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【新型コロナウイルス】消毒用アルコール転売規制解除に懸念続出 福島の中学校長「寄付でどうにか確保」「災害起きれば使用量増す」 医師は「棄民政策だ」

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新学期を前に、福島の教育現場が不安に包まれている。加藤勝信厚労大臣が7月末、マスクやアルコール消毒液等の転売規制を解除すると表明。今月29日にも消毒用アルコールの転売が解禁されるためだ。

福島市の中学校では消毒用アルコールの確保は寄付頼み、校長は「十分な備蓄があるわけでは無い」と不安を募らせる。折しも、福島県内では1日に7人の陽性者が確認されるなど感染がじわりじわりと広がっている。

子どもたちの手指や校舎内を消毒するアルコールをどうやって確保するか。苦悩の2学期が間もなく始まる。


【「2学期末まで持たない」】

 福島市立北信中学校(福島市鎌田御仮家)は、747人が通う福島県内でも有数のマンモス校だ。芳賀沼彰校長によると、消毒用アルコールは主に生徒たちの手指消毒用に使われ、校舎内の消毒は共用部分にとどめているが、それでも足りないという。

 「本校ではひと月に20リットルから30リットルは使います。今のところ80リットルほどの備蓄がありますが、24日から新学期が始まります。このままでは2学期の終業式まで持ちません。目に見えてひっ迫しているわけでは無いが、かといって十分な備蓄があるわけでも無い。とても心配です」

 実は本紙7月15日号を読んだ岩手県の医師などから、複数の消毒用アルコールが福島市立三河台小学校に届けられた。寄贈を喜んだ三河台小の小島英二校長は「もっと困っている学校がある」と北信中に40リットルを〝おすそ分け〟した。「80リットルほどの備蓄がある」と言っても、寄付頼みなのが実情だ。

 「教育委員会が配るのは、学校の規模に関わらず一律5リットル。あっという間になくなってしまいます。そこで、校舎内を消毒する時にはハイターなどを代用。また、地域のライオンズクラブに寄贈していただきました。そうやって使い方を工夫する事でどうにか保てている状態なのです」

 芳賀沼校長は、「過剰かもしれないと思うところは無いわけではありません。しかし、本校は747人をお預かりしていますから、保護者が2人として単純計算で1500人。その1500人が勤務先などでさらに多くの人とつながっています。無症状の陽性者もいるでしょう。そうなると、検温や手洗い、マスク、手指消毒は最低限のリスク管理として続ける必要があると考えています」と話す。



三河台小学校では、体育館での終業式は行わず、小島校長がテレビを通して子どもたちに感染に注意するよう呼びかけた。同小には前回記事を読んだ岩手県の医師などから消毒用アルコールが寄贈されたため、子どもたちが御礼の手紙を書いた

【「国や行政が確保するべき」】

 北信中学校は災害時の避難所としても活用される。昨秋は福島市内でも台風水害が発生した。地域の人々が学校に避難するような事態になれば、さらに消毒用アルコールが必要になる。東京方面への修学旅行が中止になるなど様々な影響が出ている中、芳賀沼校長は「節約しながら寄贈頼み」という現状に疑問を投げかける。

 「節約のための工夫をしなければいけない、寄贈で何とか保てている、という現状はおかしいです。本来は国や福島県、福島市がきちんと消毒用アルコールを確保するべきです」

 文科省は今月6日、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」の改訂版を公表。その中で「手指用の消毒液は、流水での手洗いができない際に、補助的に用いられるものですので、基本的には流水と石けんでの手洗いを指導します」、「机、椅子についても、特別な消毒作業は必要ありません」、「大勢がよく手を触れる箇所(ドアノブ、手すり、スイッチなど)は1日に1回、水拭きした後、消毒液を浸した布巾やペーパータオルで拭きます」などと表記。学校での手指を含めたアルコール消毒は不要との考えを示した。しかし、三河台小学校も北信中学校も、2学期以降も手指や校舎内のアルコール消毒を続けるという。

 「この前の記事のおかげで3件、アルコールの寄贈をいただきました。本当にありがたいです」

 1学期の終業式が行われた7日、福島市立三河台小学校の小島英二校長は保健室の一角で話した。寄贈された消毒用アルコールの入った段ボール箱が並べられていた。

 三河台小は今月7日が1学期の終業式だったが、3密を避けるために子どもたちを体育館には集合させなかった。

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