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働かざるもの食うべからずは正しいのか?

働かざるもの食うべからず!と言う人は多い。最近の一連の生活保護に関する報道もあってそういう主張は勢いを増しているようにも見える。まあ、正しいことだと思う。

一方で「グローバル化」、「大企業の搾取」、「金融緩和が足りない」などの理由を挙げて働く場所が減っていることを非難する人も多い。一部には「生産性の向上」のせいで働く場所が減って我々は貧しくなっているのだ。なんていうトンデモな主張までしばしば目にする。これは正しいのか?

我々がここ300年ほどで急速に豊かになった理由は生産性の向上が最も大きい。そもそも専業主婦なんてものは昔はいなかったわけで、そういうのが当たり前になったのも戦後の経済成長のおかげだとも言われる。

我々の労働時間もドンドン短くなっている。これは我々が怠け者になっているからだろうか?いや、そうではなくて生産性の向上でより短時間の勤務でより大きな成果が得られるようになっているから余った時間を余暇に当てるようになってきているからである。

要は、我々は究極的には働かずに食っていきたいと思っているのかもしれない。

だから、働かなくても食っていけるという現代の有り様は100年いや500年前の人からみたら非常にうらやましい状況といえるだろう。

もちろん、僕は「働かずに政府から金をもらって食っていく」ような生き方を賞賛しているのではない。が、政府から金をもらわなくても親の建てた立派な家に住みちょっとバイトでもやりながら生きていると言う人間が多い。この状態はまさにある意味では素晴らしい状態といえるのではないかと思うのである。

が、もちろん話はそれだけでは終わらない。今はそれでいいかもしれないが、勤労習慣を失った人間が増えていくと今度は経済は間違いなく衰退する。労働時間の減少もその原因だし優秀な労働力が減ることで生産性も低下するはずだ。

しかし、生産性をより向上させること。そして生産性の向上に胡坐をかかずに堪えず努力し生産性を挙げてさらに余暇の時間を増やしていくことができれば、働かなくても食える人というのはより多くなるはずだ。

矛盾しているようだが生産性の向上と経済力の向上は自然な形で働かない人・働かなくてもいい人を増やす。それは人間の幸せにもつながるということだ。

だが、問題は格差ガーなどと騒いでさらに政府から金をむしりとろうとする輩が数多くいることである。自由な選択の結果として自己責任で働かないのは決して悪いことではない。そういう人が増えるのはむしろ社会が豊かになった証拠なのだと僕は思う。が、政府にたかる人が増えてくると不自然な形で人々の勤労意欲が失われてしまう。不自然な勤労意欲の喪失はあるべき姿でない生産性の低下・労働時間の減少(=労働人口の低下)を導く。その結果我々の社会は貧しくなるだろう。

また、政府に職を与えろと迫るのも同様だ。働きたければ職は自分で作り出す・探すものである。政府が与える非効率な職は生産性を低下させかえって人々を不幸にする。その効率性の低い職のための給与は我々の税金から出ている。その税金を払うために普通に働いている人たちの労働時間はより長くなってしまうからだ。

働かざるもの食うべからずは正しい理念だと思う。が、だから働き口がないものに職を与えろと言ったりするのは間違いだ。同様に働かなくても食べられるようにと政府が金をたんまりと配るのも間違いだ。そして、生産性の向上を批判するのもお門違いだ。働かなくてもいい人が増えていく社会こそ本当に豊かな社会だと僕は思う。

※ただし、働かなくていい人が何もしない人と言う意味ではない。そういう人の多くはボランティアその他の活動をする可能性も高いだろう。いわゆる有償の仕事をする人という意味である。

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