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なぜ「分党」なのか 〜 立憲民主党からの合流提案について

7月15日に、立憲民主党から我が党にいただいた合流提案を巡り、決断にいたる思いや経緯について、改めて説明しておきたいと思います。

円満に合流を進めるための「分党」

7月15日以降、両党の幹事長を中心に行われてきた合流協議に関して、8月11日に、平野幹事長から、規約・代表選規程・党名選定規程・綱領・政策等について、文書の形で報告を受けました。粘り強い交渉を行ってくれた平野幹事長や泉政調会長には改めて敬意と感謝の意を表したいと思います。

しかしながら、この規約・綱領案等に対しては、同日午後に開催された執行役員会でも、代表選や党名選挙のやり方、「改革中道」の文言がないこと、エネルギー政策などをめぐって異論が出ました。役員会メンバーの中でも反対が6、賛成が3で、原案のままでは、合流提案を両院議員総会に諮ることはできず、交渉を打ち切ってはどうかとの声さえ出ている状況でした。

しかし、この条件でも合流を臨む議員が衆議院を中心に多くいること、また、立憲民主党からは事実上11日の決断を求められていたことから、4時間を超える議論の結果、役員会として以下の方針を確認しました。

  • 両党を解散して新党を結成する合流提案(※1)に党として基本合意するが、合流しない(できない)議員のため、「分党」に必要な取り決めを分割協議会で行った上で解党の手続きを進める

※1 立憲民主党からの合流提案の内容(立憲民主党ホームページより)

【立憲・国民幹事長会談】両党解散し新党を、党名は立憲民主党(略称通称:民主党)を福山幹事長から提案(2020.7.15)

国民民主党との協議による綱領案、代表選規程案について記者団に説明(2020.8.11)

ただし、11日の役員会の後、「分党」については、政党要件を満たす議員がいるかどうか分からない段階で、「分党」ありきで議論しない方がいいとの意見も出たことから、18日に再度役員会を開催して文書の形で整理し直し、「提案事項(※2)を19日午前の役員会で再確認した上で、同日午後の両院議員総会に諮ることを決定しました。

※2 8月19日の両院議員総会における「提案事項」

政権交代に向けた新たな「大きな塊」を目指し、国民民主党と立憲民主党との間において、幹事長・政調会長間協議を重ねてきた結果、別紙の新党綱領案、新党規約案、新党代表・党名選挙規程案がまとまったことから、新党をつくることを承認するとともに、新党結党に向けて、最後まで国民民主党全員での新党への参加の努力を続け、全員参加が叶わない場合には、さらなる「大きな塊」に向け、円満かつ友好的に諸手続が進むよう、その対応を代表・幹事長に一任する。

なお、「提案事項」中、「全員参加が叶わない場合には、…円満かつ友好的に諸手続きが進むよう、その対応を代表・幹事長に一任する」とされた部分(上記の下線部分)については、19日の役員会の前に、私と平野幹事長との間で、政党要件を満たす5人以上の所属議員が求めた場合には、「分党」(分割)の手続きを進めることを、大塚耕平代表代行、岸本周平選対委員長立ち会いの下で確認しました。

こうした調整を行った上で、この「提案事項」は、両院議員総会で賛成多数で可決されました。

理念と政策の一致が重要

衆議院議員を中心に合流を望む議員が多数いる一方、国民民主党は結党以来、政権交代の選択肢となるべく政策提案を重視してきた政党であり、また、新党をつくる以上、綱領にも掲げた「改革中道」という理念や基本政策の一致を確認しなければ、合流に加わることはできないという議員もいました。

加えて、私自身、幹事長や政調会長間では合意できなかった消費税減税などについては、最終的に党首間で政治決断をしたいとして党首会談を申し入れてきましたが、残念ながら公式な党首会談は一度も行われず、軸となる基本政策について一致が得られませんでした。

