームキャストのCMなど、世間的には様々なジャンルで成功を収めているように見えます。

僕は秋元さんに取材をしたことがありますが「自分では作詞以外は当てていないと思っている」とおっしゃっていました。『川の流れのように』で美空ひばりさんに認めてもらえたという思いがあるため、メディアで肩書を出すときは「作詞家」としていますが、作詞以外では何も成し遂げたと思っていないそうです。秋元さんが1番輝ける場所は作詞というジャンルだったということなのでしょう。

そして、その時に僕はこんな質問もしました。
「それだけ色々なジャンルの仕事に挑戦されていますが、失敗は怖くないですか?」と。
秋元さんの答えは…「全然怖くない。だって失敗っていうのは誰も見てないから失敗なんだよ」「僕は7000曲以上、作詞していると思うけどヒットしていない曲が山ほどある。ヒットしてない曲、深田君も知らないでしょ? 知らないからヒットしてないんだよ」

この言葉に僕は震えました。野球で例えるなら、秋元さんは打率をあまり気にしていないようなのです。それよりも1本でも多くヒットやホームランを打つためにバットを振りにいく。その結果、空振りしてしまうかもしれないけど、空振りすることは全然怖くないし、空振りしたことはすぐ忘れるといいます。

野球の例えで思い出しましたが、イチローがこだわっていたのも打率よりも安打数でした。成功者に共通するマインドは、失敗をおそれずに積極的にスイングしにいくということなのかもしれません。

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