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新型コロナでアパレル企業は軒並み打撃 ラグジュアリーブランドの経営破綻はあり得るか

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ブランドステイタスを維持することで実現する高い利益率

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しかしながら、新型コロナによる世界各地での落ち込みがこのまま続けば、如何に営業利益率が高いラグジュアリー各社とはいえ、ブランドの廃止や経営危機に陥る可能性は高くなるでしょう。

そもそも旧型・従来型のコロナウイルスでさえいまだに根絶できておらず、毎年それなりの感染者が世界中で出ています。ですから今回の新型コロナも根絶することはほぼ不可能ではないかと思われます。

感染拡大しないように努めるのは重要ですが、経済を活性化させることも重要です。経済がこの後も長期間に亘って停滞したままなら、収益性の高いビジネスモデルを誇るラグジュアリーブランドといえども経営の根幹が揺るぎかねません。

ちなみに、ラグジュアリーブランドの営業利益率が高い理由は、①製造原価を安く抑えている②製造原価に比して高い販売価格を設定している、という2点にあると考えられます。

これが実現できているのは、ラグジュアリーブランドは、我々が普段買うようなファストファッションやSPAブランド、中価格帯ブランドとは異なり、「製造原価率〇〇%だからコスパが良い」という思想で企画製造販売していないためです。そしてラグジュアリーブランドの顧客は「高コスパ」を求めていません。

そうなるように、ラグジュアリーブランドは、少なくない資金を使ってブランドステイタスを高め続ける取り組みを行ってきました。例えば、有名タレントやスーパーモデルとの契約や豪華な店内内装などです。そういう高額な投資によってブランドに高いイメージを与えてきたわけです。そして、それを所有するのがステイタスだから製造原価率が10%程度でもまったく構わないわけです。顧客は生地や原材料を購入したいわけではないのです。

ここが、通常、我々庶民が日常的に購入する衣料品とは大きく異なる点です。

「安く作って(仕入れて)できるだけ高く売る」というビジネスの基本にもっとも忠実であり、ユニクロの「良品を割安で提供したい」という価値観とは対極のビジネスモデルを確立したのがラグジュアリーブランドだということです。

そして、「安く作って高く売る」ために、多額の資金を投入してブランドステイタスを高めるというのがラグジュアリーブランドの手法なのです。

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商品面でいえば、ともすると衣料品の華やかさに目を奪われがちですが、シーズンごとに商品が総入れ替えになるため、シーズン末期にはセールで値下げ販売するため高い利潤は望みにくく、売れ残って不良在庫となるリスクもあります。

ラグジュアリーブランドのメイン商材は、リスクの高い衣料品ではなく、販売期間が長くてデザイン変化の少ないバッグやベルト、財布などの雑貨やアクセサリー類、香水などです。衣料品はあくまでも「見せ球」に過ぎません。

そのため、衣料品がメイン商材である通常のアパレル企業よりもリスクが低く、利潤を稼ぎやすいといえます。正直なところ、日本企業には確立しづらいビジネスモデルだと感じます。

ラグジュアリーブランドの廃止や倒産が起きれば、コロナショックによる不況もいよいよ極まったといえます。そうなる前に何とか収束させたいものです。

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