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「趣味の1万円は平気でも職場の飲み会3000円は痛い」という心理の正体

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ふだん節約していても、なぜ旅先ではつい気前よくお金を使ってしまうのか。心理学博士の榎本博明氏は、「心理学者の小嶋外弘氏が提唱した『心理的財布』という概念で説明ができる。人の心の中にはいくつもの財布が存在するという考え方だ」という――。

※本稿は、榎本博明『ビジネス心理学大全』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Anson_iStock

状況によってお金の使い方が違うのはなぜか

旅先だと、ふだんは節約家の人でも、つい無駄遣いをしてしまうということがありますよね。職場の飲み会に3000円出すのをケチる人が、趣味や教養のためには1万円や2万円でも惜しげもなく支出したりすることもあるじゃないですか。そうした消費者の心理は、どう理解したらよいですか?

旅先ではつい財布のヒモが緩むというのは、多くの人が経験していることではないでしょうか。ふだんは2000円の食事でも高すぎると感じ、1000円以内でないと食べない人が、旅先だと3000円の食事でも平気で注文するといったこともあったりします。

旅先に限らず、誕生日とかの記念日には、ふだんはほとんど贅沢をしない人でも贅沢な食事をするというようなこともあります。

あるいは、職場の人たちとの飲み会に3000円を出すのはもったいないと感じる人が、1人でステーキを食べに行くときは5000円かかる店でも平気で入るというようなこともあります。

このように、同じ人物でも、状況によってお金の使い方が違うというのはよくあることです。また、人によってお金の使い方に癖があるということもあります。

たとえば、昼にみんなが定食屋に食べに行っても、自分だけ節約のためにコンビニ弁当で済ませる人が、気に入った衣服には惜しみなく給料をつぎ込むというようなこともあったりします。

こうした消費行動の背後にある心理メカニズムを理解するには、心理的財布や心理会計という考え方を知っておくと便利です。

心の中にはいくつもの財布がある

上述のような消費者心理を理解するために、心理学者の小嶋外弘は心理的財布という概念を提唱しました。私たちがもつ物理的な財布はたとえ1つであっても、心の中にはいくつもの財布があるとみなし、それを心理的財布と言います。

どの心理的財布から出すかによって、同じ金額の出費でも、高すぎたとして「痛み」を感じることもあれば、納得して「満足」を感じることもあります。

たとえば、デートのときなら食事代が1万円かかっても満足できるのに、職場のつきあいで食事代が5000円かかると痛みを感じたりします。冒頭であげた例のように、旅先では3000円の食事でも納得し、満足できるのに、日常の食事に1000円かかると、高すぎるとして痛みを感じたりします。

このように、状況によって使う心理的財布が違うため、同じ金額でも満足したり痛みを感じたりするのです。

心理的財布の例

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