記事

【新学期商戦】、絶対にあり得なかったウォルマートのテレビCM!1年前なら大炎上も?

[画像をブログで見る]

■全米小売業協会(NRF)は先月、子供を持つ世帯が計画している商戦期間中の世帯支出額について今年は空前の大ヒットになるとの見通しを発表した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンライン授業が増加することで、コンピューター購入が支出を押し上げるとの予想なのだ。

NRFによると、2020年の新学期商戦の支出額は総額で1,016億ドル(約11兆円)となり、昨年の807億ドル(8.6億円)から26%の大幅増となる。

 新学期商戦の内訳では、幼稚園児から高校生までの子を持つ世帯(K12)の新学期支出総額が339億ドル(3.6兆円)で昨年の262億ドル(2.8兆円)から30%近くの伸びとなり、過去最高となった2012年の303億ドルから36億ドル(3,800億円)も上回った。

K12の1世帯当たりでは平均で789.49ドル(8.4万円)の支出となり、前年の696.70ドル(7.5万円)から90ドル以上の増加となった。

 バック・ツー・カレッジ(BTC)となる大学生の子をもつ世帯に支出総額は677億ドル(7.2兆円)と前年の545億ドル(5.8兆円)から24%の増加となった。過去最大となる2018年の553億ドル(5.9兆円)からも124億ドル(1.3兆円)も増加した形だ。

BTCの1世帯当たりでは1,059.20ドル(11万円)となり、前年の976.78ドル(10万円)から大幅の伸びとなった。

 新学期商戦が空前の大ヒットとなるのは、リモートによるオンライン授業が増加するからだ。K12とBTCの買い物客55%は今秋から始まるクラスの一部が自宅での授業となると予想。

大半もしくは全てのクラスがリモート授業になると予想する買い物客も26%もいる。こういったお客の72%がeラーニングに備えてコンピューターや家具、文具を揃える必要があると回答している。

商品カテゴリーの内訳ではノートブックコンピューターを購入するとした人は36%に上り、スピーカーやヘッドフォンは22%、マウスやフラッシュドライブなどコンピューターアクセサリーは21%、プリンタは17%となっている。

 遠隔学習などリモート授業の増加に呼応し、小売企業の新学期商戦コマーシャルも異変が生じている。

まず新学期を意味する「バック・ツー・スクール(Back to school)」という呼び名が、コマーシャルでは「レディ・フォー・スクール(Ready for school)」になっているのだ。

例えばアマゾンでは「2020年レディ・フォー・スクール(Ready for School 2020)」となっており、メイシーズも「レッツ・ビー・レディ・フォー・スクール(Let’s be ready for school)」だ。

2つ目の異変は自宅学習が増えることから、コマーシャル背景が教室や学校より自宅場面が圧倒的に多くなっていることだ。

アニメ動画を使ったターゲットの「ホームルーム、チェック(Home Room. Check)」は自宅の勉強机が背景となっている。ティーンをターゲットにするアメリカン・イーグルも「オールデー、エブリデー、ビー・カンファタブル、ビー・ユー(All Day. Every Day. Be Comfortable. Be You)」で自室での自撮りが中心だ。

最も象徴的なのはウォルマート。「ウォルマート・バック・ツー・スクール(Walmart Back to School)」はマスク着用で登校する子供たちを映している。

パンデミック以前、アメリカで公の場などでマスクを付ける人はほぼ皆無だった。マスク着用は病院や工事現場くらいで一般的ではなかったのだ。マスク着用は重い感染症を患う病人というイメージもあった。

パンデミックがなければコマーシャルでマスク着用の子供を登場させることはあり得なかったのだ。ウォルマートはアメリカで前代未聞となるニューノーマルを新学期商戦のコマーシャルで映しているのだ。

 新学期商戦のコマーシャルで子供にマスクとなれば年末商戦はサンタクロースにもマスク着用となるのかもしれない。

トップ画像:ウォルマートの新学期商戦コマーシャルではマスク着用で登校する子供たちを映している。マスク着用は重い感染症を患う病人というイメージもあったアメリカでは、ありえなかったコマーシャルだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。エントリー記事にあるように今年の新学期商戦の売上高は史上最高額に達するとの予測です。理由はリモート授業が増えるからです。リモート用に小学生も500ドル前後するノートブックパソコンなどコンピューターを購入するため単価が上がるのです。一部の学校は始まっているようですが、週に2〜3日をリモート授業にして、クラスに8人以上を入れないようにしているとのこと。ただ秋から冬にかけて新型コロナウイルスがさらに猛威をふるうようになると再びリモートオンリーになるでしょう。遠隔授業がニューノーマルです。

万が一にもワクチンの開発が遅れれば、このニューノーマルが長く続きます。リモート授業が一般化すると人々の価値観も大きく変わってきます。遠隔でのクラスルームに慣れた子供が大学生になれば、大学の高い授業料は意味をなさなくなります。授業はビデオでやってわからない部分を補修等で遠隔ワンツーワンでやればいいことになりますから。バカ高い学資ローンを減らせます。

 来年の新学期商戦のコマーシャルはどうなっているでしょうか?ノーマルに戻っていることを祈ります。

あわせて読みたい

「アメリカ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「賃上げで皆さんの生活を守る」利益の上がった企業が賃上げをしないのはおかしなこと

    中西健治

    10月17日 08:39

  2. 2

    飲食業界はコロナ禍で衰退ではなく「新陳代謝」する

    内藤忍

    10月17日 09:20

  3. 3

    高市氏の影響が大きい自民党の選挙公約 期待されたハト派の岸田氏はどこにいったのか

    小宮山洋子

    10月16日 11:40

  4. 4

    「ショートパンツの女の子見たいならサッカー観戦」また立憲!新人の“軽薄ツイート”が物議

    女性自身

    10月16日 10:57

  5. 5

    「人気アイスは64円」急成長のシャトレーゼを待ち受ける3つのリスク

    PRESIDENT Online

    10月16日 15:51

  6. 6

    甘利さんにあまりエールを送りたくはないが、この選挙区調整は芸術的ですらある

    早川忠孝

    10月16日 17:23

  7. 7

    新型コロナワクチン接種完了から“8カ月後も重症化防ぐ”有効性を確認 米研究

    ABEMA TIMES

    10月16日 15:32

  8. 8

    総選挙予測 投票率50%代後半~60%なら自民の単独過半数割れもあり得る

    NEWSポストセブン

    10月16日 11:29

  9. 9

    立憲民主党・福山哲郎幹事長「岸田総理がブレだしたので、やりやすくなった」

    ABEMA TIMES

    10月16日 15:23

  10. 10

    「輸出量はたった4年で300倍に」茨城県がメロンの海外展開を大成功させたシンプルな手法

    PRESIDENT Online

    10月16日 14:45

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。