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CEATEC 2012

 CEATEC 2012に行ってきました。あんまり元気を感じないんです。なぜなんだろう。
 出展624社というのはリーマンショック前の3割減だそうで。折しも今回は日中関係の悪化に伴い、中国企業が22社が出展中止。海外からの出展はピークの半分以下だそうです。だけど、漂う秋風は出展数だけの問題じゃないですね。有力メーカの経営問題からくる停滞感もありましょう。そして、メディアの変動が踊り場にさしかかっているという点もあるのでしょう。
 過去3年のブログ日記を引っ張り出してみて、考えてみます。

2009
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2009/10/ceatec.html
 マルチメディア放送、3D、そして日産の「ぶつからないロボット・カー」がトピック。
 リーマンショック後ですが、日本企業が4割減る一方、韓国ブースが増加し、勢いの差をハッキリ感じました。攻め時の戦況の読み、と言いますか。

2010
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2010/10/ceatec2010.html
3Dオンパレード。メーカも通信会社も3D。全く関心がなく、ビジネスも来ないと見ていたぼくは別の領域に注目。1)融合デジタルサイネージ、2)スマート配信(電子書籍プラットフォーム)、3)ソーシャル視聴(放送マルチスクリーン)の3つ。特に、どのブースもサイネージ表示が進化してきたのと同時に、放送とSNSのつながりが出てきたこと。大きく動くことを予感させました。

2011
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/10/ceatec2011.html
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2011/10/ceatec2011_09.html
マルチデバイス、融合ネットワーク、ソーシャルサービスの3面同時構造変化がくっきり表れました。テレビ+タブレット+スマホで放送+twitterのモデルなど。さまざまな新型サイネージも。この年は、かなりワクワクしました。メディアが15~20年ぶりに次のステージに転換したぞ、と。震災後+原発対応ということで、省エネ、エコ、グリーンもテーマに。

 そこで2012です。眺めてみます。
リンク先を見るキーワードは「スマート」。 
スマートTV、スマート家電、スマートハウス、スマートストア、スマートシティ。 
通信・メーカともにスマート押しです。
例えば、茶の間のテレビ+スマホ、タブレットのマルチスクリーン。
日本型スマートテレビとして期待される形です。

リンク先を見る   スマートTVボックス。
 通信会社もテレビに力を入れます。 
 HTML5でのマルチディスプレイ連携。

 
リンク先を見る  スマート家電。
 白物も全部つながって、スマートハウスへ。
 総合家電メーカの苦悩が浮かびます。

リンク先を見る 東芝のスマートシティ:Community Energy Management System。
原発ゼロ問題に揺れる中、電力供給とITの結合に注目が集まります。

リンク先を見る つなぐ、という姿勢は鮮明になりました。
一方、0910と主役を張った3Dは勢いなく、 
4KSONY、東芝など少数。

 シャープのように高精細・大画面を突き進んだメーカが苦しんでいる一方、そうじゃない方向、スマホ、タブレットや電力管理のスマートメーターなど、小型のマルチデバイスをくっつけていく、それにソーシャルなサービスを重畳していく、というイメージがおぼろに浮き彫りになっていました。
 スマートはとりあえず呪文ですな。10年前の「e」のようなもの。フォンもテレビもハウスもシティも、とりあえずスマートつけときゃ安心、という風情。でもまだ実像はない。どれも前期印象派のぼんやりした筆致で、写実にはなっていません。まだ数ヶ月前の、放送局が軒を連ねるIMCやデジタルサイネージジャパンのほうが具体像が見えました。
 3面同時の構造変化は過去2年で明確になったものの、次のサービスとビジネスモデルの設計が追いつかず、そこにメーカの苦境、終わらない円高、国際摩擦、という濃い影が差し込んでしまったということなのでしょう。

リンク先を見る 他方、今回の主役はクルマでした。
ITとクルマの結合は10年来のテーマで、カーナビやら自動操縦やら、広がってきましたが、エネルギー問題のおかげでEVが仲立ち役になって、クルマそのものがクローズアップ。ITとEVをつなぐスマートシティの提案です。

リンク先を見る ま、クルマの業界のほうがおカネありますしね。

リンク先を見る 三菱。
EV+スマートテレビ+エネルギーです。

リンク先を見る 富士通。
全方位立体モニタシステム。

リンク先を見る そしてトヨタが初参加。
クルマと街と家の結合です。
人とクルマ、人と人がつながる。
クルマもソーシャルです。

 自動車産業がここに力を入れ、クルマが大きなスペースを占める。新しい風が吹いているようにも見えます。ただ、クルマはITのユーザ。結局、イノベーションはユーザからもたらされるのということなのでしょうか。ITやデジタルの業界がユーザに主導権を渡すということなのでしょうか。
 業界は自信がなく、踏み込むのか、様子見か、迷っている。ぼくにはなんとなくそんな感じに見えました。いや、実際はそんなことはない。ひょっとするとそれは、ぼく自身がITの次の展望に明確な実像を描けていない、その心象風景を投影させているだけ、ということなのかもしれません。

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