記事

大学のキャンパス再開が難しい理由と、政府に求められる大学支援

1/2
[画像をブログで見る]

「大学はいつになったら対面授業を再開するのか?」

新型コロナウイルス感染拡大が世界中の教育現場に影響を及ぼす中、オンライン授業ばかりで人に会えず、精神的に疲弊した学生からこうした声が度々ネット上で挙がっている。

7月31日には、細野豪志衆議院議員がツイッター上で「日本国内でも、幼稚園・保育園から高校まで開かれ、リモートワークを取り入れながら職場も動いているのに、多くの大学はキャンパスから学生を締め出している。リスクを回避する大学の姿勢が、学生の学ぶ機会を奪っている。日本の学生も声を上げていいと思う。」と、大学を批判。

ただ、現場へのリスペクトに欠け、現状認識も誤っているツイートだったため、大学教員や学生等から多くの批判の声が集中。

なぜ大学のキャンパス再開が難しいのか。今、政治家や政府が取るべき行動とは何か、まとめておきたい(決して学生を扇動することではない)。

とは言え、ニュースを見ているとほとんどの大学が完全にキャンパスを閉じている印象を受けるが、実際はすでに半数以上の大学等が遠隔授業と面接(対面)授業を併用して実施していることは最初に確認しておきたい。

出所:文部科学省「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた大学等の授業の実施状況」(2020年7月1日時点)

もっとも大規模クラスターが発生しやすい大学

なぜ大学だけが、いまだにオンライン授業を続けているのか。

一言でいえば、大学ほど感染リスクの高い場所はないからである。

数百人、数千人以上の学生が広範囲から通学し、100人以上が一斉に「密」な状態で大教室に集まり、かつキャンパス内で頻繁に移動が起こり大勢とすれ違う、そんな場所は大学以外に存在しない。

実際、日本やアメリカ等の大学では、対面授業を再開したものの、すぐに感染が拡大し、オンライン授業に戻るケースが多発している。

アメリカ・インディアナ州のノートルダム大学は、秋学期が始まってから8日後の8月18日、対面授業の一時停止を発表。8月3日以降、927人が新型コロナウイルスの検査を受け、うち生徒146人と大学職員1人に陽性反応が確認された。

ノースカロライナ大チャペルヒル校も、8月17日、生徒130人が新型コロナウイルスの陽性が確認されたとして、2週間の対面授業の停止を発表。授業再開から1週間で、学生のコロナ陽性率が2.8%から13.6%に急上昇したという。

筆者も大学院に通っており、対面授業の再開を強く望んでいるが、現実的にはすぐに(少なくとも中・大講義は)オンライン授業に戻ることが容易に想像でき、対面授業の再開を強く訴えるよりも、オンラインでも充実した授業を受けられるように環境整備していくことの方が重要だと考えている。

感染者が一定数出ても、そのまま対面授業を続行するというのも一案であるが、マスコミが連日感染者数を速報し、不安を煽っている現状では、なかなか難しいだろう(すでに感染者が見つかった大学の学生に対するバッシングが多数発生している)。

また、大学がオンライン授業を展開してきた理由は他にも下記のようなものが挙げられる。

オンラインで学習の機会を確保できた大学とできなかった初等中等教育

冒頭紹介した細野議員のツイートでは、「リスクを回避する大学の姿勢が、学生の学ぶ機会を奪っている」と指摘していたが、実際は逆である。

大学は1ヶ月程度でオンラインでの授業体制をいち早く作り、感染リスクを抑えた上で学生の学ぶ機会を確保した一方、日本の初等中等教育では3ヶ月程度かけてもオンラインでの授業体制を作れず、対面に戻るしかなかった、という側面も大きい。

あわせて読みたい

「大学」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    枝野氏のデジタル化批判は的外れ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  2. 2

    枝野氏は共産党と組む覚悟が必要

    毒蝮三太夫

  3. 3

    「時代劇」半沢直樹を楽しむ方法

    大関暁夫

  4. 4

    風俗に「堕ちる」女性たちの事情

    NEWSポストセブン

  5. 5

    靖国参拝は「韓国への迎合不要」

    深谷隆司

  6. 6

    「酷くなる」望月氏が菅政権危惧

    たかまつなな

  7. 7

    児嶋一哉 半沢俳優陣はバケもん

    マイナビニュース

  8. 8

    芸能界で続く謎の自殺 ケア急げ

    渡邉裕二

  9. 9

    半沢の元ネタ 大臣は前原誠司氏

    SmartFLASH

  10. 10

    貧乳OK巨乳NG 仏美術館で騒動に

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。