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日本の研究体制は万全か

山中伸弥氏がノーベル医学生理学賞を受賞した。周辺国との関係がギクシャクしている時だから、余計に値打ちがある。小島の争いに没頭することなく、このような王道での競争をすべきだろう。

この点、山中氏は「国が研究を支えてくれた」と語ったとか。逆説的なコメントだったのかもしれない。

国がiPS細胞の研究に大きな予算を付けたことは確かだ。しかし、本当に万全の支援体制を敷いてきたのだろうか。iPS細胞の研究といえども、国の支援が永続する保証はなかった。予算の更新に向け、もしくは新たな財源の確保のため、研究のリーダーは相当の苦労をしているはずだ。もちろん、iPS細胞の研究は、今回の受賞によって当分安泰だろうが。

研究費の不安定さに加え、研究者の給与が問題である。前にも書いたように、アメリカと比べれば、非常に薄給である。いくらたくさんの研究費をもらったところで、それで個人の生活が潤うわけではない。そんなことをすれば牢屋行きだ。むしろ研究費が増えれば、研究のために自分の時間がなくなっていく。「好きで研究しているのだから」ということかもしれないが、では「好きで仕事をしていて、その対価が少ないとすれば、どのように思うか」と自分自身に問うてみよう。

日本の研究体制は非常に貧弱である。「好きで研究しているのだから」との発想が政府にも強いように思える。その結果、研究者はより良い研究環境を求め、海外に流れていく。悪貨は良貨を駆逐するというか、国外に追放し、国内を腐らせる。

10年後、20年後を考えた時、ここ最近のように、自然科学分野でノーベル賞を受賞する日本人が相次ぐのだろうか。教育や研究は、その成果が出るまで長期間を要する。後で気づいても、もはや取り返しがつかない。

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