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批判の声に言及した『24時間テレビ』 コロナ禍の開催意義をどう見せたか

“新しい日常での1回目”を掲げて放送された、今年の日本テレビ系大型特番『24時間テレビ43』(22~23日)。コロナ禍での開催に批判の声もあったが、それに対して例年になく向き合う姿勢を示しているのが、印象的な回となった。

『24時間テレビ』

■43回目にして新たな形の放送

今年は、メイン会場の東京・両国国技館を無観客にして対面募金を中止し、恒例のチャリティーマラソンも公道での実施を中止。奥行きのあるセットで出演者のソーシャルディスタンスを保ち、深夜帯は全面的に事前収録、その他の企画も収録素材やアーカイブ、リモートを活用するなど、43回目にして新たな形での放送となった。

メイン会場のスタッフの人数も例年の4分の1から5分の1に削減し、長時間コアで関わるスタッフはほぼ全員PCR検査を受けるなど、考えうるリスク対策をとっていたが、やはり開催に否定的な声はなくならない。

■出演者が次々に批判的論調に言及

『24時間テレビ』に対しては毎年、「偽善」などといった言葉が投げかけられてきたが、特に今年はコロナ禍で「動く」というテーマを掲げる以上、それを無視するわけにはいかなかった。

1周5kmのコースを走るごとに10万円寄付するという「募金ラン」を発案し、116kmを走破した高橋尚子さんは「偽善とか言われることもあるでしょうし、こんな時期にマラソンをやる必要あるのかとか、いろんなご意見があると思う」。

メインパーソナリティーの岸優太(King & Prince)とスペシャル歌舞伎を披露した市川海老蔵は「今年の24時間テレビは、“求めてる方は求めている。求めてない方は求めていない”」。

出演者のみならず、募金について発信していく「#さっしーと募金を考えてみた」コーナーの企画資料でも、「募金=堅苦しい・偽善っぽい・他人事…そんなイメージが、もしかしたらあるかもしれません」。

そして本番生放送の最後には、総合司会の羽鳥慎一が「今年の24時間テレビの開催については、いろいろな意見があったと思います」と、わざわざ番組が置かれている状況に言及した。

長年、『24時間テレビ』を視聴者として、取材者として見てきたが、批判的な論調について、ここまで番組内で触れることはなかった。放送中、これほどまでに「偽善」という言葉が聴こえてきたのは、初めてではないか。やはり今年の開催については、批判を受け止めないと大義名分が立たなかったのだ。

■チャリティーを強く打ち出すために

この状況で番組を成立させるには、チャリティー要素をいつも以上に強く打ち出していく必要がある。そこで、例年は互いの領域を分けていた番組制作のチームと、募金を担当する「公益財団法人24時間テレビチャリティー委員会」が、今年はいつにも増して連携を密にして取り組んだ。

憧れのアイドルに直接募金を渡すため、毎年メイン会場周辺には真夏の炎天下で長蛇の列ができていたが、今年は対面募金中止という事態になったことから、キャッシュレス募金をすると出演者から御礼のメッセージが届く「ありがとう動画」や、募金した人の顔が会場内にバーチャルで映し出されるシステムなどを導入。また、決済ページにアクセスできるQRコードを、放送中に随時画面上で表示した。

そして、寄付金の具体的な使い道として、新型コロナウイルスと闘う医療従事者に向け、アルコール消毒液3,500本、フェイスシールド、プラスチックガウンを送ることを何度も告知。

聞き慣れない「募金ラン」という手法に「意味が分からない」といった声が寄せられれば、実況アナウンサーが「海外では一般的です」という説明を中継のたびに行うなど、こうした部分でも批判に対応する姿勢を見せていた。

放送終了時点の募金額は、5億5,200万5,762円。昨年の同時点より、1億3,000万円ほど少ない金額だったが、これだけ大幅に募金システムが変更になった中で、関係者からは「健闘したのではないか」という声も聞かれた。

本番終了後、メインパーソナリティーのV6・井ノ原快彦は「この先の『24時間テレビ』が楽しみだなと個人的には思いました」と、次につながる手応えを語っていた。コロナの収束状況にもよるが、今回培ったノウハウを生かせる来年はどんな“新しい日常での2回目”となるのか、期待したい。

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