今回の合意案では、政調会長の努力もあって、一定の理念や政策の一致をみたことも事実です。しかし、私にはどうしても、それ以上にこだわりたい政策がありました。それは両党首が政治責任を負って判断するしかない消費税減税のようなテーマです。こうした「新しい大義」がなければ、これまでの政策の違いにどうしても関心が集中するし、そもそも新党がいったい何をする政党なのか国民には分かりにくくなるため、何とか代表間で一致点を見出したいと模索を続けてきたのです。

実際、両院議員総会の場や、それに先だって開かれた地方の代表者の集まりである全国幹事会でも、新党結成を急ぐべきという意見が出る一方で、「改革中道」の理念やエネルギー政策など基本政策の一致を重視すべきで、今の条件では新党に行けないとの意見や、拙速に決めるのではなく全員が参加できる条件となるよう追加の協議を求める意見も多く出ました。

このように、8月11日に提示された条件での合流に国会議員や地方議員でも意見が分かれるのであれば、円満に合流を進めるためには、合流すべきという人と合流すべきではないと考える人で党を分けるしかないと判断しました。合流を希望する人としない人、どちらか正しくてどちらが正しくないというものではなく、それぞれの政治判断を生かせる道を用意すべきと考えました。とにかく、互いにいがみ合ったり反目しあったりすることだけは避けたいのです。

そして、私自身は、国民民主党という船を率いてきた船長として合流には参加せず、国民民主党を信じて活動してきた同僚議員や地方議員、党員・サポーターの同志とともに行動をともにすることを決意しました。

想定される「分党」の流れ

報道等で「分党」や「解党」という言葉が入り乱れてわかりにくいため、多少事務的な話になりますが、今後想定される分党と合流の流れを整理しておきます。


政党助成法上の「新設合併」

総務省「政党助成制度のあらまし」をもとに作成)

まず、政党助成法上の「分割」手続に従い、現在の国民民主党(図のA党)を、合流を希望しない議員から成る政党(B党)と、合流を希望する議員から成る政党(C党)に分党します。このうち、法的には新党となるB党を改めて「国民民主党」として設立し、国民民主党の理念や政策を引き継ぎたいと希望する議員や地方組織のための受け皿とします。C党は、今回合意した条件に基づいて、立憲民主党(D党)と「新設合併」方式で合流し、新党(E党)を結成します。A党がB党・C党に分党するに当たっての具体的な内容は、双方の代表者から成る分割協議会で決めていくことになります。

なぜ、こうした複雑な形を取るかというと、国民民主党の衆院議員のうち、比例復活で当選した議員は、2017年衆院選で希望の党の比例票によって議席を得ており、いったん国民民主党を解散しないと、そのままでは立憲民主党に入党することが法律上できないからです。

さらなる「大きな塊」に向けて

国民民主党を結党してから2年あまりが経ちました。コロナに苦しむ今の日本にこそ、国民民主党のような政策提案型の改革中道政党が不可欠だと私は信じています。だからこそ、私はこの思いを仲間とともに引き継いでいきたいと思います。

一方、いわゆる「大きな塊」は今でも必要だと考えています。そして、それは仮に党が分かれても実現可能だと考えます。つまり、党首間で合意をし、自公政権に代わる「野党連立政権構想」という形で、政権の選択肢を国民に示していくのです。その際には、合流協議では議論できなかった消費税減税を含む景気・経済対策や、米中の対立が激化する中での外交・安全保障政策について、ぜひとも一致点を見出したいと思います。

とにかく、私は国民民主党という政党が好きでした。「政策提案型の改革中道政党」はコロナ禍の中でようやくその存在感を発揮しつつあるところでした。だからこそ、このタイミングでの「解党」は万感胸に迫るものがあります。縁あって、この党に集った仲間とは、仮に別の道を歩むことになったとしても、2018年5月の結党時の結党宣言に掲げた「現実的で、偏らない、正直な政治」の実現を目指してともに頑張っていきたい、そう願っています。

最後に、党員・サポーターの皆さん、自治体議員の皆さん、応援いただいた支援者や支援組織の皆さん、党職員の皆さん、議員秘書・スタッフの皆さんに心からの感謝を申し上げます。本当に、ありがとうございました。


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