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フリーランチは存在しない——寿都町の「核のゴミ」最終処分場調査応募問題

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北海道の寿都町が高レベル放射性廃棄物——いわゆる「核のゴミ」——の最終処分場の調査に応募することを検討している、というニュースをネットで初めて目にしたのは8月13日夜だった。

翌14日の朝刊には各紙とも記事を載せた。北海道内ではその後もいろいろと動きがあり、報道もなされているようだが、管見のかぎり東京での関心はいまひとつであるように感じられる。「寿都」の読み方からしてわからないひとも少なくないだろう(「すっつ」)。

道がこの種の施設の受け入れ拒否を条例化していることもあり、道をはじめ近隣自治体などからもおどろきと反発をもって受けとめられているという。

個人的にもおどろいた。寿都町のことはよく知っている。隣にある島牧村にもう35年もかよっているからだ。寿都では何度となく買い物をし、ニセコバスを乗り継ぎ、ゆべつのゆ(日帰り温泉)に入った。若くてバカ者だったころ、バイクでこけて救急車で運ばれたのも寿都の病院だった。

歌島高原にて(2009年9月)。当時の愛車ランクル80、奥に狩場山系と日本海が見える。ここは北海道島牧村の東端。カメラ位置よりもう数百メートルうしろへさがると村町境を越えて寿都町に入る。

いくつかの記事を読んだ。そのかぎりでいえば、寿都町町長の主張はたいへん率直である。ようするに目的はカネ、ということなのだから。たとえば、以下のインタビュー(有料記事)。

さて、事業主体であるNUMO (原子力発電環境整備機構)によれば、最終処分地の選定は、次の4段階を経てなされる。すなわち、文献調査→概要調査→精密調査→施設建設である。そして、各段階ごとに「都道府県知事、市町村長の意見を聴き、反対の場合は次の段階には進まない」としている。

第一段階である文献調査に応募すれば、それだけで20億円が当該自治体に支払われるのだという。文献調査では実地調査はおこなわれない。

実質的には、ただ手をあげただけでカネが入ってくる。さらに第二段階である概要調査まですすめば、総額で最大90億円が支払われるそうだ。概要調査ではボーリング調査などがおこなわれるので、それに関連しても町におカネが落ちるだろう。

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