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頭を下げて出直しても日韓通貨スワップを延長すべきでない理由

 内閣改造が行われて、新たに就任した城島財務大臣が動き出していますが、手始めは日銀の外国債購入と、日韓通貨スワップの延長について。

 城島大臣が、それらの問題にどう答えたかご存知でしょうか?

 先ず、日銀の外国債購入に関しては、「基本的には慎重に検討すべき課題」だと答え、そして、通貨スワップの延長については、「延長の是非を慎重に検討している」と。

 まあ、こうして「検討する」なんて言うものだから、韓国が嫌いな人々は、何を検討することがあるのか、と少しご立腹に見えるのです。違います?

 結論から言えば私も反対。検討などする必要はないという立場です。

 ですが、そうやって立腹している人々は多分誤解をしていると思うのです。

 では、誤解をしているとはどういうことか?

 城島大臣は「慎重に検討」と言っているのです。単に「検討する」というのであれば、文字通り検討するということでしょうが、役人が作成した答弁書に「慎重に」と書いてあるのは、答えはノーということを意味するのです。

 つまり、「慎重に検討」は、外国債の購入も通貨スワップの延長も、ともに認めることはありませんと言っているのに等しいのです。だから、心配する必要はなし。

 それはそうと韓国の新聞の社説に、こんなことが書かれていると報道されています。

 「多くの韓国人は、『頭を上げて出直せ』と解釈した」「韓国人は日本の対韓援助中止を恨んでいない」

 まあ、この報道に接した人々は、多分、韓国もある程度のことは分かっているではないか‥なんて思っているのではないでしょうか?

 はっきり言ってそうなのです。日本に支援を頼みながら、その一方で、竹島を一方的に占拠したり‥それだけならまだしもとんでもない暴言を吐く訳ですから、幾らお人好しの日本人でも呆れてしまうのです。

 だから、「頭を下げて」というか、よく考え直して欲しいというのが、多くの日本人の真意であると思うのです。

 では、仮に韓国が真摯に頭を下げて通貨スワップの延長をお願いしてきたら、そのときに日本は
どうすべきであるのでしょう?

 まあ、お人好しの日本人のことですから、なかには、頭を下げてくるなら延長を認めてやってもいいではないかという考えの人もいるでしょう。しかし、その一方で、竹島の領有権に関し日本の言い分を認めない以上、延長など認めてはいけないという考えの人もいるでしょう。

 貴方はどのように考えますか?

 こう言うと、では貴方はどう思うのか、と言われそうなのですが、私の考えを述べれば、たとえ韓国が頭を下げようと、或いは竹島についての考えを改めようと、通貨スワップの延長は認めるべきではないと思うのです。というか、そういった問題と通貨スワップの延長の問題は全く切り離して考えるべきなのです。

 では、何故、通貨スワップの延長は認めるべきではないのか?

 私は、日韓の通貨スワップが典型的なスワップであり‥つまり、お互いの中央銀行間で行われ、そして相互に役に立つ通貨の交換契約であるならば、それなら何も異議はないのです。お互いが万が一のときのために‥つまり外貨不足に見舞われるような場合に備えてそうしたスワップ協定を結ぶのであれば、お互いの利益になる訳ですから、そのような協定に異議を述べることはありません。

 しかし、今日韓で締結しているスワップ協定というのは、そのような狭義の意味の通貨スワップにとどまるものではなく、一言で言えば、日本から韓国に対するクレジットラインの供与である意味合いが大きいのです。つまり、韓国がこれまで度々経験しているように、またしても資本の逃避が起き通貨危機に見舞われそうになった場合に、日本が韓国のウォンを担保に外貨を融通してあげる、つまり融資してあげるというのが実態であるのです。

 また、だからこそニュースで報道されているように、韓国自身が「韓国人は日本の対韓援助中止を恨んでいない」なんて正直に言っているのです。

 いいでしょうか、問題はここのところにあるのです。

 韓国は、日韓通貨スワップを援助と認識している。つまり、通貨スワップ=援助、である、と。

 では、日本は、どんな国に対しても援助を行うようなシステムになっているのでしょうか? 或いは、その時々の政権の判断で援助の対象にしたり、或いは援助を断ったりしているのでしょうか?

 答えは、基本的には、開発途上の国に対して日本は援助を行うというスタンスを長い間取ってきているのです。

 それはそうです。援助のお金には限りがあるのです。どうして発展を遂げた国に対してお金を融資してあげる必要があるのでしょう?

 つまり、そのようなルールを政府自身が守って、これまで長い間、開発途上国に対し円借款という融資をしてきている訳なのです。もちろん、かつては韓国もその円借款の対象であったのです。つまり、日本は韓国に対しかつては融資を行っていた、と。しかし、今から20年ほど前の韓国の地下鉄開発事業に対する円借款の供与を最後に、日本政府の融資はストップしているのです。

 というのも、韓国はもう十分発展を遂げ自力でやっていける力があるのに、何故日本が特別な支援をする必要があるかということです。

 しかし、そうしたルールがありながらも、日本政府は、日銀が韓国の中央銀行との間で締結する通貨スワップに加えて、日本政府自身がスワップに関与するような形にしたのです。つまり、外為特別会計にたまった外貨を韓国に融資するようなシステムを勝手に作ってしまっているのです。しかも、その規模は700億ドルということで、日本円に直すと約5兆5千億円。

 そして、そんな大金が韓国に供与されるにも拘わらず、それが国会の議決を必要とせずノーチェックで行われるシステムになっているのです。

 いいですか? その700億ドルの大半は、日本政府が政府短期証券を発行して得た円貨が外貨に交換されたものなのです。つまり、外為特別会計に膨大な外貨を保有しているとしても、それは全て国民の借金の結果であるのです。従って、韓国に対し外為特別会計から外貨を融資するということは、全て国民の借金の上に成り立っているということであるのに、それが何の国会のチェックも受けることがないなんて、これは制度の欠陥だと言わざるを得ないのです。

 というよりも、そうした制度の欠陥をついて、官僚と政治家が自由にお金を使っているというべきなのです。

 これが日韓通貨スワップの実態なのです。だから、韓国が幾ら頭を下げようがそう簡単に延長などできないのです。別に私は、韓国に対する経済制裁の一環として通貨スワップを延長すべきでないと言っているのではないのです。

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