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「ピットブル事件」と「ネット上では容赦ない人たち」

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参考リンク:人はなぜネット上で無礼に振るまうか-自意識防衛の作用も - WSJ日本版 - jp.WSJ.com


僕はfacebookに関しては、あまり熱心にやっていないこともあり(というか、なるべくログインしないようにすらしています)、こういう経験はないんですよね。

僕が知っている範囲の日本のfacebookは、どちらかというと、「食べものや旅行、家族の話ばかりで、みんながお互いに『イイネ!』をつけあっている、平和だけれどちょっとめんどくさい場所」という感じです。

facebookで積極的に発言できる人は「自分の名前が売れることが、メリット>>デメリットである人、そういう仕事をしている人」という印象があるのです。


この参考リンクのような例は、僕が体験している範囲では、むしろ、ブログとかtwitterでよく起こっているように思われます。

ただ、これが「無礼」と言っていいのかは、ちょっとわからないんですよね。

訳した人も、うまく訳す言葉がなかったのかもしれません。


詳細は、参考リンクを読んでいただければ、と思うのですが、こんなやりとり、ネット上では、けっこう見かけます。

 そして、ブリストルさんの幼なじみがコメントを寄せ、こう断言した。「救急救命室(ER)担当の医師の立場から言わせていただきたい。15年この仕事をしているわたしは、ゴールデン・レトリバーにかまれて手術室行きになったとか、はたまた死んだとかいうケースに遭ったことがない」と。


 すると、この発言への批判が噴出した。ある人はその医師の「科学的調査結果」を見せるよう要求した。別の人は彼の患者たちが実際にはピットブルにかまれたかもしれず、その確認をこの医師が怠ったとして非難した。現実の世界を知るために「ERからあえて外に出る(ER担当医の職をやめる)」ことを推奨した人もいた。


 このけんかを蚊帳の外で眺めていたブリストルさんは、「あれは全くばかげていた」と話した。彼女の旧友であるこの医師は翌日の朝、彼女をフェイスブックの友達の指定から外した。これは8カ月前の出来事だが、彼女にはそれ以来、この医師から連絡は全くないという。

で、このER担当の医師の発言に対して、大バッシングが起こったというのも、「ああ、日本でもこういうこと、あるある」という印象でした。

おそらく、この医師は、あくまでも「自分の経験について話している」つもりだったと思うんですよ。

たとえば、飲み会で「そういえばさあ、なんかゴールデン・レトリバーって凶暴らしいよ」って話しかけられて、「そう?僕がつとめているERでは、実際にゴールデン・レトリバーに襲われて重傷を負った人なんて、診たことないけどね」って返すような感じで。


まあ、これは別におかしくないですよね。

というか、専門家に世間話として話をふったら、そういう返事がくることは異常でもなんでもない。

もちろん話している本人も、それは「統計学的な有意が証明されたデータ」ではないことは百も承知で、「自分の場合はこうだけど」と言っているわけです。

この人の場合は、「自分の経験では」って言っているけれど、15年間も臨床経験があるわけですから、診ている患者さんの数もかなり多いはずだし、いろんな研究にも目を通しているはずですから、それなりに「尊重すべき経験談」ではあると僕は思います。

もちろん、「この人がこういうのだから、それが統計学的にも証明され、救急学会もみとめた事実だ」というわけじゃありませんけど。


これに対して、「科学的調査結果」を出せという人たちの立場や気持ちも、わからなくはありません。

「じゃあ、そういう学会発表や論文があるのか?」と。

残念ながら、この参考リンクの記述だと、医師が「ゴールデン・レトリバーは危険じゃない(他にもっと危険な犬がいる)」というニュアンスで発言したのか。「犬そのものが、そんなに危険なものじゃない」という意味だったのか、ちょっとわかりませんので、どういう立場の人たちが、医師をバッシングしたのか、想像しにくいんですけどね。

「たったひとりの専門家の経験に基づく主観に、俺たちは騙されないぞ!」

と主張するのは、(この発言については、医師も別に学術的な根拠をもって書いたわけではなさそうなので)いささか過剰防衛だとは思うけれど、「論拠が乏しいのを指摘するのは間違っているのか?」と問われると、「まあ、そういうスタンスで人生を送る人もいるでしょうね」としか言いようがない。


しかし、経験豊富な医師がERをこんな理由でやめたとしたら、誰が得するのかねいったい?

ERの現場には、「襲ってきた犬の種類をきちんと確認すること」よりも、もっと差し迫った「やるべきこと」がたくさんあります。

急患がひとり来るたびに、インタビュー番組をつくるわけにもいきますまい。

自分が犬に噛まれて大けがをしているときに「その犬種は何でしたかっ!本当にそれで間違いないんですねっ!」としつこく食い下がって、診療をはじめてくれない医者!

ある種の中毒性薬物のように、「何が原因か」が大事な場合もあるのは事実ですが。

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